3000匹のサンマが振舞われた「南部市場まつり」の様子は?
ココがキニナル!
南部市場で行われた復興支援イベント「南部市場まつり2011」はどんな様子だったんですか?
はまれぽ調査結果!
サンマ3000匹が振る舞われ大盛況!南部市場のスタッフ、宮城から来たスタッフ、ボランティアの方が一致団結して盛り上がりを作っていた。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
被災した高校生がフルートを演奏
メインステージでは、組太鼓やバンド演奏などが行われ、客席からは拍手が飛び交っていた。
フルート演奏では皆手を振って盛り上がった
特に注目だったのが、SDCハートのメンバーによるフルート演奏。SDCハートは、神奈川に避難中の被災者とその支援者で作る団体で、震災で神奈川県に転入してきた中高校生を対象にコミュニケーション支援や学習支援、生活支援、情報提供など専門公共関係機関と連携しサポートしている。
実際に避難している中高生のメンバーがステージやブースを盛り上げていた。
フルート演奏をしてくれた4人(一番左がリーダーの鎌田千里さん)
槇原敬之さんの『遠く遠く』の演奏では客席から涙を誘うだけでなく、ご自身も涙してしまった高校生の鎌田さん。最後は明るい挨拶で締めくくり、「前を向いて頑張ります!」と元気に答えてくれた。
この笑顔が戻るまでには相当な苦労があったことだろう。しかし、これから大人になろうとする高校生が明るく元気であることは皆を勇気付けたと思う。
面白い仕掛けがあるお祭り
物販では、宮城県産の特産物や新鮮な海鮮丼などが人気を集めていた。
気仙沼の㈱阿部長商店からフカヒレスープの販売に来ていた小野寺さんたち
岩手の地酒「南部美人」を販売する松崎さん
県の福祉団体が販売していたシラス丼
売っている食べ物は無数にあるので、全部は食べられないが、シラス丼は本当に新鮮で美味しかった。カップに入っているだけの簡易なものだが、意外にシラスの量が多く満腹に…。
しかし、こうした一般の物販以外に会場内には様々な仕掛けがある。
JAMSTEC横浜研究所の理科の実験ブース
子供をはじめ、大人も引き込まれていたのがJAMSTEC横浜研究所のブース。JAMSTECとは海洋研究を行う独立行政法人で、横浜では金沢区に研究所がある。
深海での空気圧の変化などをカップ麺を使って分かりやすく解説しており、多くの人が耳を傾けていた。
ジャンケンで値段を決めていたお店も
また、1400円のタコをジャンケンに勝てば1000円になるということで、お客とスタッフがジャンケンをしている姿もあった。ジャンケンに勝った緑のカーディガンの女性は「良かったです。家が並木で近いのでお友達と来てみました、いっぱい買っちゃって食べるのが大変です」と話す。
さらに11時になると、お客さんが体験できるセリが始まった。
実際のセリを説明する様子
まず係の人が実際のセリの様子を紹介してくれるが、これが相当難しい。指や手の動きで値段を表しているそうだが、動きが素早すぎて素人には読み取れない。
説明がなければ何をやっているのかさえ分からないだろう。
そしてセリが始まった
実際通りにはいかないので、口頭で金額を言いながらセリを進めて行く。魚の詰め合わせということだが、如何せん相場がどのくらいか分からず、私はただ呆然と見ているしかなかった。
セリが始まり、最初に落札した女性
魚の詰め合わせを4000円で競り落とした女性は、「ちょっと高いのかな?どうだろう?でもセリをする機会なんて無く面白いから良かったです」と話していた。
魚を見てさわるコーナーというのもあった、水族館のようだ…
ただ、物販を販売するだけでなく、ステージショーがあったり、企画が行われているので長い間いても飽きない。子供も大人も楽しめるイベントの仕掛けとしては大成功ではないだろうか、非常に盛り上がっていた。
さいごに
支援物資を受け付けるボランティアスタッフの方々
イベントでは支援物資として電気ストープと衣類を集めていた。この日だけで10台以上のストーブが集まっており、帰りの漁船に載せて被災地まで運ぶそうだ。
被災地支援のTシャツが輝いている!
イベントは一過性のものかもしれないし、被災地には今も悲痛な思いをして暮らしている人も数多くいる。ただ、立ち上がろう、応援しようという気持ちがこうしたお祭りという形で実現するのは非常に素晴らしいと思う。
震災のこと、それ以降のことを皆で乗り切ろうと団結力を感じることができるからだ。
復興はこれから延々と続くことになる。小さな一歩かもしれないが、女川・気仙沼の方へのエールになったことは間違いない。
― 終わり ―
※10月23日(日)のイベントの様子は以下のURLから見ることができます。
【イベントフォト】「南部市場まつり2011」に訪れた人達