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エスニックの老舗「チャイハネ」が中華街に系列店含め11店舗も出店しているのはなぜ?

ココがキニナル!

横浜中華街にたくさんの店舗を展開するエスニック雑貨のお店チャイハネさん。中華街に集中出店する理由や成功の極意を知りたいです。是非、本社に取材をして下さい。(ryoryoさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

チャイハネから事業を細分化しブランド化を進め、中華街に本店をかまえ全国に展開していく。テーマパークのような店舗設計も人気の理由だった!

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ライター:山口 愛愛

フォークロアに基づき、文明開化の地から発信



横浜のエスニックブームの火付け役ともいわれる衣料・雑貨店「チャイハネ」。

横浜を中心に系列店が拡大し、現在では全国に72店舗を展開している。エスニックから和雑貨、ハワイアンなど専門店が細胞分裂するように増え、店舗数、集客数といい、単なるブームではなさそうだ。その人気の秘密を探るべく、中華街にある本社へ足を運んだ。
 


中華街生まれのチャイハネは35周年記念で改装


世界各地の民芸品やオリジナル商品を販売している「チャイハネ」だが、経営は株式会社アミナコレクション。資本金は2000万円で、従業員は526人(2013年2月時点)だ。

取材に対応してくれたのは、サポート本部文化発進室室長の三上さん。まずは、チャイハネが中華街に誕生した経緯を説明していただいた。
 


チラシやカタログなどのデザインや広報、商品の企画などにも関わる三上さん


創設者の進藤幸彦会長は、昭和30年代に東京教育大学文学部に通い、日本民族芸能などを学んでいた。1969(昭和44)年にトルコ政府給費生としてトルコ民族芸能の調査留学をし、さらに民族特有の感性や文化、民芸に興味を持ったそうだ。

それらを日本で発信すべく、トルコ・エジプトの市場をリサーチし、1977(昭和52)年に横浜でアミナコレクションを設立。当時の従業員はたった3名でインド民芸衣料のデザインや生地の輸入販売からスタートした。
 


レディース、メンズ幅広い年齢層が着こなせる衣料がそろう


翌年の1978(昭和53)年に中華街南門通りにチャイハネ(パート1)がオープン(その後パート1は山下町185に移転)。

コンセプトは「フォークロア(長きに渡り受け継がれてきた習慣、信仰、儀礼、民謡)再創造」。民芸のオアシスを広げるというテーマを持っていた。

この創設の経緯からも、単にデザイン重視でエスニック柄をメーンに扱う雑貨店との差異が感じられる。なお、チャイハネの由来はトルコ語で「寄合茶屋」という意味からきているそうだ。
 


2階に飛び出た「ストゥーパ(仏塔)が目を引く


「横浜は世界を結ぶ開港した街、文明開化の地でもあるので、会長が発信の地として港横浜にこだわって展開しています」と三上さん。

場所にこだわったことは理解できるが、なぜこんなにも直営店が中華街に集中しているのだろうか。

現在、中華街にある店舗は、衣料・民芸雑貨販売の「チャイハネパート1」、「パート2」、「パート3(メンズ)」、家具や民芸品を扱う「チークラフト」、チャイとエスニックフードの「チャイハネCAFÉ」、ダンスレッスンなどを行うフリースペースの「シルクロード武道館」、パワーストーンやお守り雑貨を扱う「岩座(いわくら)」、倭雑貨の「倭物やカヤ」、アウトレット専門の「チャイハネアナ」、ハワイアン服飾雑貨の「カヒコ」、元町にはトラディショナルなモチーフやクラフトワークをキーワードにした「アニーシャ」の11店舗だ。
 


中華街に集中展開(チャイハネパンフレットより)
<クリックして拡大>


しかし、同じ内容の店が11店舗あるわけではなく、それぞれが個性的な専門色を出している。

「チャイハネの商品数やジャンルが増幅してきたので、店を拡大するだけでなく、テーマ性をもって細分化してきました。それをブランド化し、確立していきます。中華街にチャイハネが何店もあるというイメージではなく、各ブランドの本店が中華街にあり、横浜から発信しているというイメージですね」

例えばハワイアンの「カヒコ」はみなとみらいのワールドポーターズや千葉県の幕張新都心店も12月中にグランドオープンしたばかりだ。世界の民芸品をジャンルやターゲット層別に分け、それぞれを展開していくという事業展開が成功しているようだ。
 


横浜はフラ人気が高いこともあり、女性ファンが多い


チャイハネが成功しているのは事業戦略だけでなく、フォークロアの原点でもある「自然と供に歩む」というテーマを持って、社会貢献にも力を入れていることが大きいようだ。

チャイハネは1983(昭和58)年からネパールのハンディクラフト商品を輸入し、今では現地工房にオリジナルデザインを依頼し、輸入販売を行っている。昨年の輸入額は約1億4000万円にものぼり、ネパール政府から感謝状を贈呈されたという。

ほかに、東日本大震災の復興支援のため、売り上げ金額の一部を寄付し今年の7月末までに約5660万円を集め、瓦礫で防波堤を作るプロジェクトを行っている。

「ヒマラヤ保全協会の取り組みにも賛同し、売り上げの一部を生かして、これまでに2万5000本以上の苗木の植樹費を寄付しているんですよ。自然を守るのも理念のうちのひとつです」
 


アジアを中心に世界から集まる民芸品は贈り物にも喜ばれる


事業展開のほかに集客のコツを聞いてみると、「とにかく商品数が多く幅広い年齢層のお客さんがいることですかね。それとハンドメイドや古き良きものを大切にしながら、時代のニーズにあったアイテムを作り続けているとこではないでしょうか。お店自体がテーマパークのようになっているのも喜ばれています」とのこと。

なるほど。話が分かったところで、モチーフとなっている国(地域)がとくによくわかる、4店舗を案内していただこう。