川崎大師の自動車交通安全祈祷が「インドっぽい」理由は?
ココがキニナル!
川崎大師の自動車交通安全祈祷殿は、なぜインドっぽい? 車と一緒にご祈祷が受るとき、車をお祓い棒?で撫でたりする?バイクやスポーツ自転車は?電動アシストは?(タロー先生さん)
はまれぽ調査結果!
インドのブッダガヤの大塔から着想を得て建立された。お祓い棒では撫でず、車の横で祈祷を行う。電動アシストなど各種自転車もOK
ライター:カメイアコ
「川崎大師(正式名称:平間寺<へいけんじ>)の交通安全祈祷殿がインド風の建物なので調査して」というキニナル。
そんなご冗談を、と思いつつ川崎大師広報の方に「少々、建物が奇抜だとか」と、取材の旨を伝えた。すると、「あぁ、インド風の・・・」とこちらから言う前にまさかオフィシャルにその言葉を聞くことができるとは思わず、とても興奮した。
インドの「タージ・マハル」。文化遺産となった総大理石の墓廟(フリー画像)
という小話はさておき、川崎大師本殿とは似ても似付かない風貌に、キニナル投稿者も「別の宗教」かと思ったと身構えたほど。実際にどんな風貌で、ご祈祷をあげられているのか体験してきた。
インド風の謎、川崎大師交通安全祈祷殿へ
今回は、はまれぽ編集部の車と一緒に祈祷を受けるため、車で川崎大師交通安全祈祷殿へ向かった。
ようこそ
川崎大師こと、真言宗智山派大本山金剛山金乗院平間寺(へいけんじ)は1128(大治3)年に開創され、2017年に開創890年を迎える由緒ある寺院である。正月三が日には307万人もの参詣者が訪れる。
車に乗ったまま交通安全祈祷殿入口へ
え!!!
ほ、本当にインドっぽいじゃないか。確かにインドと関係の深い宗派ではあるけど、日本にあるほかの寺院とかけ離れた風貌で、面食らう。
奇抜な見た目ではあるが、寺院らしい風格、迫力、荘厳さを感じられる
川崎大師大本堂。確かに似ても似付かない
では、改めて
交通安全祈祷の起源は、熱心な信徒が車と一緒に交通安全の祈願に訪れたことによる。1958(昭和33)年には、すでに一時的に大本堂正面で祈祷を行っていた。
1961(昭和36)~1962(昭和37)年ごろの様子(『川崎大師平間寺近現代史』より)
本格的に祈祷殿を建立するにいたったのは、昭和30年代半ばから徐々に車を利用する市民が増えたことにより、交通状況が悪化したためだ。交通安全祈願を行う参拝者が急増したこともあり、1963(昭和38)年に境内西側一帯、1200平方メートルを使って自動車祈祷殿を建立した。
1963年開所日の様子(『川崎大師平間寺近現代史』より)
その後1970(昭和45)年に新たにお堂が建立され、現在の姿に。
「22器の投光器によって照らし出された」祈祷殿(『川崎大師平間寺近現代史』より)
設計は工学博士の大岡実(おおおか・みのる)氏が担当。ほかのお堂との調和を考慮し、インドのブッダガヤの大塔から着想を得て、大本堂に安置してある三尊の御姿から、3つの塔を建てた。「仏・法・僧」を表しているという。
大塔(フリー画像より)
その後、2004(平成16)年に行われた10年に一度の大開帳奉修を記念して、2006(平成18)年4月29日に大師インターを降りてすぐの場所に一回り大きく新設したのが、現在の交通安全祈祷殿。以前のお堂は、「薬師殿」として使用されている。より多くの参拝者がご祈祷できるように駐車場も広く、また、正月などは大型バスで参拝に訪れる団体も多い。可能になった。また、敷地の広さを利用して、子どもや高齢者向けの交通安全講習会が行われることもある。
ご祈祷は車だけでなく、バイクや自転車もOK
同寺、総務部広報課主任の茂木千尋(もてぎ・ちひろ)さんに「車であればお申込みを受けています」とのこと。というわけで投稿にあった「スポーツ自転車は? 電動アシストは?」という疑問は「OK」という回答。
続いて「じゃあ三輪車は、一輪車は、ベビーカーは?」とマシンガン的に質問をぶつけると、「うーん、そうですねぇ・・・まずはお問合せください」と困らせてしまった。ごめんなさい。
では、実際に編集部の車を使って祈祷の様子をお届けしよう。
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