デビュー50周年! 湘南育ちの兄弟デュオ「ブレッド&バター」って、どんな人たち?後編
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デビュー50周年! 湘南育ちの兄弟デュオ「ブレッド&バター」って、どんな人たち?後編
ライター:山本航
加山雄三(かやま・ゆうぞう)、サザンオールスターズとともに湘南の名を全国区にしたブレッド&バター。前編では、おふたりの生い立ちからデビューまでの青春時代と、茅ヶ崎の海や街の変遷を辿った。
「ブレッド&バター」の前編はこちら
後編では、茅ヶ崎の土地柄が育んだデビュー後の多種多様な交流を振り返りながら、これからの茅ヶ崎への思いを語っていただく。
昭和時代の茅ヶ崎駅南口(所蔵・提供:茅ヶ崎市)
桑田佳祐が恋のキューピッド
――桑田佳祐(くわた・けいすけ)さんと知り合ったのはどんないきさつだったんですか?
幸矢さん(以下S)サザンがデビューするかしないかくらいの時期に鵠沼でライブがあって、僕がたまたま犬の散歩で通りかかったのね。で、僕もお世話になっていたアミューズ(芸能事務所)の大里さんが、新人がやるから誰か誘って遊びに来てくれって呼ばれたのが知ったきっかけ。
茅ヶ崎繋がりだしね。彼も確か、一中(茅ヶ崎市立第一中学校)でしょ? それで鎌倉学園だよね。学園に行っていた友達からも話しは聞いたことあるし。
カフェでの日々を克明に覚えている
(S)で、Cafe B&Bの2号店がGODDESS(つるの剛士さんの回にも登場した、湘南の草分け的サーフショップ)の店内にあって、そこから桑田くんがラジオ(ニッポン放送『オールナイト・ニッポン』)の中継を、同じアミューズだったウチのカミさん(MANNA、歌手)とやってたのね。
それで桑田くんと飲みに行ったのがつきあいはじめだね。桑田くんが、僕と彼女がお似合いだから結婚しちゃえば? と言ったのが、カミさんとの結婚のきっかけなんです。
Little Georgeでのライブシーン(©Shibata Mitsuyuki)
――すごい逸話! 桑田さんがキューピットだなんて素敵ですね。オフコースとも深いエピソードがあると聞いたのですが。
(S)オフコースとはデビューが近いし、横浜と茅ヶ崎というのもあってね。それで僕らが一時期音楽活動を休止していたとき、小田和正(おだ・かずまさ)くんと鈴木康博(すずき・やすひろ)くんのライブが横浜で行われたので、楽屋に会いに行って。
それで、もう一度活動再開しようと思うんだけど、できるかなーと相談したの。そしたらふたりが「大丈夫だよ、君らならやれるよ」と言ってくれて、勇気づけられてまた始めた記憶があります。
周りのミュージシャンがいつも支えてくれていた
二弓さん(以下F)休止する前は、辞めるとか休むとか考えなかったし。アルバムを6枚くらい作って、やりたいことはやりきったような気持ちだったんだよね。その時期にカフェを始めたから、そっちが楽しくなって、歌わなくてもいいかなって思ってた。ソロを作ろうかなとも思ってたけど、毎日飲んでて結局作らなかったね(笑)
気張らずマイペースにやってきた50年
――Cafe B&Bでの青春の日々は、連ドラと映画(連続テレビドラマ『サンシャインデイズ』、同名映画も2008〈平成20〉年に公開。舞台はそのまま「Cafe B&B」)のモデルにもなりましたね。そこから復帰後のアルファレコード時代の3枚は、今でも代表作ですよね。
(S)まさにね。あの3枚がなかったら、その後は続けていなかった。カフェはミュージシャンだけでなく、モデルの卵やサーファーなど多くの仲間たちと、一から手作りで仕上げて、マイペースで音楽活動を続けられたから。まあ、いろいろあったりもしたけど、そこでまたたくさんの交流があって、音楽シーンに戻る気持ちが芽生えたね。
オフコースに励まされたり、ユーミンがカフェでの日々を基に復帰作『あの頃のまま』を書いてくれたりして、「再デビューだ!」ってね。
Little Georgeでの日々(©Shibata Mitsuyuki)