カラオケJOYSOUNDの「横浜市歌」の歌手名が「横浜青木小学校生徒」となっているのはなぜ?
ココがキニナル!
横浜市歌が、ついにカラオケのJOYSOUNDで歌えるようになりました。でも、何故か歌手名が「横浜青木小学校生徒」となっています。その理由が気になります。(行方不明さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
青木小学校が音楽教育に熱心なことから、1929年の横浜市歌のレコード収録に当時の生徒が大抜擢。その音源が、カラオケでも使用されたためだった
ライター:大和田 敏子
横浜市歌は、1909(明治42)年の横浜港開港50周年を記念して作られた。作詞は小説「舞姫」で知られる森鴎外(=本名:森林太郎)、作曲は当時東京音楽学校(現、東京藝術大学)の助教授だった南能衛(よしえ)氏だ。横浜市では、小中学校の行事や入学式、卒業式などで横浜市歌を歌うことになっており、小学校では音楽の授業カリキュラムの中に位置づけられ指導されている。
ちなみに、以前の調査によると、横浜市歌を歌える市民は、横浜在住の市民の約43%、横浜育ちの約86%だという。市民に愛されているこの横浜市歌がカラオケで歌えることは、以前、横浜市歌で100点をめざす記事で検証済みであるが、再度、筆者自身が確認してみることにした。
もちろん機種はJOYSOUND。
横浜市歌について調べる前に、投稿にあったJOYSOUNDで、「市歌」を楽曲検索してみたところ、ヒットしたのは、「横浜市歌(横浜青木小学校生徒)」のみだった。
歌手名には、やはり「横浜青木小学校生徒」とある
そのまま、横浜市歌を予約してみる。どんな映像でカラオケが流れるのか、わくわくしていると、まもなく、横浜市歌のタイトル画面が映し出される。
カラオケ画像では、山下公園、みなとみらい、外人墓地など、横浜の名所が次々と映し出されていく。横浜愛が刺激され、市歌を歌う気分を盛り上げてくれる。
投稿内容を実際にカラオケで確認できたところで、歌手名「横浜青木小学校生徒」の謎を解明すべく、JOYSOUNDを運営する株式会社エクシングに問い合わせてみた。
JOYSOUNDでの「横浜市歌」の配信開始日は、2012(平成24)年7月23日。ユーザーの投票で配信曲を決めるリアルタイムリクエストで配信が決定したという。
このリアルタイムリクエストについては、以前の横浜市歌カラオケ配信に関する記事で紹介されていたので参照いただきたい。
リアルタイムリクエスト(JOYSOUNDオフィシャルサイトより)
配信にいたった経緯は、この記事を読んでくださった、ユーザーの方々の力が無縁ではないと推測するのだが、いかがだろう。
さて、話を本題に戻そう。
「横浜市歌」のカラオケは、横浜開港150周年記念企画として制作された『横浜うた物語』(キングレコード 2009<平成21>年8月26日発売)を参照音源として制作しているとのこと。
このCDは幕末以来、横浜で歌われ愛されてきた伝承歌・愛唱歌・歌謡曲の中から、後世に残したい秀歌27曲を選び、横浜開港資料館の監修のもと、年代順に編成し紹介したもの。このCDに収録されている同曲の歌手名が「横浜青木小学校生徒」となっているため、こちらを歌手名表記としているという。詳細は不明だが、かなり古い時代の録音と教えていただいた。
「横浜市歌」は、11曲目に入っている
『横浜うた物語』の発売元、キングレコードに問い合わせてみた。
収録されている「横浜市歌」は、日本ビクター(現在、株式会社ビクター・エンタテイメント)が1929(昭和4)年に「横浜青木小学校生徒」という歌手名で録音した歴史的音源だった。
ビクター・エンタテインメントから音源を借りていて、アーティストの「横浜青木小学校」は、ビクターの指定クレジットだいう。
ここで、はっきりと青木小学校にたどりつくことができたが、1929(昭和4)年という古い時期のものであることに、まず驚く。