バリエーション多彩! 横浜にある七福神を完全網羅! vol.3
ココがキニナル!
この間野毛の成田山で七福神を見かけました。横浜市に七福神はいくつあるのでしょうか。気になります(tokuさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜にある七福神は全部で9つ! 各エリアや寺社ごとに、個性豊かな七福神めぐり第3回は瀬谷・金沢・浜編!
ライター:一藁 雅之
自然豊かな横浜金澤七福神
次に紹介するのは、金沢区の七福神めぐり。横浜はもちろん、全国の七福神めぐりでも海と緑と歴史を感じられるのが特徴だ。
運営しているのは金沢区の「横浜金沢観光協会」。同会によると、「金沢区には、称名寺や金沢文庫など、中世期以降の歴史的、文化的資産が数多く残されていて、これらの資産を金沢区の観光資源として生かし、街の活性化につなげよう」と、区内の有志(寺院、神社、関係者)が2005(平成17)年「横浜金澤七福神」を創設したのだという。
たしかに沿岸部に位置している
「横浜金澤七福神」は毎年元日から1週間程度開帳される七福神を、スタンプラリー形式でめぐる。緑と海と歴史を満喫できる金沢区で爽やかに新年をスタートすることができるという。
北から順に長昌寺(ちょうしょうじ)、富岡八幡宮(とみおかはちまんぐう)、寶蔵院(ほうぞういん)、正法院(しょうぼういん)、伝心寺(でんしんじ)、龍華寺(りゅうげじ)、瀬戸神社(せとじんじゃ)をめぐるコースだ。
さっそく長昌寺から出発!
金沢区富岡東3-23-21。京急富岡駅から徒歩約15分
公園の一角に公開されている
毎度、布袋さまの笑顔には癒やされる
ここで初めて布袋様が実在の高僧をモデルにしていたと知る
お寺によると、かつて富岡北の鳥見塚と呼ばれる場所に一年中“芋の葉”が繁る池があったという。そしてその池の中に小さな観音様が現れるようになり、「芋観世音」または「芋神様」と信仰されて多くの参拝客でにぎわったとのこと。
また、直木賞で知られる直木三十五(なおき・さんじゅうご)の墓所としても知られる。
2ヶ所目は源頼朝が勧請(かんじょう)してできた富岡八幡宮の恵比寿。
金沢区富岡東4-5-41。京急富岡駅から徒歩約8分
こちらは、シーサイドライン並木北駅からも徒歩約10分で行くことができる。
鯛を掲げる姿が象徴的
7月に行われる「祇園舟」は、古来から続く伝統行事で市の無形文化財に指定されている。
3ヶ所目は高台からの景観が見事な寶蔵院。
金沢区柴町214。シーサイドライン海の公園柴口駅から徒歩約10分
伝統の趣を残す佇まいと、ご加護のある寿老人様
寶蔵院によると、かつて大津波で村一帯が海に流されてしまった時、人々がこの寺のかがり火を目安に難を逃れたのだという。以来、長年にわたり村人を守り、また寺もかつての形態を残したまま守られてきたようだ。
また小高い位置にあるので、境内からは港や東京湾を見渡せるのが気持ち良い。
4ヶ所目は「赤井のお不動さま」として知られる正法院。
金沢区釜利谷東3-4-24。金沢文庫駅から徒歩約7分
金沢七福神の福禄寿のほか、七福神ご一行も拝謁できる
今から約1200年ほど前、弘法大師が水不足や疫病に苦しんでいた人々のために井戸を掘った。真言密教で加持すると水が赤くなり、不動明王の姿を描いたことから「赤井のお不動さま」として交通安全、家内安全の祈願となっている。
5ヶ所目は幾度の火災を乗り越えてきた伝心寺。
金沢区町屋町16-28。金沢八景駅から徒歩約10分
控えめな光背(火焔光)が目を引く毘沙門天
伝心寺にお話を聞いたところ、これまで数回の火災に見舞われたものの、1521(大永元)年、小田原の北条氏繁(うじしげ)によって再興を果たしたとのこと。
また遭難の多い土地だったが、伝海という若い僧が海辺の道の安全を願って入定(=にゅうじょう、即身仏となること)し、今なお道行く人々の安全を見守ってくれている。
6ヶ所目は貴重な霊宝・名宝が所蔵されている龍華寺の大黒天。
金沢区洲崎町9-31。金沢八景駅から徒歩約7分
外にある石像と本堂のご神体と、二種類鎮座している
県の重要文化財である梵鐘や弥勒菩薩(みろくぼさつ)坐像、脱活乾漆造り(だっかつかんしつづくり)菩薩座像など多くの文化財が所蔵されている。
金沢エリア最後の七福神は、瀬戸神社の弁財天。
金沢区瀬戸18-14。金沢八景駅から徒歩約2分
立ったままの珍しい弁財天
瀬戸神社にご神体があるものの、普段は公開していないため、向かいにある琵琶島神社に石像が祀られている。北条政子が海中に築いた神社で、こちらも由緒のある所だ。
以上で金沢の七福神めぐりとなる。所要時間はスムーズに行けば電車と徒歩で約3時間強。金沢文庫や八景島シーパラダイスなど、いろいろな寄り道も楽しめそうだ。
続いては、惜しいことに現在は廃止となってしまった浜七福神!