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震災対策事業のために増税された横浜市民の住民税は何に使われるの?

ココがキニナル!

横浜市民税と神奈川県民税がまた増額。震災対策事業のため今後10年間1000円増やすそう。意味のある増税ならいいのだけど、どこにどれだけお金を使うの?(bausackさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市は市立学校の耐震化に53億円、県は警察署の建て替えに約26億円など、市民・県民の安全・安心に直結するインフラ耐震化などに充てる

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ライター:はまれぽ編集部

強烈な揺れ、一瞬にしてすべてを奪っていった津波・・・。2011(平成23)年3月11日、日本の観測史上最大規模の地震が発生した。あれから早3年。死傷者は1万8000人(2014〈平成26〉年7月時点)を超え、被災地の傷痕はいまだ癒えていない。
 


震災後の被災地の様子(フリー素材より)

 
政府は2011(平成23)年12月2日、早期の被災地復興かつ各地方自治体が緊急に取り組まなければならない防災施策に必要な財源を確保するため、2014(平成26)年度から2023年度までの10年間、個人住民税の税率を引き上げるための臨時特例法を施行した。

「個人住民税」とは、各都道府県民税と市町村税を合わせたもので、2013(平成25)年度までは神奈川県の県民税が年額1300円(2016年度まで上乗せされる年額300円の「水源環境保全税」を含む)、横浜市の市民税が年額3900円(2018年度まで上乗せされる年額900円の「横浜みどり税」を含む)となっている。
今回は、各都道府県民税と市町村税を500円ずつ、計1000円を上乗せした形だ。
 


増税分の比較

 
また、これまでは退職所得(退職金)に係る個人住民税の10%を控除されていたが、臨時特例法によって2013(平成25)年1月1日以降に退職した分の控除を恒久的に廃止。廃止による増収分を2021年度まで各自治体の震災対策に充てることとした。
 


退職金の控除分も震災対策事業に(フリー素材より)

 
今回の増税はその一環で、いくらの財源が集まり、どのように使われるのか、まずは横浜市の担当課に話を伺った。
 


「意味ある増税」か?

 


10年で120億円



対応してくれたのは税制課の中川譲(ゆずる)企画係長と、財政課の森隆行担当係長。
 


(左から)中川係長と森係長

 
まずは、増税に至った経緯について中川係長から。

中川係長によると、増税の根拠は前述の臨時特例法で、横浜市は同法に基づいて2012(平成24)年9月の市会定例会で「横浜市市税条例」を改正した。これによって、個人住民税の引き上げが可能となった。

2011(平成23)年の震災発生から3年経ったこのタイミングで増税した理由について、中川係長は、「国会で特例法に基づいて税制改正をしたのが2012(平成24)年のため、新税制が適用されるのは翌2013(平成25)年からになります。さらに、住民税は前年度(この場合は2013年度)の収入に基づいて算出されるため、正規な法改正の手続きを経ても最短で今年度からの増税ということになったのです」と説明してくれた。
 


正規な法改正手続きによる税制(フリー素材より)

 
中川係長によると、横浜市では臨時特例法に基づく条例改正によって、2023年度までの10年間で市・県民税の引き上げで均等割の引き上げ分約90億円、退職所得控除廃止による増収分で約30億3000万円の計約120億3000万円の税収を見込んでいる。
 


年度別の税収見込み(横浜市ホームページより)