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鶴見区の「ワッくん鶴見カルタ」でライター・秋山が子どもたちと真剣勝負!

ココがキニナル!

ワッくん鶴見カルタがキニナル。はまれぽ目線で特集して欲しいです。(jbさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ライター・秋山が子どもたちと真剣勝負!「ワッくん鶴見カルタ」は、鶴見区を愛する区民たちの想いから生まれた鶴見区の魅力あふれるカルタだった!

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ライター:秋山 千花

ワッくん鶴見カルタとは?



時代は変われども、今も変わらず子供たちに親しまれる遊びがある。カルタ遊びも伝統的な遊びの一つ。「いろはカルタ」や「百人一首」をはじめ、人気アニメや交通安全、食育などの普及を目的として作られたものなど、日本国内には様々なカルタが存在する。
では、今回キニナルの投稿にあった「ワッくん鶴見カルタ」とはいったいどんなものなのだろうか? そして今回は、「はまれぽ目線」ということで、カルタの紹介をするだけではなく、筆者自身が「ワッくん鶴見カルタ」で「ある人たち」にガチンコ勝負を挑む!

「ワッくん鶴見カルタ」というネーミングから、横浜市鶴見区のご当地カルタであろうことは、容易に想像できたのだが、ここでひとつの謎が浮上。「で? ワッくんって誰?」。そこでまずは「ワッくん」について調べてみる。
  


鶴見区のHP内「ワッくんの部屋」



どうやら「ワッくん」は、鶴見区のゆるキャラのよう。
鶴見区の形がワニの顔に似ていることからワニをマスコット化、公募によりワニの「ワっくん」と命名されたそう。
にこにこ笑顔と思わず握りたくなる「ぴんっ!」と元気な尻尾がチャーミングなオスワニで1988(昭和63)年に生まれた。
 


鶴見区の形がワニに! (鶴見区役所ホームページより)



なるほど! そうとわかれば調査は簡単。「ワッくん」の名を語るからには、恐らく鶴見区が制作したカルタに違いない――。すぐさま鶴見区役所に電話をする筆者。すると、区役所職員・諸井さんから予期せぬ回答が・・・

「いえ、制作をしたのは鶴見区ではないんです。鶴見まちづくり推進会議という区民団体がありまして、そこの中に魅力づくり部会という部会がありまして、さらにそこの・・・」
改めてご説明いただいた話をもとに整理すると、「ワッくん鶴見カルタ」を制作したのは、「鶴見まちづくり推進会議」の「魅力づくり部会」内にある「街の魅力企画班」であるとのこと。
同団体は、2000(平成12)年、“鶴見区をやさしさとゆとりが実感できる活力のある街”、“誰にでも誇れる街”にするため、実現に向けて話し合い、各種の活動を展開することを目的に立ち上げられた区民団体で、「区民会議部会」「魅力づくり部会」「副都心整備促進部会」の3つの部会から成る。「街の魅力企画班」が属する「魅力づくり部会」には、同班の他に毎年カレンダーを制作する「カレンダー班」が属し、それぞれに活動を行っているという。

諸井さんに今回の調査依頼について説明すると、同班の八木幹雄班長と制作当時の班長である安保尭(あんぼ たかし)さんを紹介してくれた。
 


左から諸井さん、八木さん、安保さん


街の魅力企画班が「ワッくん鶴見カルタ」の制作に乗り出したのは、2009(平成21)年のこと。
「一昔前は、京浜工業地帯の公害問題もあり、鶴見はあまりイメージがよくなかったんですよ。でも、今はそんなことはない。海があり、山があり、川(一級河川・鶴見川)が、さらに街(東海道)がある。本当にいいところですよ」と安保さん。そんな素晴らしい鶴見を、鶴見に住む人たちにもっと知ってもらいたい、もっと愛してもらいたい。そんな想いで活動を行う同班のメンバー(現在14名)は、それまでにも鶴見の見どころを巡るスタンプラリーなどを企画、鶴見区の魅力発信に努めてきた。

「うちのメンバーは、企業の社長さんや歴史に詳しい人、元中学校教師やお寿司屋さんなど、本当にいろんな人がいるんです。鶴見オールスターみたいな感じ。だから、いろんな案がどんどん出る。その分、意見をまとめるのは大変なですけどね(笑)」(八木さん)

イメージアップのグッズをカルタにした理由は、「子どもたちが楽しみながら鶴見区を知ってもらえるだろう」ということから採用。
そしてメンバーの意見の中から持ち上がった「ワッくん鶴見カルタ」制作の企画案。その工程はまず、読み札を作ることから開始する。
 


区民にカルタの読み札を募集したところ、なんと1031通もの応募が!!

とはいえ、簡単に45音の読み札が決定したわけではない。
ワッくんの「わ」や鶴見区の「つ」など応募が多数にのぼる文字がある一方で、「ね」や「ぬ」など句を作るのが難しい文字にはなかなか応募が集まらず、メンバーたちも頭を悩ませながら応募作品を作ったという。また、それぞれの文字にわけて候補作品を選んだところ、同じ名所について書かれた句が候補に残ってしまったり、応募者の名前を隠して句を選んだりしたために、同じ応募者の作品ばかりが選ばれてしまうという問題もあった。
 


五十音と「キーワード」に重複がないよう、バランスを見ながら候補作品を選んだ


公平さをもって、鶴見区民すべての人に親しまれる鶴見区全域を網羅したカルタを作る。その調整が何よりも大変だったと、お二人は当時の苦労を振り返る。
 


そして選ばれた45音の読み札


読み札が決まったところで、次は絵札の作成。企画当初は、どこかの小学校に依頼をして描いてもらおうと考えていたのだが、長く愛されるためにはデザインのしっかりしたものがよいのではないかという判断のもと、キャラクターデザインなどを手がけるプロデザイナー・浦川柳介さんを含む3名の方に制作をお願いした。3名とももちろん鶴見区民だ。
 


パッケージの裏に3名の紹介文が
 

そしてできあがった「ワッくん鶴見カルタ」がこちら
 

読み札の裏には、それぞれのキーワードの解説も


完成は2010(平成22)年の10月。初回制作は1500セット(900円)。
地区センターや学校に配布をしたり、ケーブルテレビで宣伝をしたりすることで、初回制作分はたちまち完売。すぐに1000セットが増刷された。現在、「ワッくん鶴見カルタ」は区役所1階の売店で常時販売するほか、臨海フェスティバルなど鶴見区のフェスティバルやイベントなどでも販売している。
ところで、鶴見区の子供たちの「ワッくん鶴見カルタ」に対する反応はどうなのだろうか? ぜひ子供たちの声を聞いてみたい。
すると、なんとワッくんが筆者のために小学生とのカルタ大会を企画してくれたとのこと。