海からも見える!?能見台に建つ巨大構造物の正体は?
ココがキニナル!
金沢区能見台奥の高台にある巨大構造物。東京湾の海上からも見えるので、上からの眺めと中の様子が知りたいです。(PASさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
水道局小雀浄水場の“能見台高区配水槽”という設備で、内部には水道水が貯められている。屋上からはランドマークタワーはもちろん、海まで一望できる。
ライター:田中 大輔
高台故ゆえに建てられた!? 配水槽の役割とは
(続き)
正面には門があり、“立入禁止”や“特別警戒実施中”の看板が掲げられている。
セキュリティはかなり厳重な印象だ。
待ち合わせをしていた職員さんに門を開けてもらい、いざ敷地の中へ
この能見台高区配水槽を管理している小雀浄水場の管理係から、杉山係長と真板さんが対応をしてくれた。
杉山係長(左)と真板さん。配水槽について詳しく教えてもらった
まずは、おふたりにこの施設について話を聞かせてもらった。
能見台高区配水槽は、「簡単に言うと水道水が入ったタンク」とのことで、「この辺りの1633世帯に水道水を供給するためのものです」。
どこの家庭だって蛇口をひねれば水は出るが、こんな配水槽がどこにでもあるわけではない。
当然ながら、ココにはコレが必要だから造られたということになる。
真下から見上げるとなんだか分からないほどの大きさ
「この高台の下に金沢配水池というのがあるんです」と杉山さん。
金沢配水池からは、全部で約3万8500世帯に水が配られていて、そのうち約1万6000世帯にポンプを使って配水している。
配水槽の建つこの辺りもポンプで配水するのだが、高台になっているため配水池から直接水を引くにはポンプの圧力を高めなければならない。
「そうすると同じ配水池から水の行く低地の水道管に余計な圧力がかかり過ぎてしまうので、それを避けるためにこの配水槽を中継しているんです」と、この配水槽が存在する理由を説明してくれた。
このような配水槽は市内に5つあって、いずれも同じ理由で造られているんだそうだ。
1983(昭和58)年に造られたこの配水槽を建てたのは、実は周辺一帯を開発した京浜急行。
住宅を建てるのに先行して配水槽を建設し、市に譲渡したんだそうだ。
いざ内部へ!
ここまでポンプで汲み上げた水を内部のタンクに貯めておき、その水の圧力を利用して各家庭の蛇口まで水を運んでいるという能見台高区配水槽。
そのサイズを聞いてみると、「高さは21.2mあります」とおふたり。標高が106.4mということなので、足すと127.6m。
これだけ高ければ、本当に海から見えるかもしれない。
そのことをおふたりに聞いてみると、「屋上に上がって確かめてみますか?」と杉山さん。
ぜひ! とお願いすると、「じゃあ、コレを」とヘルメットと軍手を手渡された。
安全対策はバッチリ。軍手まで必要な理由は後で知ることに
装備を固めて、いざ中へ。
ちなみに、内部はセキュリティの理由もあって、写真撮影ができない場所もあった。そのことをあらかじめ分かってもらって、続きを読んでほしい。
中に入ったところはガランとしたスペースになっている。
制御するための機械やパイプが配置されている以外はなにもなく、天井は14mの高さ。天井から上がタンクになっていて、水が入っている部分なんだそうだ。
イメージとしては、ちょうど鎌倉の大仏さんの中に入ったような感じ。
中央には円筒状の柱があり、その周りに螺旋階段が取り付けられている。
柱をぐるりと回りこむ螺旋階段。ここに上るだけでも結構高い
ここを上るまではなんでもないが、ここからの行程でヘルメットと軍手の重要性が分かってくる。
ザ・垂直。屋上までに3つほどこういうはしごを上ることになる
円筒状の柱は屋上まで伸びていて、その中を写真のようなはしごを上っていくことになる。
気を付けながら一段一段はしごを登り切った先はいよいよ屋上だ。
フェンスに囲まれた屋上から見える景色は!?