多摩川の東横線付近は川崎側だけブルーテントがあるのは何故?
ココがキニナル!
東急東横線で多摩川を渡っていると、東京側にはないのに、川崎側だけブルーのテントがたくさん建っています。何か理由があると思うのですが、調べてください。(kamekunさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
東横線付近の土地の形状や、大田区側にセキュリティの高い取水施設があることが大きな理由だった!
ライター:篠原 章公
東急東横線では、多摩川~新丸子間で多摩川を渡る事になる。
多摩川流域はホームレスの方が多いことでも知られているが、実際に乗車してみると、投稿にあるように、確かに川崎側にはホームレスの方が住んでいる小屋が多く見られ、大田区側には見られない。
写真手前の川崎側には小屋が建ち並ぶ
地図上ではこのような地形になっている(Googleマップより)
地図を確認してみると、単純に大田区側には住めるような土地がないというだけのようにも見えるが、実際のところはどのような理由があってこのような状態になっているのだろうか。
詳しい事情を調査するべく、まずは現地で話を伺う事にした。
多摩川で話を聞く事に
新丸子駅で下車し、多摩川へと向かう。
多摩川に到着
川沿いには一定の間隔で小屋が建っていた
実際に近くまで行ってみると、旗を立てた小屋があったり犬を飼っていたりと様々な様子だったが、そんな中、多摩川沿いで20年以上ホームレスをしているというFさん(仮名)にお話を伺う事が出来た。
――川崎側にホームレスの方が多いのには何か理由があるのですか?
「向こう側は火を使っちゃダメなんだ。花火だってダメ。火が使えなくてどうやって料理するの」
――普段どうやって火をおこしているのですか?
「カセットコンロだよ。焚き火みたいに直接火をおこすのはダメって言われてるから」
――大田区側には地理的に住む場所がないようにも思えるのですが……
「場所はあるよ。ここらへんの人なんかみんな向こう側(大田区側)からやってきた人だもん。やっぱりいろいろ厳しいんじゃないの。向こうに住もうと思ったことはないよ」
――川崎側だとある程度暮らしやすかったりするのでしょうか。
「暮らしやすいって事はないけど……水だって使い過ぎれば止められちゃうし。新しく来たヤツがそれを知らないで体洗ったり洗濯したり、水をたくさん使うようなことがあればそういうのはみんなで教えるんだ」
Fさんは空き缶や本などを集めることで生計を立てているということだった。
Fさんが言うように大田区側は行政の指導などが厳しいのだろうか。それならば、多摩川流域全域にわたって大田区側に小屋が少なく川崎市側に多いという傾向が見られるはず。
他地域の様子も確認するべく、さらに下流に当たるJR東海道本線や京浜急行が走る大田区、六郷土手へと向かった。
さらに下流の様子を調べることに
京急線六郷土手駅で下車し多摩川へ向かうと、そこにはたくさんの小屋が建ち並んでいた。
線路の下にはたくさんの小屋が
川沿いにも小屋が並ぶ
大田区側にも場所によってたくさんの小屋があることが分かったが、暮らしぶりはどうなのだろうか。
何人かのホームレスの方にお話を伺ったが、特に大田区側から厳しい指導などはないという。
とすると、やはり東横線付近のホームレス小屋が川崎側に偏っているのは地理的な理由からなのだろうか。
実態を把握すべく、多摩川を管理している国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所へと取材を申し込んだ。