外人墓地が観光スポットの理由は?
ココがキニナル!
なぜ外人墓地が観光スポットなの?(♪真樹さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
宗教や国境の壁を越えた、お墓の博物館だからです。
ライター:定者 和也
マネージャーが明かす、外国人墓地の裏事情
数少ない日本人スタッフの樋口さん。役員理事は6名中5名が外国人
―観光客が訪れ出したのはいつ頃からですか?
―概には言えないのですが、やはり一般開放をはじめた1970年代からになりますね。それまでは日本で亡くなった外国人のための墓地という位置付けでした。
―一般開放をはじめた理由は?
使用権料だけでは運営費が立ち行かなくなってきたのが、正直なところです。約8割が遺族と連絡の取れない無縁仏のお墓。老朽化を防ぐために修繕が必要となっても、その費用の捻出が難しいのです。財団法人という形で運営しているのですが、理事たちがボランティアで活動しても維持していくのは一苦労でした。そこで募金という形で財源を確保しようしたのが一般開放のきっかけですね。
―反対の声は?
ありました。当時の神奈川新聞の投書コーナーでも論争が起きたんです。賛成派は「お墓に興味を持っている人がいるのだから開放すべき」という意見。反対派は「遺族の方の気持ちを考慮すべき」という意見です。結局、折衷案として、土日祝だけ開放する今の形に落ち着きました。
欠けているお墓は志し半ばで亡くなった故人のために、意図的にそうしているのだとか
―8割が無縁仏なら、なくしてしまうという案は出なかったのでしょうか。
先ほどの「お墓に興味を持っている人がいる」という声に通じるのですが、ここには日本文化の礎を築いた偉人たちが納められています。たとえばビールの大量醸造を日本ではじめた人、近代的な法律を日本に持ち込んだ人。有名どころだと、生麦事件のリチャードソン。幕末を描いた大河ドラマなどが放映されているときは、視聴者から問い合わせがよく来ますね。つまり、お墓でありながらも、史跡としての価値も高いのです。
―お墓は多国籍なのですか?
はい。40ヵ国以上、4900人以上の外国人が納められています。宗教が違うので、本当にさまざまな種類のお墓がありますよ。ユダヤ教だとダビデの六芒星や燭台がモチーフにされていたり、イスラム教だとコーランの文言が刻まれていたり。逆に日本文化に洗礼を受け、日本的な形のお墓を建てて戒名まで入れている外国人の方もいます。開放日には幅広い年代の方々に訪れてもらっていますが、「見ていて楽しい」という声を聞くことも多いですね。
―日本人も外国人墓地のお墓に入ることができるのでしょうか?
たとえば、外国人と結婚した方など、何らかの血縁関係があれば可能です。だから、日本の名前が刻まれているお墓もちらほら見られますよ。ただ、日本人のみの家系の場合はご遠慮いただいています。
故人は飛行機に関連する仕事に就いていたのだろうか
取材を終えて
取材後、1時間ほどかけてお墓の中をまわらせてもらったが、もはや世界各国のお墓の博物館と言っても過言ではない。運営費が立ち行かなくなったという経済上の理由から生まれた、ある種悲運とも捉えられる観光地だが、ここには国境を越えた1つの世界平和の形がある。無宗教や多宗教と言われる日本だからこそ、そして港町として各国の文化を受けいれてきた横浜だからこそ、生まれたスポットなのかもしれない。
ユニークなデザインを見て楽しむもよし、日本を愛し日本に骨を埋めた外国人の方たちの人生に思いを馳せるもよし。ちなみに取材から1週間経ちましたが、今のところ霊には悩まされていません。ぜひみなさんも安心して足を運んでみてはいかがでしょうか。
―終わり―
minamiyoshiroさん
2013年06月30日 11時27分
仏教信者じゃないヒトが多数の筈なのに「無縁仏」って変じゃないすか?
ま~たんさん
2011年06月17日 16時06分
外人墓地がなんで観光地かなんて考えた事もなかった…。でもよく考えたら、わざわざ他人の墓を観に行くなんて変な話。記事を読んで納得しました。