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東横線廃線跡に現れた謎の「R16」!これは一体なに?

ココがキニナル!

高島町付近の旧東横線の高架下の壁に「R16」と書かれた壁が出現。物置?アトリエ?一体何をやっているの?(とぽ1870さん/砂芋さん/ダミさん)

はまれぽ調査結果!

謎の「R16」は期間限定のアートスタジオだった。2018(平成30)年8月に設けられ、現在16ブロックの空間で23名ほどのアーティストが制作活動を行っている。

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2018年12月15日

ライター:おとも尚美

2004(平成16)年の「横浜~桜木町」駅間の東横線廃止以来、高架を遊歩道として活用するという横浜市の計画は二転三転し、当初の予定を大幅に過ぎ、現時点では2021年度に完工予定となっている。しかしながら、その進行状況にも完工予定にも疑問が湧いてしまう。
そんな状況を心配していたら、とある投稿が目に留まった。

「旧東横線の高架下の壁に『R16』と書かれた壁が出現」「R16って何なの?」

なにそれ?ライター・おともも非常にキニナル。
という訳で、まずは「R16」のある場所に向かってみた。
 
場所は、高島町の交差点から桜木町方面に続く約100メートルある16ブロックのゾーン。
歩いてみると・・・
 


ブルーライン高島町駅2番を出る

 
あった・・・!謎めいた「R16」!
 


国道16号線を挟んだ目の前に現れる「R16」の文字

 


夜の様子(提供:BankART1929)

 
これは非常に謎めいている・・・。
 
 
 
「R16」とは何?
 
調べてみると「R16」を運営しているのは「クリエイティブネットワーク実行委員会」という組織だった。
クリエイティブネットワークとは、横浜市における約13年間の創造都市施策の歩みを1年間に渡り検証していくプログラムで、委員長の恵良隆二(えら・りゅうじ)さん(横浜市芸術文化振興財団専務理事)を筆頭に9名のそうそうたるメンバーで成り立っている。
 
今回は、同実行委員会の事務局長を務め、NPO法人BankART1929の代表でもある池田修(いけだ・おさむ)さんにお話を伺った。

早速、「R16」とは何?という一番キニナル質問をぶつけてみた。
 
 
 
「R16」は期間限定のアートスタジオ
 
横浜市の未来を担う新市街地と、これまでの横浜を支えてきた旧市街地をちょうど分断するような形で存在する廃線跡。約1kmも続く「高架下」というスペースを有効活用できないものかと考えられ、「物を創る空間」として誕生したのが「アートスタジオ R16」なのだそう。
アートスタジオを作る目的で高架下を選んだのではなく、高架下利用ありきのアートスタジオ開設とのこと。
 
「R16」という名前の由来は、国道16号線に面していることと、高架下が16ブロックに分かれていたことにちなんで付けられた。正式名称は「Route16 国道16号線スタジオ」(以下、「R16」)。
 
「R16」の広さは約303坪以上あり、およそ1ヶ所100メートルあるゾーンは、横浜駅側からR1と数える。16ブロック中8ブロックにアーティスト達が入居し(取材当時)、5ブロックは倉庫やステージ、エントランスとして使用中。空きブロックには新たなアーティストが入居予定だ。
 
「物を創る空間」といっても、工芸よりはアートや建築、一般のオフィスというよりはクリエイティブな現場、という方向性で各ブロックの入居者を決定し、原則はアトリエとして使用しているのだとか。
池田さんは「ああいう場所なので、こじんまりしたものよりはダイナミックなものが適合する。室内だと埃も大きな音も出せないので、荒い仕事が出来る空間として捉えていただければ」と、話す。
 
横浜市との使用契約期間は1年間で、2019年3月末までだが、成果次第では期間延長の可能性もあるらしい。
 
 
 
高架下は一番良い場所
 
アートスタジオならもっと向いている場所があったのではないだろうか?そう問うと、「一番良い場所をどうして10年以上も放置してるの?という考えからだね」と、池田さん。
 
一番良い場所とはどういう事だろうか?どう考えても雨や風を凌ぐのがやっとな感じに思えるのだが・・・。
 


夏は暑そうだし、冬は寒さが直撃する感じだ

 
「あの廃線跡は、『公』という名のプライベートになってしまっているよね。横浜市もどうにかしようとしているけど10年以上何も動けていないでしょ?新高島も土地が売れて、周りが発展してきてポテンシャルもあるのに、旧市街地と新市街地の真ん中にある邪魔なものをそのまま使わないのはもったいないじゃない」
 


この場所を「もったいない」と思える感性が凄い!

 
「何が出来るかは分からないけど、可能性を開いてみないとどうしようもない。土地のコンディションは、雨風直撃で周りもうるさいと分かっていても、まずは使ってみようと。もっと整備をしてお金をかけて、きちんとしたアトリエにする事はできるかもしれない。でもそれは次の問題で、いつまで続くか分からないものに大きなお金はかけられない。今は小資本で、まずやれることを手作りでやっているという感じかな」と語ると、池田さんはコーヒーを一口啜った。
 
 
 
何故アートスタジオなのか?廃線跡が抱える複雑な事情
 
仮に高架下を使用できるとしたら、ライター・おともなら「世界の屋台村」みたいな事をやってみたいものだが、なぜ「アートスタジオ」なのだろうか。しかも、高架下とは思えないとびきりクールな空間に仕上げられている。
高架下=アートスタジオのイメージがなかなか結び付かない。
 


R16の「エントランス」R8。まさにアートスタジオ(提供:BankART1929)

 


各ブロックへ通じる通路(提供:BankART1929)

 
そこには複雑な問題が絡んでいた。 

「みなとみらい線が出来たのはいいけど、桜木町から横浜までの東横線が廃線になってしまったことで野毛地区が壊滅状態になったんですよ」と、池田さんは話す。人が減り、誰も行かなくなってしまってボロボロの状態になった野毛地区に対し、横浜市と東急は300億円近くの保証をしたという。
「資金を投じなければ野毛は商売上がったりの状態だったんです」
 


現在の野毛の賑わいからは想像もつかない話だ

 
今では横浜を代表する主要地区となったみなとみらい地区。廃線の陰には涙を飲まざるをえない地区もあった事は想像がつくが、今の野毛の勢いの裏にそんな事情があったとは。
 
池田さんによると、そもそも遊歩道にするという横浜市の案も「公的な物でなければならない」という、暗黙のルールがあるからなのだそう。
「商売の人を退去させた場所で、他の誰かが儲け始めたら色々問題が出るでしょう?だから『公』の物にしないと難しい」という。
 
「野毛問題」や「公でなければいけない」などの事情を抱えた廃線跡だが、高架下の使用許可が下りたのは「アートだからOKだった訳じゃなくて、期間限定だったこともある。市もそろそろ何かやらないとマズイなーと思ったタイミングがマッチしたんじゃないのかな」
池田さんの話からは、絶妙のタイミングとアイディアからできた空間だったことが分かる。
 
 

 

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