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都筑区の佐江戸町の名前は、江戸と関係ある?

ココがキニナル!

都筑区に佐江戸町という町があります。江戸という言葉が含まれていますが、どんな由来でつけられた地名なんでしょうか(こばこばさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

徳川家康が江戸に入る前から存在した地名で、地元には興味深い言い伝えが残っていた。本当の由来は、“道祖神のある処”という説が有力か。

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ライター:田中 大輔

今回のテーマは、都筑区佐江戸町のその名の由来。
横浜なのに名前に“江戸”と入っていて、いかにもなにか謂われがありそうな地名だ。
特徴的な名前なだけに、すんなり答えが見つかるかと思ったら……。

調べて見ると、いろいろな説が飛び交う不思議な場所。
本当に? と疑ってしまうような言い伝えから、なるほどとうなってしまう説までさまざまだ。
これらの説を、現地の様子とともにお伝えしよう。



鶴見川と中原街道の町



佐江戸町があるのは、JR横浜線の鴨居駅と中山駅の間で、距離的には鴨居駅の方が近い。
 


横浜線の鴨居駅。ここから歩いて10分ほどのところが佐江戸町


鴨居駅からは、鶴見川を渡り川沿いに中山駅方向に進んでいく。
基本的には住宅街だが、パナソニックの事業所をはじめ、いくつかの会社が置かれていたのが目に付いた。
 


堤防の上を川沿いに歩いていく
 

堤防から見た町の様子。住宅や小さな工場などがあった


目立つものと言えば、杉山神社と点在するいくつかのお寺、そして町内を通る中原街道といったところだ。



江戸の左にあったから!?



まずはとっかかりを求めて、都筑図書館へ。
 


センター南駅そばにある総合庁舎の中に都筑図書館がある


さっそく郷土史コーナーで資料を探してみると、「佐江戸誌」というそのものズバリな本を発見。
この本は、1982(昭和57)年3月に当時の町内会が中心となって作られた本で、佐江戸町の歴史についてもいろいろと書かれている。

その中には「佐江戸の地名」という項目があり、こう記されている。
“佐江戸は、もと西土と書いたが、徳川氏入国以来、左(ひだ)り江戸に当たるので、左江戸と書き、後に佐江戸となったと、古老の言い伝えがある”。
 


“左江戸”にいつからかニンベンが付けられた!?


あくまで言い伝えとしているが、江戸との位置関係を指す言葉として“左”が入り、やがて今の“佐”の字に変わったというのだ。

もとの西土については、ほかの文献に見つからなかったので、現町内会長である安部喜平さんにお話を伺ってみた。
安部さんによれば「佐江戸にはお城があって、その城主であった猿渡内匠助の苗字から来たのではと聞いたことがありますが、ハッキリとは分からないんです」とのこと。

猿渡が西土になったとなると、ちょっと苦しい感じもするが……。