堀内孝雄氏と「南回帰線」でヒットをとばした滝ともはる氏が運営している「Paradise Cafe」ってどんなとこ?
ココがキニナル!
馬車道にParadise CafeというLive Barがあります。オーナーの滝ともはるさんは昔、堀内孝雄さんと「南回帰線」でヒットをとばした方で、MCがおもしろいです。(brooksさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「食と音楽でお客さんを元気にしたい」という滝氏の気持ちがあふれているお店。MCはうわさに違わずおもしろく、観ているお客を魅了していた!
ライター:細野 誠治
全身全霊を傾けた、思い通りの店〜パラダイスカフェ
滝ともはる氏。1955(昭和30)年大分県生まれの歌手。
キニナル投稿の通り、1980(昭和55)年に堀内孝雄氏とデュエットした『南回帰線』が大ヒット。当時、一世を風靡しました(個人的には某ドラマ主題歌の『ミッドナイトフライヤー』がお気に入り)。
1980年の大ヒット曲。若い!(ベーヤンも若い!)
そんな、滝ともはる氏。馬車道でLive Barを経営しているそうで。
そして「MCが大変おもしろすぎる」と。これは行かねば!
お店は馬車道の通りから一本入ったところ。ファイテンのビルの地階。
雰囲気のある袖看板が目印
階段を降りて右。ここがパラダイスの入口
扉を開くと琥珀色の空間が現れる
Live BArということでミュージックチャージ2000円(女性は1000円)を支払い店内へ。
お邪魔すると、ちょうどリハーサルの真っ最中。そこで、店長にお話を伺うことに。
店長の下會所 麦(しもかいしょ むぎ)氏。ピアニストでもある
パラダイスレコーズよりCDもリリース。詳しくはHPで
2001(平成13)年にオープンしたお店は今年で14年目。毎日行われる6〜7ステージを鑑賞しつつ食事ができるお店。客層は滝氏の同世代から若者まで、大体男女比は7:3くらい。
席とステージが本当に近い。音を楽しむ場所だ
そうこうする内、リハーサルを終えた滝氏が筆者のテーブルに・・・。
パラダイスカフェ、オーナーの滝ともはる氏。
うーん、ダンディだ・・・。さっそくお話を聞こう。
—どうして横浜にお店を?
「もともと20年前、住吉町3丁目に“パラダイスカフェ”という店があって、そこで雇われ店長をしていたんですよ」
そこのオーナーに店を任され、店のネーミングから内装とすべてをイチから立ち上げたという。 しかし一年ほどで方向性の違いから店を去ることに。氏が辞めてしばらくすると店は潰れてしまったそうだ。
実は現在のお店は2代目だった
「初代の“パラダイスカフェ”が、余りにも素敵で・・・」
店を愛していた滝氏は、“パラダイスカフェ”という曲まで作るほどだった。
「やり残した想いがあって。でも、もう店は無くって。それから数年して、店を作るチャンスが巡ってきたんです」
パラダイスよ、もう一度・・・
「周りからは反対されたけど、耳に入らなかった。“俺がやるんだから、絶対に成功する”。
ちょっと神がかってたかな・・・」
“勝負をしよう。人生で一番大きな勝負をしよう”そうして始まった店作り。
「店の名前からコンセプト、スタッフまでを引き継いでこの場所に“2代目パラダイスカフェ”を作ったんです」
オープンから10年経った2011(平成23)年、隣のテナントが空いたのを機に拡充を決意。フロアを買い取り、リニューアルを敢行する。
しっとり、染みるようなバリトンボイス。自然と周りが和む
「とにかく、こだわりました。床板からテーブル、ソファは色から厚み、線から座面の奥行きに至るまで徹底的に、あらゆるものを隅から隅まで、思い通りにね」
床板一枚、サイズから色まで
ソファは深さや曲線も指定。テーブルは決してガタつかない逸品を使用
「工事の間、ずっと張りついて指示をしてね。僕と工務店だけ、デザイナーはいない状態。 (作ってた)2ヶ月半、こんなに楽しいなんて。でき上がったら少し寂しかった・・・(笑)」
厨房も思い通りに。当時の料理長が自ら設計。ミリ単位のこだわり厨房
—音楽と同じじゃないんですか?
「逆。音楽は詩も曲も作っている時が本当に苦しい。でき上がった喜びが大きいんです。でも店は作っている最中が楽しかった」
そういうものなのか・・・。
音楽は生むのが苦しい。店は、作るのが本当に楽しい