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食通が注目するという藤沢産の絶品豚肉「みやじ豚」について教えて!

ココがキニナル!

藤沢市の「みやじ豚」が気になります。最近、東京の食通の方々にも注目されているようです。どのように育てられているのか、どこに行けば食べられるのか取材して下さい。(ときさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「みやじ豚」の美味しさの秘密は、徹底して豚にストレスを与えないようにする飼育方法にある。飲食店は、横浜市内の「驛の食卓」がオススメ

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ライター:河野 哲弥

生産者のご自宅を訪問

「一次産業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業に」

そんなミッションを掲げて2006(平成18)年に設立されたのが、藤沢市に本社を置く「みやじ豚(従業員数4人・資本金560万円)」。
実際に食したことはなくても、その名前を聞いたことのある人は多いのではないだろうか。

さっそく取材を申し込み、指定された場所へ着いてみると、そこは、代表取締役である宮治勇輔(みやじ・ゆうすけ)さんのご自宅だった。
 


個人宅なので、表札のみ撮影


防疫上の関係から「豚舎」への立ち入りを禁止しているとのことで、居間で話を伺うことに。
まずは、「みやじ豚」を知らないという人のために、一般の豚肉とどこが違うのかから説明していただくことにしよう。



肉が苦手な人も思わず口にする、みやじマジック

「みやじ豚」の特徴は大きく3つあると、宮治さん。

まず1点目は、「脂身がクリーミー」であること。
豚肉のなかには、脂身が「だれる」ことのないよう、凝固剤を混ぜているものもあるのだとか。焼いているにもかかわらず、脂身に「シャキシャキ」した食感があるのだとしたら、それは本来不自然なことなのだ。あの歯ごたえこそが「豚肉のおいしさ」だと勘違いしている人は、いないだろうか。
 


脂身が口の中でとろける「みやじ豚」さま


2点目は「肉質がジューシー」であること。
ただし、「みやじ豚」にはデリケートなところがあり、熱を入れすぎると脂が落ちてパサパサになる場合があるので要注意。

宮治さんによれば、「よく、豚肉は完全に白くなるまで火を通せと言われますが、ウチのお肉はそこまでしなくても大丈夫」とのこと。一部の飲食店では、普通の豚肉と同じように調理されてしまうので、「本来のおいしさが損なわれてしまう」こともあるのだとか。
 


自宅のリビングで、ブタのクッションを抱える宮治さん


そして3点目は、「肉独特の臭みがない」こと。
驚くことに、今まで肉を全く受け付けなかった人から、「みやじ豚なら食べられる」という声が届いているそうだ。

そこまでの違いが生じる理由は、どこにあるのだろう。投稿にあった育て方なのだろうか。
この点について宮治さんは、「飼育方法もありますが、血統やエサにもこだわっています」という。引き続き、詳しい話を伺っていこう。



「おいしい肉」と「規格上の良い肉」は違う?

肉質を決める要素を考えたとき、「血統」を思い浮かべる人は少なくないのではないだろうか。
例えば、「黒いダイヤモンド」との呼び声が高い「かごしま黒豚」は、バークシャー種の純血種であることをウリにしている。

ところが「みやじ豚」は、3種類の品種を掛け合わせた「三元豚」であり、ある意味で雑種なのだとか。どうやら、「みやじ豚」から「みやじ豚」が生まれるわけではないようだ。
 


「三元豚」と各品種の関係(資料提供・農林水産省)


宮治さんによれば、純血種には「近親交配」というリスクが含まれるため、かえって品質にばらつきが生じやすいそうだ。しかし、身近なイヌやネコを見る限り、かえって雑種の方がバラエティに富むような気がしてくる。

この点について質問してみたところ、実は「みやじ豚」は、同じ親から生まれた兄弟なのだという。「ブランドとは、誰がいつそのモノを思い浮かべても、同じイメージを持つことではないでしょうか」と、宮治さんは続ける。
 


実際の「みやじ豚」、同じような顔や背丈のような気もしてくる


繰り返しになるが、この豚たちが次の世代を生んでいくわけではない。また、親豚の繁殖能力が衰えてきた場合、定期的に交代させていく必要が生じることになる。同社では、新たな親豚を選定する際にも、ブランドが維持できるよう吟味に吟味を重ねているという。肉の付き具合はもちろん、歩き方などもチェックするというから驚きだ。

一方、投稿にあった育て方はどうなのだろうか。
こうした兄弟ブタは、1頭あたりのスペースが通常よりも倍ほどの広さを誇る「お部屋」で育てられるという。コストを重視するのであれば、もっと効率的な飼育方法も考えられるだろう。しかしそれでは、ストレスがかかってしまうし、衛生面でもよろしくない。

そして、「仲が良くてケンカをしない」のも、兄弟ブタのメリット。
動物たちは群れをなすと、リーダー争いを始めてしまうことがある。一般的には、エサを変えるタイミングで4から5回ほどの引っ越しをするそうだが、そうなると、群れが変わってまたリーダー争いをすることで、新たなストレスを与えてしまう。
 


ストレスフリーのブタさんは、どこかかわいらしい


アットホームな環境で育てられる「みやじ豚」は、エサにもこだわりがあるという。
同社では、安く仕入れられるトウモロコシの配合を抑え、その分麦類と芋類を増やしているのだとか。その方が、脂身がクリーミーでおいしい肉質になるのだという。父親の代から試行錯誤を繰り返してきて分かった、同社ならではのレシピといえる。

では、なぜ一般の養豚業者は、配合比率を変えようとしないのだろう。
実はここに、「ブランド」の盲点が含まれているのだ。品質を固定しようとするあまり、指定のエサしか与えられないのが現実なのである。
 


すこし離れた場所から、同社豚舎の全景


「肉の規格が先にありきって、おかしいじゃないですか。おいしさを優先するなら、既存のやり方を続けていてはダメなんです。システムや人間が変わっていかないと」と、宮治さんは語気を強める。

それにしても、こうした想いへの原動力は、どこから生まれてきたのだろう。
同社のミッション、「一次産業を、かっこよくて・感動があって・稼げる3K産業に」と合わせて、さらに真相へと迫っていきたい。
 
 
熱い思いがあって、絶品ポークができた!!≫