解散していた「さかえ通り商店街」

　
歩いていくと間もなく、とても素敵なレストランを発見
　

CLOSEDの「TORIGEレストラン」の先まで歩いてみたが、ここにも商店街らしさはほとんどない。
　

いや、よく見ると歩道に沿って商店街であることを示すものが。ただし置いてあるだけなので移動可能だ

さかえ通りという名前の商店街らしいが、ここも飲食店やコンビニが目立つ。そして通りの片側はビルだ。
　

次の四つ角まで歩いて振り返ると、真新しいビルの名前はミオカ
　

中央商店街はカミオが。そしてさかえ通り商店街はこのミオカが？　と訝（いぶか）る

そこで、途中に見つけた店まで少し戻り、話を聞いてみることにした。
　

堂々たる店構えの益田商店
　

広い店内と豊富な品ぞろえに、しりとりモチベーションは否が応でも盛り上がる

お店の方にお話を伺うと、益田商店は開業60年ほどの、3代続く金物屋さんだという。よかった、目に狂いはなかったようだ。

しかしながら衝撃の事実も発覚。さかえ通り商店街は何と解散してしまっているそうなのである。
　

詳しいことがわかるのはご主人ということだったが、お話を聞かせてくださった益田さん

商店街が解散するものだとは知らなかった。経緯は、やはりミオカができたことにより、益田商店の向かい側の商店がすべてなくなってしまい、解散にいたった、ということだった。現在は街灯など、最低限の管理だけをおこなっているそうだ。
　

不穏な予想が的中したどころか、さかえ通り商店街は解散していた

またもや切ない話だが、残念がってばかりもいられない。取材に答えて頂いた感謝を表すべく、益田さんに企画内容を説明して「い」から始まるものを探させていただくことにした。
　

インテリア用バールは残念ながら1118円。余裕で予算オーバーだ
　

魅力的な商品名だが、しりとり的にも予算的にも使う予定的にも合わない
　

ピラニアの写真下には「この歯がピラニア鋸のルーツです」という解説あり　
　

糸巻きセットは「い」から始まるが、547円はかなり高額商品なので断念。となりの墨差（すみさし）もいい
　

数多の魅力的な商品がならぶ工具コーナーだが、なかなかこれというものが見つからない

そこで、ほかも見てみようと園芸コーナーに移動してすぐのことだった。これを発見。
　

移植ごて、180円

しりとり面から見ても、予算面から見ても、色のポップさから見ても、完璧だ。自宅にバジルの種があったはずだから、これを機にベランダで育てようかな、これで決定かな、とはしゃいでいるところに、ご主人が戻っていらっしゃった。
　

いったん移植ごてを手放し、ご主人にもお話を伺う

さかえ通り商店街が、法人としてあったのは5年ほど前まで。現在は有志で資金を募り運営しているという。以前は120軒もあった個人商店も現在は5軒ほどしか残っておらず、カミオと同様いくつかの店はミオカに入ったが、営業を辞めてしまった店も少なくないそうだ。

そんななか益田商店は、鎌倉や逗子の農家との取引が多く、今でも店内には活気があふれていた。
　

お話を聞いたあと、移植ごてを購入（残金670円）。益田さんありがとうございました

さあ、しりとりが繋がり始めた。「パサージュ上大岡」→「ガーゼ手ぬぐい」→「移植ごて」。次は「て」から始まるものを探すわけだが、それについてはすでに思うところがあった。午後3時過ぎ。そろそろ小腹を満たしてもいい時間だ。