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港町横浜とはひと味違う雰囲気を味わえる街、はま旅Vol.113「西横浜」編

ココがキニナル!

横浜市全駅全下車の「はま旅」第113回は相鉄線西横浜へ。商店街に囲まれ、港町横浜とはまた違う温かさとゆっくりとした時間に包まれた街を、地元の幼馴染みの案内で旅する。

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ライター:永田 ミナミ

商店街にて(つづき)
 


水道道は野毛山方面に向かい急坂となる。傾斜は10°


日曜日に、あの場所にあるあの店ははたして開いているのかと、期待と不安と急坂に高鳴る鼓動を抑えて坂を上りきると、残念ながら閉まっていた。
 


両側を急坂に挟まれた、まさに「峠の茶屋」


両側の急坂を計る途中で通りかかり、あまりの趣深さに扉を開け、勧められるがまま注文したサンマーメン(600円)の美味しさは忘れがたかったが、残念ながらあきらめるしかない。お店の詳細は過去記事で。
 


峠の茶屋のサンマーメン(2011<平成23>年4月撮影)




ただの本場とはひと味違う本場の味

上ったばかりの急坂をがっくりと肩を落として下りていると、幼馴染みから連絡が。
「来てるの? じゃあ行く」ということで、坂は上らない主義の友人と坂の下で合流した。そして「峠の茶屋」が閉まっていたことを話すと「地元で評判の中華料理屋さんがあるよ」と案内してくれた。辿り着いてみると何とそこは「ニライカナイ」のはす向いだった。
 


龍興楼(リュウコウロウ)。店の前にも美味しそうな総菜が並ぶ


店内に入ると、日曜の午後でもなかなかの活気だった。そして日曜の午後もランチメニューがあるということなので、その中から「牛肉細切りとナスの甜麺醤(テンメンジャン)炒め(700円)」を注文。
夏日の日曜の午後ということで喉と心を潤しながら待望の食事を待った。そして、やってきた。
 


このボリュームで700円とは。見るからに美味しそうだ


食べ進むにつれて皿に敷かれた千切りのレタスが牛肉やナスと混ざり合い、やがて全体が甜麺醤(テンメンジャン)色に染まっていく過程も美味しい。もちろんスタートと同時に全体を融合させるというのもアリだろう。
 


夢中になって頬張る記者を幼馴染みが撮影


店内のテレビでマダムシンコが金儲けのモットー「ATM(明るく楽しく前向きに)」を披露しているのを横目に食べ終わる頃には、すっかり満腹に。
 


食べ終わったところでご主人に話を伺った


龍興楼は開店6年目だが、ご主人は1988(昭和63)年に来日後、中華街で20年以上、ラーメン店も含め十数店を渡り歩いて、ただの本場ではない日本人好みの味をつかむため修行に励んでいたという。そこへ、以前勤めていた店の社長が一線から退くという話があり、それを機に備品などを譲り受けて藤棚商店街に開店した。

西横浜の街について伺うと、「中華街のように観光客が次々にやってくるわけではないし、住民の年齢層が高い。お年寄りは味に厳しいから大変だね」というお話だったが、その間にも自動ドアが開いては客が入ってくる。友人の地元情報は確かだったし、ご主人の修行はしっかりと実を結んでいるようだ。
 


気さくに応じてくださったオーナー厨房長の葉さん(右)と奥様。とても美味しかったです


店を出た我々は、食後の散歩もかねて駅の反対側に行ってみることにした。
駅を越えてさっき眺めた帷子川を渡り、水道道を歩いていくと、社宮司公園にこのような案内板を発見。
 


水道道とは相模原市津久井町と野毛山浄水場をつなぐ44kmの近代水道なのだった