横浜から世界のなでしこジャパンも誕生? 横浜にある大学サッカーの事情を教えて!
ココがキニナル!
マリノス、横浜FC、YSCCと来年からJリーグのチームが増えますが、横浜の大学サッカー事情はどうなってるんですか?(yumaryoさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜市内の大学の男子サッカーは6校が活動しているが、二極化が進んでいる。女子サッカーでは3校が活躍し日本体育大学は全国制覇も達成。
ライター:三輪 大輔
日体大女子サッカー部の練習に参加
2014(平成26)年度の「関東大学女子サッカーリーグ」で優勝し、その後「全日本大学女子サッカー選手権」で、大阪体育大学を破り、2年ぶり16度目の全国優勝を果たした日本体育大学女子サッカー部。
大学日本一になったということで、日本体育大学女子サッカー部の練習がどのようなものかを見学させてもらうことにした。「日本一の練習に参加じゃ」と、取材の数日前から大興奮しっぱなしの殿(編集部・小島)のためジャージも持参。
はまれぽで日本一を目指す殿に私の勇士を見てもらって、ともに全国統一を目指したい。そこで「あわよくば練習に参加して、実力を認めてもらおう」という期待を込めて、準備万端で練習開始を待った。
勝負着のジャージに着替えて準備万端
ホワイトボードには、この日の練習メニューが書かれている
この日、実は午前7時から2時間ほど走り込みなどの練習を行っていたそうだ。そのため午後の練習は、実戦形式に近い内容となる。具体的には、ウオーミングアップの後、4対2のパス練習と2タッチゲームを行い、クールダウンとなるという。
選手に使われるのを待つ4色のビブス
満タンに補充されているスポーツボトル
練習前に円陣となって集合した後、まずは2人1組となりヘディングでのパス練習から始まった。どの選手も絶妙なコントロールで、ヘディングだけのボールのやり取りをしていく。
胸でのトラップなどはせずに、頭だけでボールが交換されていく
しばらくパス交換が続いた後、今度は互いに両手を握りあった状態になった。そして、そのままヘディングを行い、互いにボールを繋いでいく。バランスがとりづらい状態でも、絶妙なコントロールでパス交換がされている。
手を取り合った状態でのパス交換
そして最後は、ヘディングでパスを出した後に一回転し、またボールを受けるというハイレベルな内容だ。試合中は相手との競り合いなどもあるため、ベストな体制でボールを受けられるとは限らない。どんな状態でも、しっかりとボールコントロールができるように、各選手が熱心に取り組んでいた。
パスを出した後、すぐに体を回転させて、次のボールに備える
ヘディングでのパス交換の後、足を使ったパス練習を行い、練習は次の内容に突入。メニューは、2人1組となって向かい合った間に置かれた1つのボールを奪い合うというもの。足先だけでボールをキープし、バランスを崩してボールから足を離した方が負けとなる。
まずは2人1組となり向かい合って合図を待つ
足先だけでボールをキープし球際の強さを競い合う
こうした練習内容を終えた後、4対2でのボール回しの練習となった。ディフェンス役の2人にボールを取られないように、4人でパスを回していく内容だ。より実践に近い練習内容となり、選手の目つきもだんだんと真剣味が増していく。
2人でプレスをかけてボールを奪いにいく
当たりにいく様子も真剣だ
練習の様子を見守る監督の矢野さん
そして、いよいよ練習は本番形式の練習に入っていく。2チームに分かれコートの半分を使って、左右にそれぞれ2つずつ置いたミニゴールにシュートを決めていく練習だ。試合のようにボールを奪いあって、互いにゴールに向かっていく姿は血気迫るものがある。
まるで試合のような熱心さで選手たちが練習に励む
プレスも先ほどまでよりも更に激しくなる
江口さんの指導にも熱が入る
各チームがインターバルの間に真剣に話し合う
コートを半分しか使用しないため、パスコースが限られる状況となる。しかし、常に周囲を観察しながらプレーをしているためか、次々とパスが回りシュートにまで繋がる場面も多々見受けられた。この練習を何セットか繰り返し行った後、クールダウンとなり、この日の練習は終了した。
グラウンドを2周しストレッチを行い練習は終了
一方、筆者も見学をしながら、ウオームアップはしていた。しかしである。こんな激しい練習についていけるはずはない。中学校は帰宅部で高校は吹奏楽部だ。培ってきた運動能力はゼロに等しい。そこで一人静かに、ジャージを脱ぎクールダウンを行って、見学は終了した。
壁になる準備なら、できていた・・・
一人静かに失意のクールダウン
ピッチの中では真剣そのものの選手たちも、ひとたびピッチの外に出たら、普通の女子大生になる。最後に、選手の集合写真を撮影する時、こんな一幕があった。
「ちょっと誰かに似ているよね?」というヒソヒソ話が伝染していき、ひときわ殿(編集部・小島)に注目が集まった。そう、誰が見ても殿は織田●成にそっくりなのである。こうした効果もあり、集合写真の撮影は無事に終了したが、殿の偉大さに改めて感服するとともに、女子大生特有の元気の良さもうかがい知ることができた。
みなさん、練習お疲れさまでした!
矢野さん、ご協力ありがとうございました!
日本一の女子サッカーチームを目指し頑張ってください! 引き続き、はまれぽ一同、応援しています。
取材を終えて
男子と女子で状況は違うものの大学サッカーを見ることで、未来の日本サッカー界の行く末を見ることができた。サッカーに打ち込んだ先にあるものが、プロの世界でも社会人として働く世界であったとしても、決してその経験は無駄にはならないのだ。
各世代のサッカーのカテゴリーでトップを走るチームが存在する横浜市。そこに更に大学サッカーの多様なあり方を提示することができれば、日本サッカーの新しい姿を作り出す一翼を担っていくことになるのだろう。
―終わり―