キッズマーケットでのお別れ
山田ひなた(11)
この前、キッズマーケットに参加してきました。子どもたちによる、子どもたちだけのフリーマーケットです。売る側も買う側も、みんな12才以下の子どもです。
参加するにあたり、何を売るかお母さんと相談しました。もう着なくなった洋服や、遊ばなくなったおもちゃ、ゲームなどです。どれももう使わないけれど、思い出のつまった物ばかりです。その中で、小さいころによく読んだ絵本も売りに出そうということになりました。
わたしが一番よく読んだ『くるみわり人形』もその一つです。5才のたん生日にお父さんからもらった物で、人形の世界に夢中になり、何度も何度も読みました。もうほとんど中身は暗記しています。表紙はボロボロになっているので、売りに出しても売れないだろうと思いました。
当日、100円均一の商品はどんどん売れていきました。『くるみわり人形』はなかなか売れず、少しほっとしていました。本当は売れてほしくなかったからです。でも、残り時間が10分になったとき、ひとりの女の子が『くるみわり人形』を手に取りました。じっと表紙を見つめるその子。
わたしは、「その本すごく面白いよ」と言いました。
その子がたくさん読んでくれればうれしいです。
参加するにあたり、何を売るかお母さんと相談しました。もう着なくなった洋服や、遊ばなくなったおもちゃ、ゲームなどです。どれももう使わないけれど、思い出のつまった物ばかりです。その中で、小さいころによく読んだ絵本も売りに出そうということになりました。
わたしが一番よく読んだ『くるみわり人形』もその一つです。5才のたん生日にお父さんからもらった物で、人形の世界に夢中になり、何度も何度も読みました。もうほとんど中身は暗記しています。表紙はボロボロになっているので、売りに出しても売れないだろうと思いました。
当日、100円均一の商品はどんどん売れていきました。『くるみわり人形』はなかなか売れず、少しほっとしていました。本当は売れてほしくなかったからです。でも、残り時間が10分になったとき、ひとりの女の子が『くるみわり人形』を手に取りました。じっと表紙を見つめるその子。
わたしは、「その本すごく面白いよ」と言いました。
その子がたくさん読んでくれればうれしいです。