テレビドラマに出てきた鎌倉の「力餅家」って、実在するの?
ココがキニナル!
テレビドラマ「最後から二番目の恋」の第一話で、小泉今日子さんが、「力餅家」という店でお餅を食べていました。あの店は実在するのでしょうか。どんなお餅なのかも気になります。(moguraさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
江戸時代から9代続く、老舗の和菓子店として実在しています。力持ちだった武士にちなんだ銘菓「権五郎力餅」などを製造・販売しています。
ライター:河野 哲弥
創業は元禄年間、9代続く老舗中の老舗
ご主人によれば、正確な年月日は残っていないものの、江戸時代の元禄年間(1688~1703年)に創業したことは確かであるらしい。ということは、同店は少なく見積もっても300年以上続いていることになる。
また、お店を飾る大のれんは、愛知生まれで昭和初期に活躍した、書家の林祖洞(1899~1949年)の筆によるものであるそうだ。
達筆な力強い字が躍る
年季の入った店舗にはこんな風景も
写真を見てもわかるとおり、柱が基礎部分から浮いてしまっている。いったい今の店舗は、いつごろ建てられたものなのだろう。
ご主人によれば、太平洋戦争の終戦が間近のころ、鎌倉の海岸から「アメリカ兵が上陸してくる」というウワサがあちこちで飛び交ったそうだ。そこで当時の店主は、昔から続いていたこの店をたたみ、一度更地にしてしまったとのこと。
ところが、ウワサに反して本土上陸は避けられた。物資難の中、急ごしらえでバラックを建てたのだが、それが今に続いているという。
「今さら建て替えると、住居ごと壊さなくてはいけないので、なかなかできないんですよ」。安齊さんは、お店の風情について、そう話していた。
では、店名の「力餅屋」また銘菓「権五郎力餅」の由来とは何なのだろうか。安齊さんに聞くと、すぐそばの御霊神社と関係があるという。そこで、場所を教えてもらい、訪ねてみることにした。
力持ちにちなんだ、力餅があった
「力餅家」の前の道を、江ノ電を横切るようにして歩いて行くと、やがて御霊神社の本殿が見えてくる。この神社は別名「鎌倉権五郎神社」といい、鎌倉時代の武将、鎌倉権五郎影政を祭っている。
この境内に、「袂石(たもといし)」と「手玉石(てだまいし)」というのがあるそうだ。
御霊神社の本殿の様子
真ん中下にあるのが袂石(重さ約60キロ)、左が手玉石(約105キロ)
社務所の方によれば鎌倉権五郎影政は、これらの石を軽々と持ち上げてしまうほどの力持ちだったという。やがてこれらの石には、力持ちにあやかろうと「餅」が供えられるようになった。餅は参列者にも分け与えられ、いつしかその餅のことを「権五郎の力餅」と呼ぶようになったそうだ。
店名の「力餅屋」、また創業以来の銘菓「権五郎力餅」は、この「権五郎の力餅」が由来となっているのである。
お客さんの評判は
御霊神社から帰ってくると、「力餅家」には相変わらず行列ができていた。
やはりお目当ては「権五郎力餅」なのだろうか。
辻堂からいらっしゃった、Oさんご一家
Oさんは、ドラマで知る前から同店のファンだったと話す。この近くに来ることがあると、ときどき寄るようにしているそうだ。この日買い求めたのは、お餅の方の「権五郎力餅」。日持ちしない分、逆にできたてのおいしさが味わえるのが、何よりの魅力だという。
くどくない甘さと、想像以上に柔らかな食感は、ドラマのロケ地巡りに最適なお供となるだろう。季節限定の草餅バージョンも、この時期ならではのもの。ぜひ、老舗の雰囲気と共に味わっていただきたい。
―終わり―
◆力餅家
鎌倉市坂ノ下18-18
tel:0467-22-0513
定休日:水曜日・第3火曜日
営業時間:9:00~18:00
コロンブスさん
2016年12月17日 15時48分
武田鉄也主演の「思えば遠くへ来たもんだ」の映画で、秋田の角館の商店街の和菓子屋へ入るシーンで、突然この力餅家ののれんが出てきてひっくり返りそうになりました。(笑)春にはヨモギ入りの緑の力餅を販売していますので、召し上がってみてください。
時の氏神さん
2014年05月30日 07時06分
それほど遠くに住んでるわけではないけどもう何年も食べてないですね。和菓子に詳しくはありませんが、他で食べた事がない事もあり、私は食感的には求肥が好きです。
XXXG-01Wさん
2012年03月17日 13時51分
求肥じゃない方が絶対お勧め。固くなる前に食べましょう。