横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.30 春の陽気に誘われて「和田町商店街」へ。新生活応援グッズを読者プレゼント!
ココがキニナル!
61年の歴史を誇る「和田町商店街」で、春と人のぬくもりを感じながら新生活応援グッズをチョイス。新生活を始めるアナタに計4点をプレゼント!
ライター:千葉 こころ
4月――。
おだやかな日差しの下、冬の寒さで凍りついていた身も心も一気に溶けて、冬眠明けの熊よろしくモゾモゾと動き出したくなる今日このごろ。
1000円で買い物しながら、商店街をぶらり? うん、いいじゃない。
4月といえば、少しの不安と大きな夢を両手いっぱいに抱えて、希望にあふれた一歩を踏み出す人も多い季節。実はライター・千葉も、私生活で新たな一歩を踏み出した一人である。そんな同志を応援したいなぁなんて、自分の立場を棚に上げて偉そうな思いを抱いてみたり。
そうだ! 新生活応援グッズを買おう!
今まさに、気持ちも新たにその一歩を踏み出したアナタ(と、自分)を応援したい! そんな思いと1000円札を握りしめ、「和田町商店街」に向かった。
まずは書店にて
相鉄線和田町駅をおりて左手、帷子川をまたぐ小さな橋を渡れば、そこはもう商店街の入り口。横浜国立大学も近く、地元住人に混じって学生の姿も多い。
和田町商店街で1000ぶらスタート!
早速通りを歩いてみると、ドラッグストアやコンビニといった新しめの店構えが並ぶ中、昔ながらの雰囲気を感じる店舗が点在している。
この商店街、かなり歴史があるんじゃないか? 買い物前にまずは歴史を紐解いてみようと、商店会長の経営する「村上書店」へ向かった。
本屋さんって、最近めっきり減ったよなぁ・・・
仲通りを抜けた先は国道16号線に突き当たる。その信号を渡った正面にある「村上書店」を経営するのが、和田町商店街協同組合理事長で、保土ケ谷区商店街連合会の会長でもある村上弘一(むらかみひろかず)さん。
長年にわたり、和田町商店街の変遷を見続けてきた村上さんに話を伺った。
村上書店店主の村上さん。和田町を見守り続けて53年
店内は2列に渡り、両サイドびっしりの品ぞろえ!
文房具もあり、中には懐かしい品もチラホラ
輝かしい時代と陰り
和田町商店街が誕生したのは今から61年前の1953(昭和28)年。当時の和田町には商店街がなく、隣町の天王町に市場があったくらいだったそうだ。
現在の国道16号線を農家の人が牛車を引いて市場に赴き、競り市で農産物を売っていたため、その帰り道に和田町でひと休みしていくことが多かったという。そのため、昭和30年代が最もにぎわい、商店街誕生当初は30店舗ほどだった加盟店もまたたく間に増えていったそうだ。現在の加盟店は85店舗になるという。
かわいらしい商店街MAP (画像提供:和田町商店街協同組合)
商店街の範囲も駅前の仲通りだけではなく、国道16号線沿いも含めたT字となっており、とても広い。
昔はここを牛車が行きかい、仲通りより栄えていたとか
今は多くの車が颯爽と走り抜ける
しかし1990年代に、大型スーパーやコンビニ、量販店が現れると、駐車場があり一ヶ所でそろえられるという利便性で客足は流れ、商店街のにぎわいに陰りが見え始める。
時代の流れが生んだ学生との交流
このままではいけない!
商店街のにぎわいを取り戻そうと、14年前から横浜国立大学の学生とタッグを組み、「和田町タウンマネジメント協議会」を発足。その試みのひとつとして年に4、5回ほど行っている「べっぴんマーケット」は、今年の3月29日で34回目を迎えたそうだ。
べっぴんさんを探せ!? (写真提供:和田町商店街協同組合)
ちょっとキニナルネーミング。その由来を村上さんに伺ってみた。
「本屋が本を出さなくてもいい! 店舗の販売商品にとらわれず、得意とするものを1品販売しようというコンセプトなんです。普段とは別の品、だから、べっぴん!」。ナルホド!
販売以外に催しもあり、そんなイベントのひとつに「和音(わおん)」がある。
「和音」とはべっぴんマーケット内で行われる路上ライブのこと。毎回10組くらいの出演者が集い、一組20~30分ほどの持ち時間を使って自由に演奏を披露できる。そのためジャンルは幅が広く、弾き語りや太鼓、ハーモニカなどの演奏もあるそう。
和田町の音だから「和音」。べっぴんといい和音といい、ネーミングセンスがいい(写真提供:和田町商店街協同組合)
演奏者には70歳過ぎの方もいるというから驚き! (写真提供:和田町商店街協同組合)