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横浜市で地盤が固い所はどこ?

ココがキニナル!

引越しを検討していますが、地震恐怖症です。横浜市で地盤が固い所はどこですか?(luckey_mieさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

特定するのは難しいが、洪積層かつ「切り土」の土地が地盤の固いところ。だが、宅地造成にも左右されるので、専門の調査会社に相談するのが吉。

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ライター:河野 哲弥

「地盤が固い」とはどのようなことか



今回の質問を拝読したとき、以前「鶴見区の「岸谷の湧水」は、ドコから湧いてるの?」の調査でお世話になった「横浜市環境科学研究所」のことを思い出した。

この研究所は、横浜市各地のボーリング調査を行っている市の施設であり、そのデータをさまざまなことに活用している。さっそく、手がかりを得る為に再訪してみることにした。
 


横浜市環境科学研究所の外観


すると、「横浜のボーリング調査位置及び軟弱地盤分布図」という資料が出てきた。この図に示されている軟弱地盤ではない場所が、「地盤が固い」ということなのだろうか。もう少し詳しく話を伺ってみよう。



地盤の固さの目安その1、「沖積層よりも洪積層」


 


「横浜のボーリング調査位置及び軟弱地盤分布図」


まずは「軟弱地盤」の定義から確認してみた。

すると、図では「沖積層(ちゅうせきそう)」のことを指すとのお答え。これは河川に浸食された土などが比較的最近積もった土地のことであり、一般的には、地震が起きると地盤沈下や液状化現象が起きやすいといわれている。

この図はこうした「軟弱地盤」を7段階に分けて表示しているもので、緑色が濃くなるほど「沖積層」が深いことを示し、最大で60mとなっている。大型のビルなどを建てる場合、深くなればなるほど、大規模な基礎工事が必要となってくる。

この「沖積層」と対比してよく使われるのが「洪積層(こうせきそう)」。2万年以上前の更新世に堆積した地層で、比較的「地盤が固い」といわれている。
 


「港の見える丘公園」のような高台は地盤が固い


では、「沖積層」が深い場所を改めて調べてみよう。

市北東部で色が濃くなっている場所は、鶴見川流域の新横浜から日吉にかけての地域となる。
そこから南に、横浜駅周辺、大岡川下流域、磯子近辺の埋め立て地帯、そして南東端の金沢八景周辺と続く。

一方内陸部では、鶴見川の上流である谷本川と恩田川両流域、戸塚周辺を南北に流れる柏尾川流域などに、薄く色が着いているのが分かる。
 


市の中西部の拡大写真。緑色の部分が少ない


そうなると、市の中西部や「金沢動物園」の近辺が安全そうに思われる。しかし実際は細かな河川や谷が無数に存在しているので、一概に「何区」というような特定は難しい。なお、この資料は図書館などに置いてあるので、細かく知りたい方は参照してみるといいだろう。
 


「横浜市地盤環境調査報告書」の付録になっている


「横浜のボーリング調査位置及び軟弱地盤分布図」自体は薄いので、書架に並べられている場合は見つけにくいかもしれない。黄土色の「横浜市地盤環境調査報告書」を目安にすれば、その左右にあるはずだ。



地盤の固さの目安その2、「盛り土よりも切り土」



ところが、「沖積層」ではない場所も、必ずしも安全とは言えない場合があるとのこと。
それは、宅地造成の仕方と関連しているらしい。
 


宅地造成のイメージ図


つまり、自然の浸食作用ではなくとも、土を積んでできた土地は無数にある。一般的には、このような「盛り土」に比べ「切り土」の方が「地盤が固い」といえるそうだ。そうなってくると、これは不動産屋に直接聞くか、造成以前の古い地図を図書館などで探し出して確認するしかないだろう。

併せて参考としたいのが、市の消防局が公開している「液状化マップ」。
同局の情報技術課長によれば、これは液状化の予測をしているもので、無印の部分の地盤の安全性などを保証するものではないとのこと。あくまで予測されるポイントに限って、液状化の対策を講じてほしいと話していた。

従って、比較的安全な「地盤が固い」場所は、洪積層かつ「切り土」の土地といえる。
逆に避けたい危険な場所は、沖積層かつ「液状化マップ」の色の濃い土地となる。