全国各地さまざまな場所で見られる巨大仏。厳かではあるが、どこかユーモラスでもある。それは、仏像というものが我々の心にしっかりと居場所を持ち、適度な距離感があるからそこ感じることなのだろう。

そんな巨大仏が、この横須賀にもあるという。しかもその仏像が鎮座する霊園には、巨大仏以外にもさまざまな石像があるのだという。

不謹慎かもしれないが、ちょっと楽しそうだというのが偽らざる本音である。
一体、どういうところなのだろう。

横須賀

件の大仏があるのは久里浜霊園で、横須賀市の長沢という場所にある。最寄駅は京浜急行の京急長沢駅で、横浜駅からは45分ほど。

　

駅改札　
　

駅としてそう大きくはない
　

駅前が広く、ゆったりしている
　

横浜在住の筆者からすると、ちょっと遠出したなという印象。
さて、ここから久里浜霊園までは徒歩で15分ほどである。散歩気分のんびり歩く。少し行くと・・・

　

早くも片鱗が
　

ちょっと立派
　

庚申塚（こうしんづか）は全国各地にあるが、ここ長沢のは一味違うのではないだろうか。こういうのが好きなお土地柄なのだろうか。
この塚のちょっと先で野菜を路上販売しているお婆さんに遭遇。すると、とても気軽に話しかけてくださった。信心深いのか、石像が好きなのかは分からないが、人が良いお土地柄なのは間違いないようである。
ちなみに、写真撮影は恥ずかしいとお断りをいただいてしまった。残念。

久里浜霊園

ずいぶん遠くまで見渡せるなぁと思いながら歩いていると、やがて眼前に不思議な門らしきものが現れた。

　

雄大なキャベツ畑
　

その先に・・・

　

細かい装飾
　

アニメに出てきそうなデザインである。これが霊園なのか？　と半信半疑で近づく。

　

どうやら間違いないようである
　

しかし凝っている
　

入ってまず驚いたのは、その広さである。まず右手に墓石群があり、その量だけでも驚かされるのに、上を見ればまだまだ見渡す限りのお墓。

考えてみれば、死んだ人間の数が減らない以上、お墓もそうは減らないのだ。そんな当たり前のことを、改めて実感する。

　

ものすごい数
　

しかしそれはごく一部に過ぎない
　

取材のお約束をいただいた時間までまだ少しあったので、件の大仏を見てみようと霊園内を散策する。

　

どうやらこの坂の先にあるようだ
　

坂の途中にも石仏（？）が
　

噂に違わぬ石像だらけ
　

しかし、思った以上に坂がキツイ。息を切らして登っていると、やがて駐車場のような場所に出る。

　

ここにも石仏
　

ずいぶん高い所まで来たなぁ
　

一通り写真撮影をして、何気無く振り向いた時である。

　

！
　

！！
　

あれだ！　間違いない！
なんという存在感。前知識ゼロでも確信できるその佇まい。うーむ、一味違う。
一刻も早く駆け寄りたいが、大仏に至るまでにまだ坂は存在する。もう嫌だと独り言ちる。