鎌倉時代へ思いをはせる旅。はま旅Vol.53「金沢文庫編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅下車の「はま旅」第53回は、桜の開花を待ちわびながら鎌倉時代へ思いをはせる、金沢文庫駅周辺。
ライター:ほしば あずみ
のどかな陽射しが春の訪れをふくふくと感じさせるお彼岸のある日、そろそろどこかに桜の気配でもないかと降り立ったのは京急線「金沢文庫駅」。
東口から旅をスタート
駅前商店会「すずらん通り」
東口ロータリーを進むと、京急線と並行する駅前商店会「すずらん通り」が右手に現れる。
すずらん通りに入るとすぐに、訪れる人を歓迎するような笑顔に出会った。
すずらん商店街入り口で目をひくスマイルマーク
必要な日用品はきっとほとんどそろっている
スマイルマークはフジヤ金物店の看板。
写真は恥ずかしいと撮らせてもらえなかったが、看板に負けないほど笑顔が素敵で気さくな店主が「すずらん通りは古くからやっているお店やおいしいお店がいっぱいあるから」と、パンフレットを手渡してくれた。
すずらん通りで配布されている手作りのパンフレット
すずらん通りの歴史は1950年(昭和25年)にスタート。全長400メートルの通りに67店舗のさまざまな店が連なっている。
建物の半分が八百屋、半分が魚屋だったりする
「お客さまはお友達です」という思いをこめて名づけられたという「アミーゴ青果店」とまぐろにこだわる「松井水産」。
松井水産店長の胸には「まぐろ命」の文字が誇らしい
毎週水曜、土曜は「鮪の日」で特売になる
こちらはアミーゴ青果店。店頭には「金星」という珍しい白いりんごが
「今日は市場が休みだったから品揃えがね…たくさん売ってるように撮ってね」とおかみさん。
「私の顔はやめてね、指名手配されてるの(?)。主人なら喜んで写るんだけど今でかけてるのよねえ」
話しているとなんだか確かにアミーゴ気分になってくる。
金沢流北条氏ゆかりの金沢文庫へ
ところで駅名の由来となったのは、名刹称名寺にある金沢文庫。
称名寺の参道や庭園は桜の名所としても知られている。今回目指すのはこちら。
金沢文庫とは鎌倉時代、幕府の要職についていた一族、金沢流北条氏の書庫だ。
学問好きだったといわれる一族は金沢文庫に膨大な書籍を集め、幕府滅亡後は菩提寺だった称名寺がそれを引き継ぐ。
明治時代になって伊藤博文や出版業界の大物、大橋新太郎(金色夜叉で貫一からお宮を奪う富豪のモデル)らによって金沢文庫は再建された。
だが関東大震災により失われ、現在の県立金沢文庫となったのは昭和5(1930)年になってから。
という話をしていたら、目の前に「金沢文庫近道」という文字が現れた。
近道ならば行ってみよう
神奈川県立金沢文庫に到着
金沢文庫の前は公園になっていて、そこに桜の木が何本か植えられていた。
桜は芽がふくらんでいる感じもするが、まだまだといったところ
桜の季節は良いお花見スポットになりそう
金沢文庫で咲いていたのは梅
金沢文庫の先は行き止まりだ。称名寺にはどう行けば良いのだろう。もと来た道を戻ることになるのか…
と、公園の奥に階段を発見。
こんな道が続いているけど、称名寺につながっている?
こんな…まさか着物で山道を歩く事になるとは