横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.43 京急杉田駅直結、駅ビルだけど下町情緒溢れる「プララ杉田専門店会」で夏バテ対策
ココがキニナル!
横浜「1000ぶら」商店街探訪vol.43 京急杉田駅直結、駅ビルだけど下町情緒溢れる「プララ杉田専門店会」で夏バテ防止に挑む!!
はまれぽ調査結果!
老舗、新店、チェーン店が地域貢献・活性化に取り組む「プララ杉田専門店会」。「鳥栄」の鶏レバー「曽根茶舗」の水出し緑茶と夏バテ対策を実践
ライター:楪 ゆう子
鮮魚店にジーンズショップ、多種多様なお店に突撃!
お次は、東急ストア入り口前「鮮魚 魚陽(うおはる)」の大将にお話を聞いた。
なんすか、この市場みたいな店頭は!?
「鮮魚 魚陽」店長、小俣博嗣(ひろつぐ)さん
花タイ、トビウオ、マコガレイ
尾頭付きの魚たちが美しい!
「ウチでは丸の魚をなるべくそろえて、お客さんの要望で好きなように加工できるようにしてるんですよ。料理の仕方でおろし方がぜんぜん違うから」
「プララ杉田」に入って5年目の魚陽は、小柴や三浦など地元の魚や産地直送を中心に、新鮮な魚介を取りそろえたこだわりの魚屋さんだ。
仕入れた魚を店で調理した寿司やお惣菜もバラエティに富んでいて安い。
惣菜はその日の仕入れによってメニューが変わるため日替わりで楽しめる
「夏バテ防止」のアドバイスも聞いてみた。
「まぁ、暑くて食欲がないときは刺身がサッパリして食べやすいかな」
新鮮なマグロの「さく」が並ぶ
冷たいお刺身は食べやすさのみならず、魚の不飽和脂肪酸(中性脂肪やコレストロール値を調整する働きがある)や良質なタンパク質が暑さに負けない体作りに役立つのだ。
でも、マグロじゃ1パックで1000円札なくなっちゃうので買えません(汗)
ようし、次は2階に。
2階のフロアには30店舗が並ぶ
改札を出た時からキニナっていた杉田駅入り口そばの「ジーパンのトップ」へ。
店内にはこだわりの品がギッシリ
有名ジーンズメーカーから、時代に流されない良さを持つ選りすぐりの名品を仕入れるこだわりのお店だ。
エドウィン、リーバイス、ビッグジョン
お店はいつから始めたんですか?
「ジー パンの存在自体珍しい時代、なんだそれと世間に言われていたころからウチの親父が『次はジーパンがくる!』って1972(昭和47)年に店を始めてね。ま だメジャーになる前のメーカーとの付き合いが深まるうちに時流にも乗れて、このビルに入って、おかげさまでかれこれ40年といったところかな」
「ジーパンのトップ」店長の高岡敏哉(たかおか・としや)さん
1960年代後半から1970年代というと、学生運動やヒッピーブームを足がかりに、ジーンズが「若者文化の象徴」としての地位を築いた時代。そこから現代に至るまで、ジーンズの歴史を見守り続けてきた、筋金入りの老舗店だ。
たいへん饒舌で面白い店長さんなのだ
「ジーンズのことならなんでもご相談を!」という高岡さんに、ユズリハの悩みを告白。どんなジーンズ履いてても、最後は両膝が破けちゃうんですよね・・・。
これもまもなく破れる予定
これに対し「膝が破れるのはよく働いてる証拠。うちで直せるよ!」と高岡さん。
補修・リペア・リメイク・サイズ調整・補正など、なんでも受け付けてくれる
ジーンズで「夏バテ防止」も聞いてみた。
「それこそ履き古して破れたジーンズをジョキジョキ切ってショートパンツ化して涼しく着こなす。切りっぱなしもワイルドでカッコイイけど、うちに持って来くれば折り返して縫い上げるよ。あとは、エドウィンの夏向け新商品『ジャージーズ』が涼しくてオススメ」
Miss EDWIN ジャージーズ メッシュ テーパード・クロップド(税込9720円)
ポロシャツなどにも使用される通気性の良い鹿の子編み素材をデニム風にアレンジした「ジャージーズ」は、ピタピタになり過ぎない、ほどよいフィット感と柔らかな肌触りで、とにかくラクチン。
ジャージなのにデニム風でちゃんとして見えるのが嬉しい! でも1000円じゃムリ・・・めちゃ欲しいけどサイナラ(泣)。
このほか、一時期消えかけて復活したという大人の定番「Lee201」、ビックジョンのベルボトム「MH402B-BW」などの他店ではお目にかかれない逸品も紹介していただくなど、まさにジーンズマニアの聖地。是非ここでジーパン談義を楽しもう!
長屋の町内会みたいな商店街
高岡さんは「プララ杉田専門店会」の副会長&広報の役割も担っている方なので、商店街の特色についても聞いてみた。
「みんなでイベントをできることかな!」
路地商店街では、全国展開するナショナルチェーンは本部の意向を理由に消極的だったり、参加したがらない個人店もあったりなどバラつきがち。
2015(平成27)年5月2日「地球環境目的のリサイクルフリーマーケット」
しかし「プララ杉田」では、イベントへの積極参加がビル入居条件の一つとして伝えられるため、個人店、チェーン店関係なく全店舗が協力的である。再開発ビル運営の成功事例として、ビル開発者らによる視察もあるという。
駅ビルの「プララ杉田専門店会」は長屋の町内会のようにひとつ屋根の下で軒を連ねているからこそつながりやすく、団結できるのだ。
「もっと詳しい話は会長から」と高岡さん。次は商店街会長さんのお店「フローリスト花だより」へGO!
往来する人々の目を楽しませる花々
プララ杉田ビル1階入り口の「フローリスト花だより」は、昭和初期に花の種の卸業として創業した老舗の生花店。
昭和初期創業というと長いですね!
「昔はここいら一帯が畑でね、うちはもともと生産者で市場に花を卸していたんですよ。むしろ野菜苗や土の販売の方が多かったものが、22年前の1993(平成5)年にこのビルに入ってから花メインに切り替えたの」と会長夫人の裕美(ひろみ)さん。
梅雨の時期、店内にはもうヒマワリが
さっそくお花屋さんならではの「夏バテ防止」のアドバイスを聞いてみた。
「水分補給のためにハーブを育ててハーブ水を作って飲むとか、湿気を調整するグリーンを室内に置くことかな」
ミントのハーブ水
なるほど、ありがとうございます!
そこに「フローリスト 花だより」店長にして「プララ杉田専門店会」会長の佐藤祐治(さとう・ゆうじ)さんが登場。
親子2代で専門店会会長を務める佐藤さんは、現在会長としては5代目。ビル創設時はお父様が活躍されたという。
「プララ杉田専門店会」会長・佐藤祐治(さとう・ゆうじ)さん
「ここプララ杉田が、横浜市における再開発事業の第1号なんだそうです。私の父が、2核1軸構想という考えを持っていてプララと新杉田のらびすたを2核とし杉田商店街を1軸とした再開発を進めたのがきっかけでした」
プララ杉田とらびすた新杉田が商店街でつながっている
2つのビルを杉田商店街でつなぐという先を見越した構想だったんですね。商店街としての特徴は?
駅ビルなのが大きな特色、と佐藤さん
「天候が悪くても雨に濡れずにお買い物ができること。あと、うちはお年寄りと子どもを大事にする商店街なんですよ。杉田は年配の方が多いのですが、高齢の方は家での会話が減りがちで、買い物のため外に出た時がおしゃべりのチャンス」
「だから専門店会はお客様との対話を大事にした商売を心がけています。また、近所に幼稚園や小中学校がありますが、イベントを通して地元の子どもたちとの交流に努めています」
毎年パティオ広場で開催するクリスマスイベントでは、杉田幼児園の園児らによる合唱や、杉田小学校のマーチングバンドと合唱クラブが出演。
杉田幼稚園・園児らの合唱(クリスマス)
夏まつりイベントはさらに盛大で、杉田小学校、浜中学校、小田中学校、氷取沢高校、横浜高校などが出演してきた。
さらに「プララ杉田専門店会」は、そうした近隣小中学校の「社会科見学・勤労体験学習」の受け入れ先にもなっている。
小学生記者たちの取材による壁新聞
幼稚園、小学校、中学校と足かけ何年もイベントに出演、勤労学習などに参加して「プララ杉田」に親しみながら成長する子どもたち。その子らや孫らの晴れ姿を見に親やおじいちゃんおばあちゃんがやってきて、お買い物もしていく。
なんて素敵な仕組みだろう!
さらに「大日本プロレス主催の商店街プロレスも開催しました。ファミリーはもちろん、若い人にも人気ですよ。遠くから見に来てくださる方もいるので、この日だけは客層ががらりと変わります」と佐藤さん。
大日本プロレスの皆さんと。中央右に佐藤会長
「こうしたイベントを通して地域の方に楽しんでいただきながら商売できるというのが、小売業ならではですね」
お話から「プララ杉田専門店会」がイベントを通して積極的なコミュニケーションを仕掛ける地域密着型商店街であり、子どもの成長とお年寄りを見守りながら商う人情商店街であることが判明。
ありがとうございました!
佐藤会長と夫人の裕美さん
などとお話を伺っている最中に「フローリスト花だより」の前を店を閉めて休憩に入った「満州軒」の店主・尾山さんが通り過ぎようとするところに声をかけ、そのまま2階の店舗でお話を伺うことに。危なかった、セーフ。