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楽しいお出かけのお供に!「濱ともカード」の実力とは!?

ココがキニナル!

65歳以上の横浜市民に配られている「濱ともカード」。その実力を教えて!(神奈川の玉子さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

2008年から65歳以上の市民に配布。有効期限はなく、サービスを受けられる施設は市内外で約1500店だが、利用可能店の周知方法などが課題

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ライター:はまれぽ編集部

皆さんは「濱ともカード」というものをご存じだろうか。

65歳以上の横浜市民であれば入手でき、協賛店でサービスを受けられる、お得な優待カードだ。今回の投稿にある「濱ともカードの実力」を調査すべく、横浜市健康福祉局高齢健康福祉課でお話を伺った。



「濱ともカード」とは?



取材に応じてくれたのは同課いきがい係の小林優香さんと高尾葉子さん。
 


(左から)小林さん、高尾さん


まずは「濱ともカード」の概要について伺った。

「濱ともカード」は高齢者が楽しく街に出かけて生き生きとすごすことで健康維持につなげてほしいという目的で2008(平成20)年から始まった「高齢者のための優待施設利用促進事業」の一環。

65歳以上の横浜市民であれば、市内各区役所の窓口などで即日発行できる。
 


「寿」の文字に横浜の象徴的な建築物が並ぶデザイン


横浜市の65歳以上の人口約79万人に対し、これまで発行した「濱ともカード」は累計55万9795枚(数字はいずれも2013〈平成25〉年3月末現在)で、実に対象者の7割以上が所有している計算になるという。

使用できる施設のジャンルも多岐に渡る。制度開始当初は400施設ほどだったが、2013(平成25)年7月1日時点で飲食や趣味、観光など横浜市内を中心に利用金額の5~10%引きやドリンク無料などサービスを受けられる施設が1483ヶ所にまで広がっている。
 


本当に多くのサービスが受けられる(横浜市のホームページより)


カード所有者は横浜市の人口の15%以上にあたり、サービスをする協賛店としても、高齢層の新規開拓を見込めるメリットがある。
市としても、高齢者が出かけて買い物をすることで経済活性化につながると考えている。



店舗側はどう感じている?



では実際、「濱ともカード」はどれぐらい利用されているのだろう。協賛施設に利用状況を聞いてみた。

1905(明治38)年創業の花見煎餅吾妻屋総本店(中区)は、「濱ともカード」制度開始から協賛しており、会計の際にもカード所有の有無を訪ねている。お店によると「持っている人は喜んで使ってくれる」という。「お客さんのためになるのであれば」と、一部商品を除いて5%引きというサービスを提供している。


カード所持の有無を尋ねるという花見煎餅吾妻屋総本店


また、新横浜ラーメン博物館では、月に20~30人の利用があるという。シニア入場券(100円)を購入すると、1枚につき5人分の入場引き換え券がもらえるため、最大6人のグループが入場できるとは、なんとも太っ腹なサービスだ。

昭和30年代を再現した館内は「昔に戻ったよう」と好評なのだとか。
 


レトロな雰囲気が郷愁を誘う


一方、ほとんど利用がない店舗もあるのも事実。

同じイセザキモール内にある文房具店では、客層に65歳以上の割合は高いそうだが、これまでに使用した人は数人程度。ライターと喫煙具の専門店に至っては制度が始まってから1人だけしか利用したことがないという。
 


「客層はマッチしている」というのだが・・・


別の小売店の店主は「お客さんのためを思えば、という気持ちはあるが個人商店で(割り引きなどのサービスを)負担するのは厳しい。これで消費税が上がれば、経営自体を圧迫しかねない」と本音を漏らす。

また、「オシャレで若々しくありたいという気持ちが強いお客さんが多いので、自分が高齢者と認めてしまうことが嫌で(カードを)利用しにくいのでは。カードにある『寿』の字も高齢者であるという感じを受けてしまうと思う」という婦人服店の店長からの意見もあった。