金沢区にある大きな洞窟の正体は?
ココがキニナル!
金沢区釜利谷南に巨大洞窟があります。いつ誰が何のために作られ、中はどうなっているのでしょうか?昔この辺りに兵器庫があったようですが、兵器を隠していたのでしょうか?(うなぎさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
戦時中に兵隊が防空壕として掘った穴だったが、堀削の最中に終戦を迎え、未完のまま。兵器を隠した事実はなく、現在は地主さんが物置として使っている
ライター:田中 大輔
洞窟とかほら穴というのは、とかく男の子の冒険心をくすぐるものだ。
本当はおっかないのだけれど、どこまで続いているのか、奥にはなにがあるのか、なんのために作られたのか・・・。そんな想像を掻き立てる要素がいくつもある。
以前に紹介した日吉の地下壕も戦時中に作られたもの。この類のものが金沢にもあるのだろうか
とは言え、現代社会で日々生きていたところで、洞窟なんてなかなか出会えるものでもない。ところが、今回のキニナルには金沢区、それも住宅街の中に古くて大きな洞窟があるという。キニナルにあるように、過去の戦争の遺物なのか、それとも。
不気味なほどの存在感
まずは洞窟の姿を確かめるために現地へ向かう。
金沢文庫駅から京急バスに10分ほど揺られた場所に、問題の洞窟がある。
辺りは住宅街になっていて、よそ者がわざわざ足を運ぶような場所でもない。
地形を活かした公園があるくらいで、歩いている人もほとんどが近所に住んでいる人のようだ。
崖の勾配をそのまま利用した公園。犬の散歩をしている人もいた
新しく建てられた小綺麗な戸建住宅や、少し古そうな家々が入り混じって並ぶ街並みにあって、それは明らかに異質な存在感を放っていた。
吸い込まれそうな暗闇。周辺との調和はまるで取れていない
2階建てのアパート2棟の間にぽっかりと口を空けた穴。
それ自体は敷地の奥まったところにあるが、通りからも確認することができるほどの大きさだ。
目見当で高さは3メートル近くもあるだろうか。奥まではお天道様の光も届かず、その先がどうなっているのかは分からない。
はたしてこの洞窟の正体はなんなのだろうか。
公的資料は残されているか
あれだけのサイズだ。なにか公の資料があるかもしれない。
そう思い立ち、金沢区役所や土木事務所にも問い合わせてみたが、芳(かんば)しい返事をもらうことはできない。
金沢区総合庁舎
防空壕の可能性も考え、市内の防空壕跡について情報を持つ、以前にもお世話になった横浜市総務局危機管理室にも電話をかけてみる。
担当者によると、その防空壕跡が国土交通省の管理する特殊地下壕に含まれていれば、そちらに情報があるかもしれないというものだった。
危機管理室でも大きな進展は得られなかった
しかし、さっそく当たってみるが残念ながらこれもダメ。特殊地下壕を示す地図には、この金沢の穴ぼこは示されていなかった。
なかなかどうして苦戦を強いられるが、こういう場合に取る作戦は2つ。
ひとつはすっぱり諦めること。そしてもうひとつは、現場で粘ることだ。