川崎市の第三京浜の柱に出てくるという「消しても消しても浮かび上がる女性の影のようなシミ」の正体は?
ココがキニナル!
30年前くらいに新聞記事り実際に見たこともあるのですが川崎市高津区千年の第三京浜の柱に消しても消しても浮かび上がる「女性の影のようなシミ」がありました。今はどう?(takedaiwaさん)
はまれぽ調査結果!
シミは柱の耐震工事のため外側からは見えなくなった。周囲で事件や事故が多かったため幽霊の噂が流行りやすく女性の姿のシミの霊の話が出たようだ
ライター:小方 サダオ
幽霊騒ぎについて周辺住民に伺う(つづき)
左側にある問題の橋脚の先、第三京浜の側道を進んだ先で事件や事故が多いという
坂道の途中に並ぶ祠や石碑
側道を上って行くと、急なS字カーブがある。坂道を上ってきた買い物帰りのTさんによると「このあたりは事件や事故が多いですよ。20年ほど前、私の息子が犬の散歩をしていた時です。春日台公園の奥の木に首つり死体がぶら下がっているのを発見したんです」とのこと。
第三京浜沿いある春日台公園
春日台公園のグラウンド
春日台公園に立つ木で首つり死体が発見されたという
そこで「もっと詳しい人がいる」と地元の方を紹介してくださり、2人で一緒に話を伺った。
「あの時はTさんの息子さんがうちに駆け込んできたんだよ。『電話を貸してくれ』と言うんで、警察を呼んだ。俺も一緒に行って、その様子を見てたけど、自殺の死体には警察は触らないんだね。葬儀屋が来るまで待ってて、葬儀屋がぶら下がった死体の下からすーっと袋をかぶせて持って行ってたよ。また昔その公園では、車で中まで入ってガス自殺をした人がいた。さらに若者がけんかで刺された事件もあった。あと道路沿いの道祖神の後ろの林から白骨死体が出たこともあったね」
道路沿いの道祖神
竹林から白骨死体が出た、という
「また20年ほど前第三京浜上の橋から、近くのアパートに住む、不良の息子に手を焼いていた女性が、柵を乗り越えて第三京浜に飛び降り自殺をしたんだ。その日いつものような高速道路の車の騒音がなく静かだから、気になって見に行ったら、警察が通行止めにしてその現場検証をしていたよ」
第三京浜上に架かる橋
女性が柵を乗り越えて第三京浜に飛び降り自殺をしたという
「さらに5~6年前にS字カーブの坂道では、ブレーキの故障していた自転車を直そうと、お店に持っていくために子どもを乗せた母親が坂を下っていると、ブレーキが利かなくなって、カーブにあるガードレールに衝突して2人ともそのまま崖下に落ちて亡くなるという事故があった。このS字カーブでの事故は多く、昔では兵隊の乗った陸軍のジープが落ちたこともあったらしい」と答えてくれた。
急なS字カープ
ガードレールに柵が設置されている
ここでTさんが「息子はこの坂を嫌がって、遠回りして行き来しているんです。でも私はこの街は大好きです。近くの影向寺(ようごうじ)は縄文時代の遺跡などで国の史跡に指定されているのよ」と答えてくれた。
歴史の古い街のようだ。
この坂を忌み嫌う人もいるという
問題の橋脚の周りでは事件や事故が多い
昔から問題の橋脚付近で、事件や事故が多かったことは「幽霊のシミの噂」の流布を盛り上げた可能性はあるといえるのではないだろうか?
ところで読売新聞には「第三京浜下にはわざわざ幽霊の正体を見届けようと駆けつける者もいる。日本道路公団第三京浜道路管理事務所では『これ以上うわさが広がっては』と近く供養した上で、このシミを消すことにしている」と書かれている。
そこで第三京浜道路管理事務所に、この件に関してお話を伺った。
NEXCO東日本京浜管理事務所の見田(みた)さんによると「お問い合わせのとおり、確かに当時第三京浜道路の橋脚になぞのシミが浮かび上がるとして騒ぎになった経緯がありますが、現在残っている資料を確認する限り、供養をしたり、シミを消したりした実績は見当たりませんでした」
補強工事中の橋脚
「しかしながら、NEXCO東日本では当該事案に限らず、高速道路施設に落書きや酷い汚れなどがあった場合は、速やかに清掃作業を実施しています。また、当該場所は過去に耐震補強工事を何度か実施しているので、その際にも橋脚を更新しており、そういった作業の中で当該シミ問題については自然と解消されたのかもしれません。少なくとも現時点では、当該シミに関する資料は残存していません」と答えてくれた。
橋脚の清掃や補強工事の課程で、当時のシミは姿を消した可能性があるようだ。