スナック隣接の「餃子居酒屋」? 鴨居のディープスポットに突撃!
ココがキニナル!
鴨居駅から、ららぽーと横浜に向かう道の途中で左にそれていくとスナックなど数件のお店があるのですが、その中でも我夢謝楽という餃子の居酒屋さんがあり、気になってます!!(tantakatanさん)
はまれぽ調査結果!
「我夢謝楽(がむしゃら)」は餃子専門店としてオープンしたがお客さんのリクエストにより居酒屋に。絶品餃子を乱れ食いした!
ライター:カメイアコ
1階に餃子居酒屋、2階にスナック!? 超ディープな“美人の館”に潜入
今回の取材先である鴨居の餃子居酒屋、「我夢謝楽(がむしゃら)」に向かう道中での一コマ。
鴨居駅より、徒歩5分ほど
編集部・ヤマギシ「いやー、カメちゃんさぁ、今から行く餃子屋さんは、たぶんヤンキーさんだった方がやっていると思うんだよ」
ライター・カメイ「でも電話した時は、女性が出ましたよ」
ヤ「てことは・・・元レディースさん!?」
ヤマギシは、9割9分の確率で「もともとヤンキーだった方」が営んでいると思っているらしい。取材交渉の電話の声からはやんちゃさは感じられなかったが、確かに店名の「我夢謝楽」からは“夜露死苦”みたいなヤンキー語の血筋を受け継いでいる感じがする。
鴨居で餃子で元レディース(かもしれない)の店??
どんな店だよ。ある意味、キニナルわ。鶴見川を横目に歩みを早める。
これか
2階建ての建物で、1階が取材先の餃子居酒屋、2階は「パル」というスナックが入っていた。珍しい組み合わせ、というか、ここにしか存在しないマニアックさが漂う。では、早速中へ。
いらっしゃーい
なんと! 巻き髪の艶っぽい、小柄な女性が出迎えてくださった。この前はイケメンのいるシュウマイ屋さんだったが、今度は美女が店主の餃子屋さんか。インパクトがあるお店が多すぎる。どうなってるんだ! 横浜。
「ところであの・・・元ヤンさんですか?」
「来て早々(笑)! よく言われますが、ちがいますよ」
2011(平成23)年1月10日にオープンした我夢謝楽を切盛りしている三原彩緒里(みはら・さおり)さん(以下、サオリさん)。その正体は、貿易事務として大手企業に勤めた経歴を持つ、元バリキャリ女子だった。大変失礼致しました。
カウンター席ほか、小上がり3卓
「でも、お姉さんたちのように店名を見て“なんか怪しいし、ヤンキーがやってるの?”と思う人は多いみたい。一応、この名前にしたのには理由があるんですよ」
「我、夢を叶え、感謝しながら、楽しく」の意味だった
イギリスなど数ヶ国でのワーキングホリデー経験もあり、語学も堪能。商社での貿易事務で10年以上のキャリアを持つサオリさんが、なぜ鴨居で餃子居酒屋を始めたのだろうか。
「私の父は厚木市で50年以上、萬華楼 (まんかろう)という中華料理店を営んでいました。その父が作る餃子が大好きだったんです。父が年齢的にそろそろ引退、と言い出した時に、長年愛されていた餃子が食べられなくなるのがすごく嫌だった。だから、私が継いでいこうと思ったんです」
お父さんの作る餃子が世界一だった
思い切って「餃子専門店をやりたい」と退職し、餃子修行をスタート。両親からの強い反対もあったが、それよりもサオリさんの「父の味を受け継いでいきたい」という意思の方が勝っていた。苦労してお父様から餃子の作り方、レシピを学び、念願のお店をオープン。元職場のあった鴨居にゆかりを感じ、店を置くことに決めた。
「餃子専門店としてはじめたので、餃子1種類とナムルとキムチのみ、と3品しかありませんでした」
当初は、「手作り餃子(450円)」だけだった
現在、餃子は6種類に増え、あんかけ焼きそばなどしっかり食べられるものや、シュウマイや油淋鶏(ユーリンチー)などさまざまなメニューがある。
全種類を注文するお客さんも多い
鴨居周辺で働くサラリーマンの憩いの場になり、あれも、これも食べたいという常連さんたちのリクエストにサオリさんが応えていったところ、餃子専門店から珍しい餃子居酒屋のスタイルを確立していった。
ここはサラリーマンのパラダイス
ご経歴や開業当時のご苦労などを聞いているうちに、サオリさんは、とても話術に長けている方だと判明。これはもしや、と思って、2階のスナックもサオリさんが営んでいるのか確かめてみる。
スナックと餃子居酒屋という珍しすぎる組み合わせ
「うちとは関係ありませんが、スナックに行く前にうちでご飯を食べて行くお客さんもいますよ。上から注文が来て、出前をすることもあります」とのことだった。
「しかもママがとっても美人なの~」と教えていただいたので、ちょっとだけのぞかせてもらうことに。
スナック「パル」のママ(恥ずかしいとのことで、遠くから)
沖縄出身のママは、本当に美人だった! お客さんの話よると、この建物全体を指して、“美人の館”と呼ぶらしい。あぁ、なんかとっても妖艶で、退廃的なネーミング。
さて、再度1階に戻り、インタビューを続行。店名にちなんだ“がむしゃら”なエピソードを伺ってみる。
「親指を切り落としちゃったことかな」
え、詰めたんですか?
「あぁ、餃子の店をやるために組抜けたからね。だから違うって!(笑)」
我々のボケにも、すぐさまツッコミをくださるノリの良さ。ぜひ、姐さんと呼ばせていただきたい。あ、違うんだった。
「仕込み中にうっかりね。固いものを切ってて、ザク、ザク、ザク、あっ! みたいな。急いで病院に行ったけど、先生には無理だねって。戻らないと言われちゃったんだけど」
その時の写真。指先5mmほどがスパっと・・・
あちゃー。確かに、これは結構やっちゃっているやつだ。お客さんにも、元には戻らないと思う、と言われていたのだが・・・
「治っちゃった! グー!」
いやー、まだまだ若いのかなぁと笑っている。サオリさんの親指は奇跡的にすっかり元に戻っていた。求めていた以上のがむしゃらエピソードを聞くことができた (でも、気をつけてね!) 。
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