FMヨコハマのDJ 光邦さんを徹底解剖!
ココがキニナル!
FMヨコハマの夜の番組『tre-sen』のDJ 光邦さんってどんな人?
ライター:桐生 由美子
DJ光邦、ホンネを語る
―光邦さんの「言霊」は、聴いている側に伝わっていますよ!
ありがとうございます!
時々、拘置所からもメッセージが届くことがあるんです。たとえば「今、○○の罪を犯してここに入っています。毎週この時間楽しみに聴いています」とか。出所した人からメールが届いたこともありました。「堀の中で、みんなでバッコンバッコンって言ってますよ!全国の受刑者にバッコンお願いします」って(笑)。
他にも、「『tre-sen』のリスナーの生きざまを聴いていたら改心した」という手紙が届いたこともありました。
リスナーの心が電波に乗ってこうゆう効果をももたらす事があるわけです。
―ラジオってすごいですね!
はい。それがラジオなのかなと思いますね。
逆に、個人的にショックなのは、神奈川県内で起こった事件や自殺のニュースを聞くたび、何かできなかったんだろうか?って思うんです。
というのも、その現場にもしかしたら僕の声が流れていたかもしれない。どうしてその人を思いとどまらせるひと言が言えなかったのかって、悔しくなります。
ほんの一瞬でも誰かの声に耳を傾けたことで、その行動が変わることがあると思うから。
「ラジオDJとして、誰かのために何かをしたい」
―ラジオDJをやっていてよかったなと思うときは?
もうそれは、常日頃思っています。
ラジオを聴いて前にすすめたとか、立ち直れたとか、友だちができたとか…。そういうことを聞くと、ラジオDJは聖職だなと思いますね。
「失敗談だっていろいろありますよ」
―放送中に失敗したことは?
山梨のFM FUJIでやっていたとき、東京から甲府まで通っていたんですけど、前の日に甲府ですごい雹(ひょう)が降ったっていうメールが番組に来たんです。それに対して、「本当!?雹なんてずいぶん見てないな~、見たいな~」って言ったら、農協からすごいクレームが来ました。「何が雹を見たいだ!どれだけ農作物に被害が出たかわかってるのか!」って。そりゃそうですね。アレは23歳ぐらいだったかなぁ。若気のいたりですね。
とは言っても、言葉を選びすぎるとおもしろくなくなってしまうこともあるし。綺麗ごとばかりじゃ僕じゃなくなっちゃうんで、そこは常に意識しながら喋るようにしています。
大事なのは、personality、passion、poison。「3つのP」を意識しています!
―喜怒哀楽が出ている方が聴いている側はおもしろいですしね
うん、なんか歯の浮くようなセリフを言いたくないんですよ。僕のラジオを聴いているリスナーは、そんなの求めてないでしょうしね。
言葉の選び方は難しい
DJ仲間とタッグを組んで乗り越えた震災当日
―仲のいいDJは誰ですか?
Fヨコはみんな仲いいですね。他の放送局の人がびっくりするくらい。DJ飲み会をやったりしています。
実はその飲み会でDJ同士コミュニケーションがとれていたから、去年の震災のときも迅速に対応ができたんです。自分の放送があるとかないとか関係なく、行かなきゃっていう気持ちでひとつになっていた。
―あのときほどラジオの大切さを思い知ったことはありませんでした!
MITSUMIちゃんがやっている『E-ne!~good for you~』の時間帯に震災が起きました。僕は東京から電車も何も動いていなかったので、原付で4時間以上かけて横浜に来たんです。着いた時には20時を過ぎていて…。でもそれまで、MITSUMIちゃんが僕に代わってしゃべり続けていてくれたんです。その後も、朝の栗原さんが自転車で帰宅困難者を受け入れていたパシフィコ横浜に行って情報を入手して、スタジオに電話で報告してくれて。藤田くんは昼間いた厚木に残り、そこから報告を入れたり…。とにかくFMヨコハマを聴いている人たちに情報を伝えるために、みんなが一致団結しました。
震災当日のことを思い返す光邦さん
―DJ飲み会のおかげだったんですね!
そうですね。DJはみんなライバル、みたいな印象を持っている人も多いんですよ。でもFMヨコハマ、はそれがまったくないですね。今足りないものは何か?よくしていくにはどうしたらいいか?そんなことばっかり話しています。
―なんか感動してしまいます。そういう人たちがつくっているんですね!
ありがとうございます。でも続けられるのはリスナーの愛でしょうね。