横浜市職員がごみ袋の中の個人情報を見て警告に来るって本当?
ココがキニナル!
横浜市職員が2人組でゴミ袋を開き、分別状況を調べて撮影するそう。ゴミから得た個人情報で本人に警告もある模様。問題ないの?(jetstarさん、maniaさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市資源循環局職員が調査し、分別が不十分ならば条例に基づいた手順を踏み、個人に行政指導などを行う。個人情報は厳重に保護しており、流出はない
ライター:はまれぽ編集部
各家庭から出されたごみを市の職員が開けて中身を調べる? しかも写真まで撮って個人を突き止める? 本当にそんなことがあるのだろうか。真偽を確かめるため横浜市資源循環局家庭系対策部業務課分別・リサイクル推進担当の西村浩担当係長(写真はNG)に話を伺った。
ゴミの分別に関する業務を担当
西村担当係長によると「投稿にあることは事実です」という。では、実際にはどのようなことを行うのか、さらに詳しく聞いてみることに。
「資源の有効利用」が目的
ごみ袋の中身を調査するのは、2008(平成20)年に制定された「横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例」(以下、条例)に基づいた「開封調査」というものだそう。
これは、市が定めた区分に基づき、ごみを分別して出すことを義務付けるもので、「市長が特別の理由があると認める(例:視覚障害や認知症など)」場合を除いた全ての市民が対象となる。
繰り返し指導などを行っても改善されない場合は、2000円の過料(行政罰)を科すというもので、横浜市資源循環局の職員が行う「開封調査」は、条例が制定された同年5月1日から始まった。
市が作成した分別を呼び掛けるポスター
条例の主な目的は、限りある資源を可能な限り有効利用しようとするもので、調査はその一環。
実際は市内に約6万9000ヶ所あるごみ集積場に出されたごみを収集する際、分別がされていないものについては収集せず、日付と分別が不十分である旨を記載したシールを張り付けて集積場所に残していく。
日付と混入したものをチェックする
収集日に分別が不十分だったごみがあった場合は、即座に情報を共有。まずはシールを張ることで注意喚起を促し、ごみを出した人の自主的な回収と分別に期待する。
ただ、状況が改善されなかったり、個別に地域から相談や連絡などがあると、市職員がチームを組んで現地に調査に向かう。調査は市職員以外は行わない。この際、投稿にあったように2人組というわけでなく、それ以上の人数で調査を行うこともあるそうだ。
分別状況を確認する職員(写真提供:横浜市)
調査チームはその場でごみを開封し、本来の収集日とは違うごみが混ざっていることを確認し撮影なども行うが、強風でごみや個人情報に関するものが飛ばされてしまうといった恐れがある場合は持ち帰るケースもある。
個人情報もあるので、ごみとはいえ扱いは慎重(写真提供:横浜市)
ごみの中には、個人情報を特定できるものが含まれていることがあるため、その情報を基にごみ出しした家庭を特定したうえで訪問し、なぜ分別せずにごみ出ししたかなどを注意深く聞き、改善するように指導する。
個人情報については公務員の守秘義務のほか、条例でも「調査で得た個人情報は制度運用以外には使用しない」との定めがあり、戸別訪問の際も間違って別の家に行かないよう、慎重にチェックを重ねる。