横浜に微生物のぬいぐるみを作っている企業があるらしい【ジャイアントマイクロブス】
ココがキニナル!
太洋産業貿易は臓器や微生物のぬいぐるみ「ジャイアントマイクロブス」を全国で販売しているそうです。なぜ臓器や微生物なのかという素朴な疑問があります(ねこぼくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ゆるキャラのような見た目で女性を中心に人気のジャイアントマイクロブス。アメリカの会社が製作していたものを輸入し販売していた。人気商品は心臓や脳、子宮など。
ライター:はまれぽ編集部
巷でうわさの「ジャイアントマイクロブス」というぬいぐるみをご存じだろうか。臓器や微生物を可愛らしくデフォルメしてあることが、昨年の夏ごろからSNSで話題になった。
「ジャイアントマイクロブス」
今回は、そんな愛くるしい「ジャイアントマイクロブス」を販売しているという「太洋産業貿易」の本社に突撃取材をしてきた。
太洋産業貿易
市営地下鉄ブルーラインの港南中央駅で下車、鎌倉街道沿いに徒歩8分ほど歩くと「太洋産業貿易」の本社はある。
横浜市港南区の「太洋産業貿易」本社
外壁にある「TST」というロゴは、英文名の「TAIYO」「SANGYO」「TRADING & MARINE SERVICE LTD」の頭文字をとったもの。はためいている4つの旗は左から「太洋産業貿易」「フィリピン国旗」「日本国旗」「ベトナム国旗」だ。
さっそく社内へ踏み込もうとしたが、扉の隣にあるウィンドーには、キニナル投稿に寄せられていた「ジャイアントマイクロブス」がお出迎えしてくれていた。
これが「ジャイアントマイクロブス」
近づいてよく見てみると・・・
たくさん吊るされている「ジャイアントマイクロブス」
こちらは臓器の「ジャイアントマイクロブス」(クリックして拡大)
これが今回調査する「ジャイアントマイクロブス」らしい。手のひらサイズのマスコットがたくさん吊るされているが、これを眺めているだけでは分からない。とにかく担当者に話を聞いてみることにした。
船舶からぬいぐるみまでを扱う「太洋産業貿易」
「太洋産業貿易」は輸入雑貨の取り扱いだけでなく、船員の育成や個人向けの潜水艇や電気自動車を製作、販売も行っている企業。また自社開発したぬいぐるみもあり、その種類はおよそ500種類以上もあるという。
潜水艇(提供:太洋産業貿易)
ぬいぐるみ「100+1(ワンオーワン)」シリーズ(提供:太洋産業貿易)
「太洋産業貿易」が自社開発しているぬいぐるみは、主に「100+1」シリーズ。“リアル過ぎず”、“ファンシー過ぎず”を目指し、柔らかさと肌ざわりにこだわっているそうだ。
ぬいぐるみを開発している理由について、商業部に所属する坂下真絹(さかした・まき)さん(顔出しNGという恥ずかしがり屋さんだった)に聞くと、「うちの社長はぬいぐるみが好きなんです」という返答が。
ん? 確か「太洋産業貿易」の代表取締役社長は男性だったような・・・と少し怪しむ目になる。
「ぬいぐるみを輸入販売するようになったきっかけは、社長が外国の動物園や水族館、展示会などで見かけるぬいぐるみが日本にあるものとは少し違うと思ったことからだったそうです。外国のぬいぐるみはユーモアがあって、教育にも用いられるような商品があります。そういった商品を日本に提案したいということから、ぬいぐるみの輸入販売をするようになりました。その後、自社でもオリジナルでぬいぐるみを作りたい! という社長の思いからぬいぐるみを作りはじめました」と坂下さん。
さらに坂下さんは「社長は外国でカワイイぬいぐるみを見かけると、ついつい買ってしまうそうですよ(笑)」と社長のカワイイエピソードまで教えてくれた。どうやら「太洋産業貿易」の社長のぬいぐるみ愛はビジネスになるほど深いようだ。
ちなみに「太洋産業貿易」が扱っている輸入雑貨やぬいぐるみなどは、日本中の水族館、動物園、博物館やタウンショップで購入することができる。“遊びながら動物を身近に感じてもらいたい”、“動物園などから家に帰った後も、動物の話をするきっかけになるように”という思いを胸に、商品開発に取り組んでいる。
アメリカのフィギュアも扱っている(提供:太洋産業貿易)
「太洋産業貿易」のぬいぐるみを管理している倉庫を見学させていただいた。
段ボールが山積みになっている
およそ500種類以上もあるぬいぐるみなどを管理しているだけあって、倉庫には段ボールが大量に積まれている。段ボールの壁によって迷路のように入り組んだ倉庫を坂下さんが案内してくれたが、マニアックな商品が多い。
絶滅した鳥類の「ドードー」
老化しない唯一の哺乳類と言われている「ハダカデバネズミ」
インコだけで10種類以上の商品があった
特に鳥類に力を入れているというが、自立式のぬいぐるみまで開発してしまう力の入れよう。“リアル過ぎず”とはいうが、クオリティはかなり高い。
動かない鳥として有名な「ハシビロコウ」(提供:太洋産業貿易)
さらに、「さかなクン」がプロデュースした「おさかなぬいぐるみ」全9種類も開発。種類の選定から細かい部位の位置や形まで、並々ならぬこだわりを持って再現。おさかな達への想いが“ギョギョ~ッ”と詰まったぬいぐるみだ。
柄もリアルに再現されている「マダコ」
青い方が「ハコフグ(雄)」、黄色い方が「ハコフグ(雌)」
「さかなクン」といえばハコフグがトレードマークになっているが、坂下さんによると、「ハコフグはぜひ雄雌の両方作ってください!」と「さかなクン」からの強い要望があったことで雄雌両方のハコフグが開発されたそうだ。
現在は第2弾を製作中だが、こだわりが強い「さかなクン」の厳しい監修を受けている。しかしこのこだわりを貫くからこそ、ここまでリアルな「おさかなぬいぐるみ」が出来上がるのだろう。
他にもさまざまな輸入雑貨を扱っていた。このパズルは、完成すると動物の形になる「アニマルシェイプパズル」という商品。
「アニマルシェイプパズル」100ピース
さらに、2019(令和元)年の流行語大賞に選ばれた「ONE TEAM(ワンチーム)」でお馴染みのラグビーにまつわるグッズも。
南アフリカ生まれの「SHADOWBALL(シャドウボール)」
ラグビーで使用されている、あの特徴的な形をしたボールを半分にしたような形状だ。通常のラグビーボールと違い、壁に当てることで一人でラグビーのパス練習が出来るが、通常のボールと同じ重さ、同じバランスで作られているという。
それにしても1番驚いたのは、坂下さんだ。倉庫を案内してくれた際、商品である動物の名前がすぐに出てくる。貿易会社に勤めながら動物博士にもなれるなんて、「太洋産業貿易」は面白い会社だ。