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【横浜の名建築】近代建築の父レーモンド設計 エリスマン邸

ココがキニナル!

横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第8回は、外人墓地の隣にあるエリスマン邸。シンプルでモダンなこの建物には、日本を深く愛した3人の外国人の思いが詰まっていた。

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ライター:吉澤 由美子

日本を愛したレーモンド夫妻



エリスマン邸の設計者レーモンドの夫人は、家具や室内意匠、テキスタイル(織物や生地)などのデザイナー、ノエミ・ペルネッサン。

60年以上に渡って公私を共にしたパートナーとなるふたりが巡り合ったのは、第1次世界大戦直前の混乱した欧州から逃れるための最後の渡米船だった。

アメリカに上陸したふたりは結婚。
ノエミが友人を通じてライトと親交があったことから、レーモンドは来日時の助手として雇われることになる。

日本に来た夫妻は、「こんなに自然と融合した暮らし方があるのか」と感銘を受け、モダンで使い勝手のいい簡素なデザインに日本の伝統美を融合させた独自のスタイルを確立。
 


シンプルなデザインと色使いは、和に通じている


エリスマン邸は、ライトの影響と共に、日本の自然や風土に根差した実用性とシンプルさといったレーモンドのスタイルを見ることができる。



レーモンドの5原則「自然、単純、直裁、正直、経済的」を具現化したデザイン



木立に囲まれたエリスマン邸の姿は、煙突、ベランダ、屋根窓、上げ下げ窓、鎧戸といった一般的な洋館の要素を持ちながら、深い庇や、それが醸し出す水平ラインの強調など、直線的でモダンなデザインにライトの影響があり、独自の存在感を放っている。

スレート葺きの屋根には、四方にドーマウィンドウ(屋根窓)があり、煙突とともにアクセントを加えている。
 


2階から玄関屋根を見下ろす。窓枠は室内から見ると焦げ茶だが、外側は白


外壁の壁は、2階部分が横方向の下見板張り、1回部分は縦方向の堅羽目板張りで、ニュアンスの違う仕上がり。
中に入ってすぐの廊下の天井近くには、明り取りの横長の窓。部屋の中の窓も、上げ下げ窓のサイズがかなり大きい。
 


暖炉が主役の応接間。置いてある家具もレーモンドがデザインしたものを復元

 

暖炉自体や上部の灯りはモダンなデザイン。明り取り窓もシンプルで繊細なグリルがはまっている


ダイニングの隣にはサンルームがあり、こちらも光にあふれた空間だ。
 


ダイニングの家具もレーモンド作。端にある薬箪笥(たんす)はこの邸宅に似合うと移築後に寄贈された品
 

8枚あるサンルームの扉すべてに違う鍵がついているため、開け閉めは一苦労だとか
 

ガラスのノブはライトから引き継いだ特長。建物の開口部にはすべて青緑色の鎧戸がついている