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みなとみらいが会場に? 横浜で公道を使った世界レベルの電気自動車レース「フォーミュラE」が開催されるって本当?

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フォーミュラEという電気自動車の市街地レースが海外で開催。横浜市では市街地レース誘致など考えはない?/法令とか条例等々をクリアして開催出来るもの?(タイサンさん、はまっ子どうじさん)

はまれぽ調査結果!

横浜でのフォーミュラE開催には山下ふ頭が予定されているが、実現の可能性は未定。横浜市は、山下ふ頭の再開発に関して多角的な検討を進めている

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ライター:三輪 大輔

山下ふ頭再開発に関する横浜市の動き



「山下ふ頭の再開発に関しては現在、横浜市山下ふ頭開発基本計画検討委員会で検討を行っています」

そのように語ってくれたのは、横浜市港湾局山下ふ頭再開発調整室の大谷康晴(おおたに・やすはる)さんである。その山下ふ頭再開発の検討委員会の内容に関しては、以前、はまれぽでも、カジノ計画に関連して紹介した。
 


大谷さんには過去に何度も取材にご協力いただいている


市長の付属機関として誕生した検討委員会では現在、山下ふ頭再開発に関する基本計画策定の会議を実施。会議には各界の10名の有識者が出席し、山下ふ頭をどのように活用していくかを話し合い、横浜市の魅力が最大限に発揮できるように取り組んでいる。

ちなみに「山下ふ頭開発基本計画」は、横浜市が計画する「中期4カ年計画」や「横浜港港湾計画」、そして国が進める「グローバルMICE戦略都市」などともリンクしている。

こうした数々の背景を踏まえて、まだ山下ふ頭開発の方向性について話し合っている段階なので、明確な活用方法は決まっていない。田野井さんのビジョンも、横浜の魅力的な将来ビジョンを示しているが、現段階ではあくまでも1つの案に過ぎないのだ。そこで改めて、検討委員会で行った3回の会議の内容を、ここでは簡単に振り返っていきたい。
 


検討委員会で使用される会議資料


まず2014(平成26)年9月4日の第1回会議では、山下ふ頭の再開発の方向性について話し合われた。そこでSWOT分析(企業が経営戦略や経営計画を策定するために必要な分析)などを行い、横浜の目指すべき都市像として「世界に誇るハーバーリゾートの形成」という方向性を抽出。その柱になるのが「観光・コンベンションを中心とした魅力的な賑わいの創出」「親水性豊かなウォーターフロントの創出」、そして「環境に配慮したスマートエリアの創出」の3つである。

それを踏まえて、同年12月19日には第2回の検討会議を行い、上記3つの柱に関しての基本計画方針が話し合われている。

「観光・コンベンションを中心とした魅力的な賑わいの創出」では、山下ふ頭の立地や海外などの事例も参考にし、さらに3つの方針が決まった。それが「新たな横浜のシンボルとなる大規模集客施設の導入」や「市民や観光客を呼び込む特色ある施設の導入」「海外からも人を呼び込む、滞在型施設によるリゾート空間の形成」の3つである。みなとみらいや横浜中華街、山下公園などとの相乗効果も発揮し、どのようなエリアを創出するかが話し合われた。
 


魅力的な賑わいの創出に関するゾーニング(横浜市HPより)


またほかの2つの方向性に関しても内容が詰められて「親水性豊かなウォーターフロントの創出」では「水と緑を身近に感じる空間つくり」と「港町の魅力を高める景観形成」の2つのキーワードが抽出された。

一方「環境に配慮したスマートエリアの創出」では「環境に配慮したまちづくり」「高い防災力をもつまちづくり」、そして「まちの質を高めるエリアマネジメント」の3つのキ―ワードがピックアップされた。
 


会議の行われている産業貿易センタービル


そして2015(平成27)年3月19日には、3回目の会議を実施。
ここで、2回目の会議を踏まえて「国内外から多くの人を呼び込む賑わいの創出」「港町の魅力を高める景観形成」、そして新たに追加された「わかりやすく利便性の高いまちづくり」の3つに関する方向性が詰められた後、実現に向けた方策の検討が話し合われた。そこで、市民の方の声も反映し山下ふ頭の再開発を考える上で重要だと思う視点に関して声を集めることも決まったようだ。

今後は、市民の意見を募集した後に、改めて会議の場が設けられ、今年の秋をめどに基本計画が策定される予定である。その後、民間企業の協力も得ながら、何を作り、どのように山下ふ頭を開発していくか具体的な話が進んでいくことになるそうだ。

そのためフォーミュラE開催に関する実現性は、現在のところ全く分からない。ただ山ふ頭の再開発が、横浜の世界的な存在感を増すため重要なポジションを占めており、フォーミュラE開催が1つの方法であるのも確かである。