昭和の香りがただよう横浜の日用品市場ってどんなところ?
ココがキニナル!
市内に「天王町日用品市場」「市沢日用品市場」とう長屋風の商店(ミニ市場)がありますが、現存する「日用品市場」はどれくらいありますか?全盛期にはどこにどれだけのありましたか?(町田県民さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
市場の形が残っていても空き店舗が多く、現存といえるのは5ヶ所程度。1920~30年代に58ヶ所新設され、1970年代には約90ヶ所がにぎわっていた。
ライター:山口 愛愛
市沢日用品市場へ
続いて、旭区の市沢日用品市場へ。相鉄線に乗り、鶴ケ峰駅で下車する。南口を出て徒歩約25分。
坂道が続く住宅街。周辺に大型スーパーはない
看板の文字はうっすら半分残っている。営業している様子だ
店が開店しているというだけでほっとする。道路に面して、精肉店と青果店が並ぶ。
親子で買い物に来ている姿がほほえましい
この市場は今もお客さんがいるようでよかった、と思ったのも束の間。中へ入ってみると閉じられたシャッターに囲まれてしまった。
左手奥に、風呂釜などを扱う「フジムラ商会」さんが営業しているのみ
入口の「すどう青果店」さんで、店に立っていた奥様に声を掛けてみる。こちらは45年前にご主人のお父さんが開業し、今は二代で店を守っている。品は国産の上質なものだけを吟味し「安いばかりではなく、安心して美味しく食べられるもの」を選んでいるそう。
この日の「親父のすすめ」は静岡レタス。三浦大根などすべて国産
奥さんのおすすめは赤城山のほうれん草(148円)。茎がしっかりしていて旨みが凝縮されているとのこと。茎を2cm切り水につけてアクを抜いたら、サッと火に通し塩コショウ少々で美味しく味わえるそうだ。
スーパーと違い、商品を手に取りながら、おすすめ品や美味しい味わい方を聞けるのも、こうした市場ならでは。
隣の小松ミートショップも覗いてみよう。
ショーケースはがらんどう。休業中?
中に人の気配がするので声を掛ける。店長の小松一雄さんが快く対応してくれた。
「最近は業務用の注文が多く、中で作業していることが多いです。コロッケなどの品物は注文を受けてから揚げたてを出しているので、あまり商品を並べていないんです」とのこと。
それを常連さんは承知しているので、商品が並んでいなくても声を掛けてくれるそうだ。
交渉して中に入れてもらうと、外からお客さんに呼ばれたようで、小松さんは商品を準備し始めた。
自家製の焼豚(100g315円)の仕込みをしていた小松店長
1つでも注文を受けてから調理し、揚げたてを提供
里芋コロッケは、瀬谷にすむ伯父さんが育てた里芋を具に使った逸品。まさに手作りだ。
小松さんは同じ旭区内の左近山で店を構えていたが、市沢日用品市場が空いていると聞き、昨年の9月に地元に戻ってきたそうだ。
うーん、美味しい! 里芋コロッケ(100円)は心もほっこりする味わい
現存する店は質へのこだわりや地元のお客さんへのきめ細やかなサービスが感じられた。