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相鉄線二俣川駅南口再開発の計画変更の詳細と今後は?

ココがキニナル!

二俣川駅南口の再開発計画が、資材費の高騰により規模が縮小されるの?計画の変更内容や今後のスケジュールが気になる。(yoshihiroさん/そうてつボーイさん/Picanhaさん他)

はまれぽ調査結果!

再開発では、駅前広場を整備し、高層住宅や商業施設や公益施設を含めた複合的な建築物を作る予定。資材費などの経費を抑えるため計画を縮小した。

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ライター:小方 サダオ

二俣川駅南口で開始された再開発事業(つづき)

そこで地元の人たちに再開発について話を伺うことにした。

駅前にある不動産関連の店員に伺うと「4ヶ月ほど前からトンネル工事など、事業が進み始めました。二俣川駅は急行が止まる駅で、鶴ヶ峰や左近山方面からのバスが乗り入れる大きいターミナル駅です。そのために利用者は多く、駅前が整備される必要性はあると思います」

 

変更後のバスの乗車場
 

工事中の問題点に関して伺うと「乗客のためのバス停が道路の端で行うようになる、というのは、駅から少し距離がありますし、利用客にとって不便なのではないでしょうか? また車の渋滞もひどくなりそうです。臨時的とはいえ、数年間はこのような状態で利用することになるようです」

「また現在工事中のエリ アの前に構えている店は、お店の前に壁が作られるため、営業がやりづらいそうです」

 

駅前で営業するお店の看板
 

フェンスとの間の狭い通路の先に、話を伺った営 業中のお店がある
 

「再開発に関しては、オフィスやマンションなどの施設が建つということですが、以前から問題であった、南口と北口の行き来をしやすくするという問題をぜひ解消してほしいです。またタワーマンションが建設される場合、影が北口側に出来るため、苦情が出そうですね」

「ところで、商業施設のグリーン・グリーンは2014(平成26)年9月の末に立ち退きましたが、借家人は取り壊しの際に、壊すにもかかわらず、明け渡しの原状復帰回復費を払わされたそうで、不満を漏らしている人がいました」と答えてくれた。

 

フェンスの先にあるお店
 

続いて、道路工事の現場の前で営業する飲食店の従業員に伺うと「壁が出来ると、周りから見えづらいため、お店の前が関係ない人たちのたまり場のようになってしまいそうで、不安です」と答えてくれた。

数年続く工事の間中この状態だとすると、店舗側にとっては深刻な問題といえよう。

駅前の上り坂の道沿いには商店が並び、頂上付近には万騎が原中央商店街がある。

 

万騎が原中央商店街
 

周辺は住宅地になっている
  

万騎が原中央商店街(青矢印)(Googlemapより )
 

ある議員の事務所の事務員 に伺うと「二俣川にも、鶴ヶ峰の再開発の際に出来た市民が利用できる施設を作ってほしいという要望がありました。それを再開発事業の関係者 にお伝えしたところ、市民活動支援センターのような施設が出来るそうです。しかしタワーマンションが出来ると、鶴ヶ峰のように、電波障害に対処しないといけなくなりそうですね」

「二俣川は、以前は横浜市が策定した『副都心構想(1994<平成6>年の「ゆめはま2010プラン」で指定された、都市拠点)』の一つに位置付けられていました。特別集客力のある商業施設が出来ればよいですが、それが期待できないため、マンション建設が再開発のメインになるのではないでしょうか?」と答えてくれた。

 

南口の南西側にある、マンションの建設現場
 

計画道路とマンションの建設現場のすぐ近くに住む、旧家の女性に伺うと「私の父の代からここに住んでいますから、70年くらいになります。現在マンション建設を行っている場所は、30年前にすでに住宅が立ち退いていて、長い間更地になっていた場所でした。そこを立ち退いた住人たちは、南万騎が原などの相鉄の高級住宅地に優先的に入れたことから、このあたりの開発は相鉄が中心になっている計画だと思います」

「以前の再開発計画があった時は『ホテルを建設する』といった計画がありましたが、バブル崩壊の影響で遅れてしまったのです。そのため一旦ゼロになり、今回は400世帯のマンションになりました」

「またこの再開発の影響かもしれませんが、以前もあった地下鉄建設の話が再び浮上し、その署名が回ってきました。新横浜・二俣川・東戸塚に停車する予定のようです」

 

道路のトンネル工事の入り口付近
 

「今回の再開発では影響はありませんでしたが、私の家の前は道路工事が多く、よく家を移転させられました」と答えてくれた。

 

万騎が原団地
 

万騎が原中央商店街にある生活用品の専門店 の店主は「周辺の住宅地の住人が高齢化しているため、マンションが出来ると新しい住人が入ってきて、良いと思います。駅前もきれいに使いやすくなるため、期待しています」と答えてくれた。

 

道路のトンネル工事現場
 

相鉄線希望ヶ丘駅の近くの、ある議員の事務所の事務員は「本来は、道路と駅前の開発は同時に行われる予定でしたが、道路の用地取得が少し遅れているようです。桃源台 から先の用地取得が終わっていません」と答えてくれた。

 

桃源台付近(Googlemapより )
 

計画の変更に関して伺うと「マンションのとなりの商業施設の階数を落としたことはあったようです。高齢者が多い旭区の、13ヶ所目のケア施設が出来ることになります」と答えてくれた。

 

閉店した商業施設のグリーングリーン
 

続いて、前出のグリーンクグリーンの原状復帰の件に関して、事情を知る人に伺うことにした。

二俣川の隣町でお店を経営する店主は「閉店時の原状復帰の費用は、すべての店舗が払わされました。次の新しい施設に入居する時にもめたくないため、仕方がなく払った店舗も多かったです」。

「床、壁紙、配管などを以前のように戻すのですが、取り壊すのならば払う必要はない、と主張したのです。しかし契約書に書かれているといわれ、会社の事務員の中には仲が良い人もいたため、彼らに嫌な思いをさせたくなかったこともあり、分割で払いました」

「グリーングリーンは、店舗同士の結束は強く、また家賃は高かったですが、その分メンテナンスも行き届いていて、定期的に改装も行っていました。 清掃もよくされていて、トイレや床もきれいでした。40年以上は経つ建物でしたが、設備の古さは感じさせませんでした」

 

従業員同士の盛大にお別れパーティーが開かれたという
 

「グリーングリーンでは年間5日ほどしか休みがなく、大変でした。何らかの理由で開店ができなかったりすると、始末書を書かされたりする厳しさでした。しかし空き店舗が出ることはありましたが、すぐに次の店舗を入れて埋めていて、経営の仕方が上手でした」

「お別れパーティーでは従業員100人たちが出席する盛大なものでした。私も30年以上あの店舗にいましたが、『原状復帰』の件さえなければ、良い思い出しかありません」と答えてくれた。

ところで、工事が進む二俣川南口駅前にポツンと1軒だけ残るお店がある。

 

道路建設予定地に残るお店がある
 

その事情について、お店 の人に話を伺うと「ここは今回の再開発に伴う道路建設で、下に計画道路のトンネルが通るため、上に店舗は建てられず、立ち退かなければならない場所なんだ。ほかの店は立ち退いて今はうちだけだよ。しかしこの店は、私の母の代から50年、前の道を牛車が通っていたようなころからここで営業してきたもので、道路建設の話が来たのはその後で、今から30年くらい前だよ」

「また道路局のやり方が問題で、地上げ屋のように立ち退きを迫ってくる。丁寧な言い方だけれど『壊しますよ』などと脅し、『強制撤去になると補償金は出ませんよ』と言って来るんだよ」

 

鴨居上飯田線の建設予定地の付近
 

「この店がなくなれば道路の整備がやりやすいことは承知しているよ。私はごねてここで営業しているのではなく、道路局側の移転する代わりの営業補償が微々たるもののため、仕方がなく生活をつなぐために営業しているんだよ」

「地下のトンネル工事がこの真下に至るギリギリまで営業を許されているんだ。どこにも代替地はないし、この店がなくなったら私の生活は終わりだよ」と答えてくれた。

再開発に伴う負担を強いられた人の声が心に残った。