【箱根駅伝特集】シード権獲得を狙う、古豪・神奈川大学駅伝チームの想いとは?
ココがキニナル!
10年以上遠ざかっているシード権の獲得を目指す神奈川大学と、「史上最強」という第91回大会総合優勝の青山学院大学の駅伝チームについて2回にわたってお届け!
ライター:はまれぽ編集部
2016年1月2日(土)・3日(日)、第92回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が行われる。
はまれぽでは、エリア内の注目校を2回にわたってお届け。第1回は、10大会ぶりのシード権獲得を目指す神奈川大学に密着する。
悲願のシードへ!
神奈川大学陸上競技部は、1948(昭和23)年に創部。前身の横浜専門学校時代を含め47度目の出場となる。
「横浜専門学校」時代の神奈川大学
同部はこれまでに往路優勝3回(1997<平成9>年、1998<平成10>年、2002<平成14>年)、復路優勝1回(1998年)を誇る。1997~1998年は総合連覇を果たした名門だ。
しかし出場20校中、上位10校に与えられる次回大会のシード権を手にしたのは2005(平成17)年の第81回大会が最後。復権に燃える古豪は、シード権の獲得に照準を合わせている。
練習を重ねる駅伝チーム
そして本大会を3週間後に控えた2015(平成27)年12月中旬、横浜市神奈川区の同学構内で練習を重ねるチームに話を聞くことができた。
「大変厳しい椅子取りゲームになることが予想される―」そう話すのは、神奈川大学陸上競技部駅伝チームの大後栄治(だいご・えいじ)監督。
1987(昭和62)年同部のコーチに就任すると、わずか3年でチームを18年間遠ざかっていた本大会へ導き、監督に就任した1998年は前述のようにチームを連覇に導いた立役者だ。
穏やかな表情とは裏腹に、厳しい現状分析をする大後監督
同部は2010(平成22)年度から2014(平成26)年度までを、復活を期した「5か年計画」としてさまざまな取り組みを行ってきたものの、集大成となる前回の91回大会は総合17位に終わった。
大後監督は「5か年計画も含め、弱い部分を補えば別の問題が生じるという、いろいろ策を講じるが、エースが育てば中間層が育たない。山のぼりがうまい選手がいれば、平地が弱いなど、本当にうまくいかない10年だった」と振り返る。
過去のチームを振り返る大後監督
しかし、今年のチームには並々ならぬ手ごたえを感じている。その自信の根拠となるのが、ともに4年生の我那覇和真(がなは・かずま)主将と西山凌平(にしやま・りょうへい)選手だ。
この点について大後監督は「5年前は1区と(エース区間と呼ばれる)2区で戦える選手がいなかったが、我那覇や西山という2枚看板ができた」と手ごたえを口にする。
我那覇主将(右)と西山選手
我那覇選手・西山選手の1万メートル自己ベストは28分台と、前回優勝した青山学院大学のメンバーとそん色ない。
そのうえで大後監督は「『スピード駅伝』『戦国駅伝』と言われる昨今、穴があるチームで戦うのは厳しい。今年はストロングポイントを持った選手や我那覇、西山に続く中間層も育ち、大きく欠けている部分はない。本番までけがなく、理想のオーダーが組めれば6年目にしてワンステップ踏める手ごたえはある」と自信を見せた。