テレビドラマに出てきた鎌倉の「力餅家」って、実在するの?
ココがキニナル!
テレビドラマ「最後から二番目の恋」の第一話で、小泉今日子さんが、「力餅家」という店でお餅を食べていました。あの店は実在するのでしょうか。どんなお餅なのかも気になります。(moguraさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
江戸時代から9代続く、老舗の和菓子店として実在しています。力持ちだった武士にちなんだ銘菓「権五郎力餅」などを製造・販売しています。
ライター:河野 哲弥
鎌倉は今、アラフォーのメッカに
「最後から二番目の恋」とは、2012年1月よりフジテレビ系列で放送されているテレビドラマのこと。主演の小泉今日子、中井貴一らが、古都・鎌倉を舞台に恋愛劇を繰り広げ、アラフォー世代から絶大な支持を受けている。
その記念すべき第1話で、古民家を視察に来た小泉今日子が、和菓子屋の前で休憩するシーンがある。そのロケに使われたのが、今回投稿された「力餅家」だ。
この外観に見覚えのある方も多いだろう
平日の昼過ぎの様子、40代のお客さんが多い
どうやら、実際に存在する人気店らしい。次から次へとお客さんがやってくる。
その魅力は何なのか、さっそくご主人に伺ってみることにしよう。
素朴でやさしい味の、和菓子の専門店
対応いただいたのは、なんと9代目になるというご主人の安齊正好(あんざいまさよし)さん。
同店では、添加物などを一切使用しない、素朴な和菓子を作り続けているそうだ。
12面の顔をかたどった人形焼きのような「福面まんじゅう(150円)」や、神奈川県の銘菓にも指定されているゴマあんの饅頭「源氏山(165円)」など、どれをとっても手頃な価格なのがうれしい。
お話を伺った、安齊正好さん
中でも名物となっているのが、店名の一部にもなっている「権五郎力餅」。素材が餅のものと、求肥(ぎゅうひ)でくるんだものの2種類がある。
こちらが創業以来の名物「権五郎力餅(1個60円)」
昭和の初期から作られはじめた、求肥の「権五郎力餅(1個90円)」
餅の方は、もち米を蒸すところから作り、臼でついた自慢の逸品。3月から5月までは、季節感を出すためにヨモギを使った「草餅」になっているが、その他の季節は白い餅を使用する。耳たぶのような柔らかさは、その日しか日持ちしないので要注意だ。
3日ほど日持ちの効く求肥の方は、その製法が広まってきた昭和初期から作られた製品。しっとりしたみずみずしさが特徴で、どちらも甲乙付けがたい。
それにしてもお店の造りがかなり古い。場所によっては少し傾いているようにも見える。何よりご主人は先ほど自らを「9代目」と名乗っていた。そこで今度は、店舗の歴史を聞いてみることにした。