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行き止まりにごみが散乱しているという謎の橋、第三京浜の上にかかる「小机橋」の正体を徹底調査!

ココがキニナル!

第3京浜上の陸橋「小机橋」は渡った先が行き止まりになってごみが散乱しています。近所の方のお話では以前は人が住んでいったとのことでしたが気になります。(三ッ沢さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

以前人が住んでいた小机橋の先の空き地にごみ捨て防止の柵がされ、脇の市道は整備されていないために行き止まりのように見えるだけだった

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ライター:小方 サダオ

空き地の地主を探す



そこでKさんを訪ねた。

あの柵がされた土地について伺うと「高速道路ができるということで私たちはここに引っ越してきました。あの山の上には昔から農道があって、小机橋はその農道の代わりに架けられたものです。でも使っていたのは地元の農家ぐらいでした。数年前にあそこに柵が出来たけれど、柵の中は私たちの土地じゃありません。

たぶん山の斜面で(高速道路を作るための)大工さんが畑をやっているから、散歩の人などが通って荒らしたり、野菜をとったりしないように、侵入できないためにつけたんじゃないですか?」と答えてくれた。

現地ではよく分からなかったが、Kさんのいう農道は今でも通っているのだろうか?
 


JR小机駅


柵の中の空き地は違う人の土地であった。その土地の持ち主を探していると、町内会関係の活動をされているTさんが興味深い話をしてくれた。

「もともと地元の農家が減ったから農道を使わなくなったこともあって、小机橋が架かってからもあの道を通る人は少なかったね」
 


現在の住宅地図に載る、空き地で途切れている二股の道が、農道だろうか?


柵について伺うと「今はパイプの柵になっているけれど、少し前はゴミ捨て防止用のロープが張られていたよ」とのこと。

空き地の柵はゴミ捨て防止の柵のようだ。

Tさんに事情を知っていそうな人のところに案内してもらうと、見事その土地の持ち主に行き当たった。
 


竹林の裏手に小机橋につながる農道が通っているようだ
 

ふもとの住宅地から農道を通れば小机橋を渡ることができる
 

このあたりが農道の入口らしい


地元の地主である、Hさんにお話を伺うと、
「竹林の手前の土地は私の土地ですが、あの柵はごみ捨て防止のために取り付けたんです」と答えてくれた。
 


柵はごみ捨て防止のためであった
 

小机橋の空き地に捨てられた粗大ごみ
 

廃車のバイクなどが多い


以前は人が住んでいたのか、について伺うと「あの空き地には大工が材料を組み立てるための“飯場(はんば:以下かな表記)”が建っていました。そして空き地の手前に小机橋からの道が直角に曲がる形の市の道路がありました。道路と言っても足で土を固めたけもの道で、この辺の畑を持っている地権者しか使っていませんでしたけれど。“ここの部分だけは市道である”ことを示す境界石が、土地との境目に埋まっています」

あの草で覆われた柵づたいの道は市道だったのだ。
 


草で覆われた中に市道であることを示す石が埋まっているという


「しかし“はんば”がなくなると、空き地になってしまったため、車で橋の奥まで突っ込んでごみを捨てる人たちが出てきたのです。そのためにごみ捨て防止の柵を作りました。たしかに人は通りませんがあそこには道路があるのです。それを市がほったらかしにしているから草がぼうぼうに生えてしまって、まるで道路がなくなったかのようになってしまいました」

「そこでごみを捨てられることを市の道路の担当者に抗議すると『鍵をお渡ししますので柵をしますか?』と言われたのです」
 


これが農道だろうか?
 

竹林の中の農道と思われる道


「本当はあの市道が番地の境目になっているので、市で石を入れたりしてはっきりさせてほしいのです。何軒かの地権者でお願いしたのですが、地権者全員が立会いのもとで測量調査をしないといけない、などというのです。なかなか全員の地権者を集めるようなことはできません」

「また小机橋と同時期に地下道も作られたのですが、これも放置されているせいで誰も通らず荒れ果てています」
 


地下道の入り口
 

小机橋と同時期につくられた池の谷地下道
 

中にはゴミが散乱している
 

明かりはついているが、人が通る気配はない
 

出口付近に散らばる竹
 

地下道への階段の上には竹が散乱している
 

階段の一部は破損している
 

荒れ果てた地下道の入り口
 

地下道が使用されないのは出口の先が開発中で人が入れないからだろうか?
 

開発中のブルーシートが張られた地下道の出口付近の土地


「どうも市は意図しないことにはお金をかけたくないようです。自らは動かず、こちらが申請してくるのを待っているだけです」と答えてくれた。

ここで住宅の前の道路に話が移る。
「この道路も以前は石が打ってあって公道と私道の境目がはっきりしていたのですが、1964(昭和39)年の道路工事の際に工事会社が抜いたとかで、境目がわからなくなってしまいました。そのため以前公道であったと思われる部分も、私道として私財で直しているのです」
 


白いブロックのあたりにあった境界石が抜かれたため、公道と私道の境目がわからなくなった


小机橋の奥は、付近の市道も整備されず“はんば”もなくなり空き地になってしまったために、人目に付きにくく、ごみが捨てやすい場所になってしまった。そしてごみ捨て防止のための柵をしたために、ますます行き止まりのような様相になったわけだ。 



東日本高速道路と土木事務所に話を伺う



東日本高速道路京浜事務所の三多さんに、例の農道についてお話を伺うと「あの山の上には市道である農道が通っていました。しかし1965(昭和40)年に、高速道路建設の際になくなってしまったため、市道の機能回復の道路として、小机橋と池の谷地下道を作りました」
 


以前の2本あった農道の地図。真中が現在の小机橋だ
 

現在の地図と重ねたもの。農道01が小机橋になり、農道02が池の谷地下道になった
 

現在の小机橋周辺の市道の地図
 

現在の市道は小机橋の先のHさんの土地を迂回するように通っている


つぎに港北土木事務所の上島さんに、例の農道についてお話を伺う。

「農道に関しては、けもの道で人もあまり入らないので、整備する予定はありません。また農道の境界調査を行う予定もありません」と答えてくれた。



取材を終えて



となりの人道橋は車まで走っているのに、小机橋に人影はない。ごみ捨ての車が入ってこられるほどの耐久性はあるのにもったいない。またしっかりとつくられた地下道も放置されたままだ。
重要性がないと判断し、市は放置しているのかもしれないが、結果、街の中に死角を生み、ごみ捨て場所などに変わってしまっているのだ。

例え利用者の少ない道路でも、見捨てられた状態のものをいくつもつくると、その街の活気や空気流れのようなものを滞らせてしまう気がした。
 


1965(昭和40)年につくられるもあまり利用されることのない小机橋



-終わり-
 

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  • 不法投棄を防ぐには、人が行き交うようになるまで車止めをするなり、封鎖するなりするしか無いでしょうね。↓の方も書かれてますが、こういう所は他にもあったりします。

  • 同じ様な橋が阿久和の新幹線の上、脱走犯が捕まった所にもにもあります。こちらもキニナリます。

  • 画像の拡大が出来ないので、横浜市の行政地図情報提供システムの地図を見せても、中々理解は出来ないと思います。「現在の市道」ですが、国土地理院や横浜市道の地図には出ていないので、どこからの情報でしょうか?市道と私道の境界線は他の区みたいな測量地図はないのでしょうか。

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