横浜市で地盤が固い所はどこ?
ココがキニナル!
引越しを検討していますが、地震恐怖症です。横浜市で地盤が固い所はどこですか?(luckey_mieさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
特定するのは難しいが、洪積層かつ「切り土」の土地が地盤の固いところ。だが、宅地造成にも左右されるので、専門の調査会社に相談するのが吉。
ライター:河野 哲弥
目に見える被害と、目に見えない被害
ところで他のキニナルに、横浜駅西口のダイエーの近辺だけ被害が大きかったのはなぜかという問い合わせがあったので、併せて見解を求めてみた。すると、基礎工事と関係しているのではないかという。
職員の描いた図を再現したもの
ダイエーの建つ場所は「沖積層」
一般家屋によく用いられる「べた基礎」工事は、岩盤まで杭を通さない板状のコンクリートを用いた施工手法である。周囲に不ぞろいの沈下現象が起きた時などは、かえって均等化する作用があるそうだ。(逆に傾斜する可能性もあるので注意)
一方、大型のビルの場合は基礎杭の上に建てられることが多い。従って、わずかな沈下でも、あたかも空中に浮くような状態が出現するとのこと。ここで、改めて当時のダイエーの写真などを見てみよう。
2011(平成23)年3月15日 震災後のダイエー前の様子
同日 関内ホール
「横浜のボーリング調査位置及び軟弱地盤分布図」を見る限りでは、横浜西口近辺は沖積層ではあるが、ダイエー近辺だけ特に地盤が弱いとは考えづらい。
そこで、次のようなことが考えられると、横浜市環境科学研究所の方は話してくれた。
「べた基礎」の建造物について。これらは地盤沈下が起きたとき、地盤に合わせるように家屋が沈んだため、周囲と比較してその被害が目に見えなかったのではないか。
一方、「基礎杭」のため、ダイエーを含む大型のビルは部分的に沈下をしていない箇所がある。その境目が割れやすいコンクリートやレンガであったため、亀裂が生じたのではないかとのこと。
ダイエーのある場所
そうなると、ダイエー近辺の被害が特に大きかったのではなく、基礎工事の違いによって、いかにも被害が甚大だったような錯覚に陥ってしまったということになる。被害の大小は、見た目からは判断しづらいのかもしれない。
引っ越しをするにあたって
以下、必ずしも安全を保証するものではなく、比較的安全と思われるという限定付きのまとめになるが・・・
- 「横浜のボーリング調査位置及び軟弱地盤分布図」から、色の着いていない洪積層を引っ越し先の候補にする。
- 市の消防局が公開している「液状化マップ」で、危険地域でないことを確認する。
- 候補地の宅地造成の詳細を不動産屋から入手し、「切り土」の土地であることを確認する。
といったところだろうか。
ただ、地盤の固さだけで引っ越し先を決めるのは早計かもしれない。
例えば崖沿いの土地では土砂災害の危険も考えられる。
結論としては、日々ニュースで報じられる災害を自らのこととして捉え、個々に判断するしかないと思われる。どうしても心配であれば、専門の調査会社などに相談するのが確実だろう。
―終わり―