関内の「お客様参加型」フォーク酒場「マークⅡ」に突撃!
ココがキニナル!
関内の“お客様参加型”フォーク酒場「マークⅡ」がキニナル。(羽後人さん、moonさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
フォークソングという共通の趣味さえあれば至福の時間を共有できる空間。楽器が一切できなくても、飛び込みでステージで歌うことも可能
ライター:秋山 千花
途切れることない歌声
けんさんから話を聞いている間にも、ステージ上では途切れることなく次々に熱唱が繰り広げられている。
歌われる曲も、定番ソングからフォークファンならではの隠れ名曲まで様さまざまだ。
ユーミンの曲を歌うのは、常連の瀬口さんとゆかさん
フォークソングという共通の趣味を持つ来店者たち。だからこそ、そこには共通の言語があり、共有できる至福の時が流れている。
ステージ上でセッションする面々も、テーブル席でフォーク話をくり広げるお父様方も、みなここで知り合った人ばかりだという。
長椅子だから、隣り合わせになった人同士がすぐに話しかけられるのも親しみやすさのポイントだろう。
長椅子に座った筆者も気づけば常連客の仲間入り
時にはマスターが参加してバンド形式で演奏することも
「フォーク酒場」のマスターには、過去に本格的な音楽活動をしていたという人も多いというが、マークⅡのマスターであるけんさんは「学生のころから好きでやっていたというレベル」と、あくまでも控えめ。
「実は脱サラなんですよ」と語るけんさん。自身も数年前までは海老名市の会社に勤め、休日に東京・荻窪の老舗フォーク酒場「落陽」(現在は新橋に移転)を訪れるお客のひとりだったという。
脱サラを決めたのは、奥様を亡くし、仕事について生き方について考えた時に、もっと大切な仲間や家族たちと過ごせる時間がほしいと考えたからなのだとか。
店名の「マークⅡ」は、吉田拓郎の曲名から
お店のオープンは2009(平成21)年8月。最初は別のビルの地下で営業を始めたが、その2年後の東日本大震災によって、ビルが倒壊の危機に陥ったため、現在の場所へと移転した。
オープン当時を振り返り、けんさんは「ひとりではできなかった」としみじみと語る。
ハローワーク通いをしていたけんさんに声をかけたオーナーの田村さんは、「好きなようにやったらいい」とけんさんに全てを託したという。
海外赴任先からたまたま夏休みで帰国していた田村さん(一番右)
マスターのけんさんと証券会社に勤めるオーナーの田村さんとの出会いもまた、荻窪のフォーク酒場だったという。
さぞかし親しい間柄かと想像するが、意外なことに当時は「店で会って話をする程度の仲」だったとのこと。
それでも田村さんは、「けんさんを見れば安心して任せられるのが分かるでしょ」と見た目にも誠実さに溢れるけんさんを全面的に信頼したらしい。
出会いとは、ホントに不思議なものだ。