元石川町の周辺住民の思いとは？

まずは元石川町に向かった。

　

元石川町（青矢印）


元石川町（青矢印）と荏子田（緑矢印）が結ばれる予定だ（同）

　
元石川町のある地主に伺うと「このあたりの道路予定地は4分の1ほどが私たちの土地です。恩元線は国道246号線のバイパス的な役割になる予定です。山までの道は市街化調整区域（市街化を抑制する区域）なので、開発しやすいように市街化区域にする話も出ています」
　

この建物の手前を山に向かって道路が通るという

　
「元石川の人たちは道路建設に賛成で、早く作ってほしいのですが、市に予算がないようです。荏子田から先に完成された道路がありますが、地主を中心とした区画整理の組合の人たちが土地を出し合い作ったもので、市が作ったものではありません。その先の病院や桐蔭学園のあたりが未整備ですが、反対する人がいるのではないでしょうか？」
　

荏子田（青矢印）から病院（緑矢印）の区間のうち整備された道路は区画整理で出来たものだ

　
「特に恩田は恩元線の始まりの地点なので、そこで反対があると、先が進まない。そのため、終点の元石川も変わらないのです」という。

　

駐車場のとなりの道路用地

　
「住民参加の道路づくり」に関して伺うと「高秀元市長の時に、市長があざみ野に住んでいたこともあり、力を注いだのでしょう。私も参加しましたが、2～3回で懲りました。地主など地元民の意見を重視してくれるのなら分かりますが、最近引っ越してきた人が『道路が出来るとうるさくなるからやめてほしい』などと主張するのです」

「そのような人の意見を聞いていたら解決するわけがありません。計画が決定するまでは何回も説明会などを行いましたが、2003（平成15）年の都市計画決定後は音沙汰がありません」とのことだった。

また道路予定地の近くに住む男性は「駐車場のとなりの道路用地をさらに広げ、幅22メートルの広い道路が出来ます。恩元線は、うちの敷地にも引っかかります」と答えてくれた。

　

幅22メートルの道路が出来るという

　
続いて荏子田の周辺住民に話を伺うことにした。

荏子田から上麻生線までの住民はどう思っているのか

　

荏子田（緑矢印）から横浜上麻生線（赤矢印）が結ばれる


元石川と荏子田とを結ぶ地点

　
恩元線の近くの会社に勤める男性に伺うと「恩元線の道路建設は子どもたちが通学路に使うため、PTAの人たちが反対しました。しかし、歩道の幅を広げた道路とすることで合意したそうです」という。

　

幅の広い道路が続く

　
中央分離帯のある幅の広い道路を西に進み、横浜総合病院のあたりから先は曲がりくねった細い道路になっている。前出の男性の言うように、反対があるから整備されていないのだろうか。

　

横浜総合病院（青矢印）のあたりと横浜上麻生線（赤矢印）


横浜総合病院（青矢印）のあたりと横浜上麻生線（赤線）がつながる予定だ（同）


横浜総合病院のあたりで片側1車線（青矢印）になる


横浜総合病院近くの中央分離帯がある道路


横浜総合病院を過ぎると狭くなる

　
病院の近くに住む男性に伺うと「道路が出来ないのは市の予算がないからです。このあたりの人たちは反対意見など少なく、早く出来てほしいと思っていますよ。高秀市長の時に話が進んだのですが、亡くなって次の中田市長が経費削減などを行い、道路建設のお金が回りづらくなったのでしょう」とのこと。

先に進むと1車線の細い道路は曲がりくねって続いている。

　

湾曲した狭い道路が続く

　
少し先に桐蔭学園が建つ。歩道が狭いため生徒にとっては歩くのに不便な道路といえるかもしれない。

　

桐蔭学園


歩道のない道路が続く

　
そしてさらに西へ向かうと、横浜上麻生道路に出た。先ほどの病院のあたりからここまでが開通する予定の区間だ。

　

横浜上麻生道路


病院（青）あたりから上麻生道路（赤）までつながる。現在利用されている狭い道路（緑）

　
近くに住む地主のS・Sさんに伺うと「このあたりの地主は反対などしていません。むしろ完成を切望し、長年努力をしてきました」

　

上麻生道路近くの鉄小学校の隣りを恩元線が通る


鉄小学校の近くの道路用地


恩元線と合流するあたり

　
「しかし横浜総合病院や桐蔭学園などが市に意見書を出した結果、安全のために効果があり、早期完成の必要があると認められ、市が2016（平成28）年3月に公表した『都市計画道路の優先整備路線』に、『2020年度までの事業着手を目標とする路線』と位置付けてくれました。しかし上麻生道路までで、その先は土地の買収が進んでおらず未定と言っています」とのこと。

　

上麻生道路から先は谷本川と交差する

　
「住民参加の道路づくり」について伺うと「私は当時連合会長をやっていましたが、会は意味があったと思います。『住民がいい道といい街づくりをする』との思いで活動をしていました。高秀市長は計画が決定してまもなく亡くなってしまいましたが、生きていれば一気に進んだ可能性はありました。また、さらに西側の工事が進んでいない区間は、山の所有者が反対していて、全体が遅くなっているのです」とコメントしてくれた。
　
　
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