相鉄星川駅~天王町駅、全線高架化記念「星天レールウォーク」で線路を歩いてみた!
ココがキニナル!
横浜最後のフロンティア?相鉄星川駅と天王町駅間の高架化が完成。「星天レールウォークイベント」を開催するそうです。旧線路を歩けるようですが抽選制で外れた場合に備えてレポお願いします(たこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
これまで相鉄で使われていた約300メートルの線路を歩いてみると、想像以上に歩きにくい。敷き詰められた石は電車の衝撃吸収のクッションとして役立ち、参加者は感触を楽しんでいた。
ライター:若林健矢
やった!ついに完成した!
2002(平成14)年から始まった相鉄線の天王町駅~星川駅間の高架化工事が完了!2018(平成30)年11月24日から高架線を走るようになったのだ。
相模鉄道株式会社は12月8日、その記念として「星天レールウォークイベント」を開催。これまで使っていた地上の線路を歩かせてくれるという。線路を歩ける機会はそうそうないと踏んだ、はまれぽ鉄道ライター若林は、イベントに参加することにした。
取材で参加できて良かった!イベントは抽選当選者のみ参加可
今まで電車が走っていた、天王町駅~星川駅の間約300メートルの線路を歩けるという滅多にないチャンスという事で、このイベントの参加者は800人。事前にはがきで応募した当選者のみ参加できる。キニナル投稿をくれた、たこさんは当選できただろうか・・・。
また線路を歩くだけでなく、会場内にはこれまでの工事の紹介をはじめとする展示も行われるようだ。取材の身とはいえワクワクしてきた。
過去と未来をパネルとジオラマで学ぶ
受付を済ませると、高架化事業の進行の様子がパネルで紹介されていて、高架化前の風景や、起工式のハサミ入れの瞬間など、懐かしい風景や記念すべき一瞬も残されていた。
この事業が起工したのは2002年。当時わたしはまだ小学1年生だった。
2002年に連続立体交差事業の起工式が行われた
下り線の工事から行われ、順調に進んでいる模様も展示されていた
なぜ高架化が行われたのか。一番の理由は「交通渋滞の解消」だ。事業が始まる前の1999(平成11)年に相模鉄道が行った調査によると、この区間にあった踏切遮断時間の最長値を平均してみたところ、約49分にもなったそうだ。つまり、1時間のうち49分は踏切が閉まりっぱなし!まさに開かずの踏切状態だ。
そこで、2002年より横浜市の都市計画事業として、交通の円滑化や安全性を高めることを目的に連続立体交差事業(高架化工事)が行われることになったという。
高架化前と高架化後では、こんなに違う!
更にジオラマで、高架化前と後の風景を再現。ヨコハマネイビーブルーの9000系がパネルで分けられた高架化前と高架化後の2つの街並みを走り抜ける。懐かしい街並みを最新カラーの電車が走る・・・現実にはあり得ない模型ならではの魅力で、参加者の注目を集めていた。
立体交差完成前の風景をジオラマで再現!
電車が完成前の街並みのトンネルを抜ければ、完成後の街並み
線路を人間が歩く!いよいよレールウォークの始まり
午前10時。スタッフの指示に従い、参加者が順番にかつて使われていた地上のレールへ向かう。旧線を隅々まで見学したり、写真を撮ったりと思い思いに歩みを進めて行く。
いよいよレールウォークの始まり!
動きやすい服装で参加しているとはいえ、皆さん歩きにくそう・・・。
その理由は、線路に敷き詰められているこのバラスト(砕石)だ。バラストは電車が通過する時にクッションの役割をしてくれるのだが、電車にはやさしくても人間にはやさしくない(笑)!硬くゴツゴツした石で非常に歩きにくいのだ。わたしも何度かコケそうになった。
見た目のとおり、ゴツゴツしていて歩きにくい
上の線路を電車が走り、下の線路を人間が歩く!
線路を歩くだけで様々な発見が!
普段何気なく電車に乗っていると気付かないが、歩きながら線路をじっくり見ていると、たくさんの発見がある。車輪が通るレールの内側に、もう一本、レールのようなものがあることを知っている人はいるだろうか。これは「脱線防止ガード」だ。
レールの間に設けられたガードが、カーブの安全性を高めてくれる
カーブでは遠心力が働き脱線する危険性がある。そこで、輪が通るレールとは別に、ガードを敷き、内側から車輪を押さえつけ、脱線を防止する。これは相鉄線だけではなく各鉄道会社の線路にも、設けられているものだ
詳しい説明があり、勉強になる!
また、電車に乗っていると「タタンタタン」というあの独特の音が聞こえてくる。これは皆さんもご存知のとおりと思うが、あの音の秘密が、レールの継ぎ目にあるのだ。
わずかな隙間が「タタンタタン!」の音を生む
レールとレールの間にわずかな隙間が空いているため、ここを車輪が通過すると、あの「タタンタタン」という音が鳴る。
ふむふむ、継目一つにも解説がある
この継ぎ目はレールへのダメージの原因になるので、近年は1本の長さが200メートル以上にもなる「ロングレール」を採用し、継ぎ目を少なくしている路線もあるようだ。
まだ撤去されていない信号機も残っていた。五色の信号で運転士に細かい指示を出せたようだが、高架化が完成した今、もうこの信号機に光は灯らない。便利になる反面、ちょっとだけ名残惜しい気持ちにもなる。
名残惜しいが、地上線の信号機はもう光らない・・・
実にレア!軌陸車展示
線路の出口付近まで来ると、何やら自動車が線路に乗っているのを発見!あれ、ちょっと待てよ?ここ鉄道だぞ!そんなのアリなのか!?
えぇーっ!!自動車が線路に乗り上げてるぅ!?
そんなの、アリなのだよ!
これは「軌陸車(きりくしゃ)」という車。終電から始発までの夜間に、作業員が屋根上の作業台に上ってトロリー線(電車が電気を取り入れるための金属線)の点検や交換などを行っている。普段は自動車として道路上を走っているのだが、タイヤの内側に鉄道用の車輪が装備されているので作業時は車輪を下ろして線路に入れるのだ。これを見る事ができるのは、かなりレア!
限られた時間内に効率よく作業を行うために使用されている