横浜環状北線って、今どうなっているの?
ココがキニナル!
横浜環状北線の工事の進行具合と、完成後の時間短縮がキニナリます。また、工事にあたり環境への取り組みも教えてください。(ときさん/アイズさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
完成まであと約4年。将来は東名青葉と横浜港が20分でつながる。地上からはわかり辛いが、北線のシールドトンネルは半分以上が掘り終わっている!
ライター:吉岡 まちこ
全体の約7割が地下。ゆくゆくは青葉区から海へ一直線!
新羽や生麦、鶴見区馬場のあたりで、着々と工事が進んでいる様子が見られる「横浜環状北線」。
馬場の「埋蔵文化財の発掘調査って何が埋まってるの?」でもふれたが、まずそのルートをおさらいしよう。
ルートは、第三京浜「港北インターチェンジ」から首都高速横羽線「生麦ジャンクション」をつなぐ約8.2km。
東京へ縦に走る道路は複数あっても、横浜港に集まる放射状の道路が少ないため、新横浜方面から海に出るには一度南下して三ツ沢を経由することになる。
これを横浜の中心街を通らずに、港北区を横断してしまおうというものだ。
首都高速道路株式会社パンフレットより
試算によると、新横浜から羽田空港まで、三ツ沢線を利用するより約10分の時間短縮になるという。
総工費はなんと3387億円! 平成28年度内には開通の予定だ。
「横浜環状北線」の特徴は、なんといっても約7割が地下にもぐっていること。これだと家屋の移転が最少になり周辺環境もできるだけ保全できる。高速道路本線の両端がそれぞれ既存の高速道路につながる箇所だけ地上に現れる感じだ。
出口等の位置図と断面図(各出入口、換気所、ジャンクションの名称は仮称)図1
首都高速道路株式会社「横浜環状北線 きたせん」HPより転載
「横浜環状北線」開通後、将来的にはさらにもっと西へ、第三京浜・港北インターチェンジと東名高速道路の横浜青葉インターチェンジが「横浜環状北西線」でつながるという。
こちらは首都高速道路株式会社と横浜市道路局の共同事業で、全長の約6割が地下となる。
横浜港と東名が直結すれば、保土ケ谷バイパスの渋滞も解消し、各地へコンテナ輸送のアクセスが拡大し、横浜港の国際競争力もアップ。横浜市も潤うというもくろみだ。市民としても、青葉台から海へ一直線に20分なんて考えられなかったことだ。
シールドマシンの位置はHPでチェック!
キニナル投稿にあった地下の工事について話を聞くため、新子安の首都高速道路株式会社の神奈川建設局を訪ねた。
神奈川建設局内の建物。吹き抜けのガラス張りエレベータがきれいだった
取材には神奈川建設局の調査・環境課の中村さんと、建設管理課の石橋さんが応じてくださった。
全体の建設管理を担当する石橋さん(左)と、計画や調査を担当する中村さん
全長5.9kmという横浜市内では最も長くなる道路トンネルは、主にシールド工法という工事手法で掘られている。
先端に岩盤を削る刃(カッター)がついた巨大な筒状の機械が、土中に穴を掘りながら進むというものだ。さらに、掘ると同時に土をベルトコンベアで運び出し、トンネル内の外壁(セグメント)も同時に設置していってしまうという優れモノだ。
穴を掘り進めるシールドマシンは外回り線・内回り線に各1台ずつ。新横浜の横浜環状北線HPの「きたせんNOW」を見ると、いま地下のどの辺にマシンがあるのかがわかる。
月はじめに更新され、前月末の位置を示す。外回りのマシンが先行している
どちらも新横浜の日産スタジアムの対岸から2010年の年末にスタートし、2013年2月末の時点では馬場を過ぎ、西寺尾の丘公園あたりまで来ている。
マシンは1日10m進む能力があるそうだ。「だからと言って、10日で100mとは限りません」と石橋さん。その理由は、「機械のメンテナンス等をしながら掘り進んでいくため、シールドマシンを動かさない日もあるためです」とのこと。
実は筆者は、昨年3月に行われた首都高の広報誌で参加者を募集したトンネル工事見学会に個人的に参加していた。お二人から聞いた工法をその時の写真で確認してみよう。