京急富岡駅近くに数ヶ月待ちの「コンビーフ」が売っているお店があるって本当?
ココがキニナル!
京急富岡にあるお肉屋さん、「加藤牛肉店」。某グルメタレントの推薦するお店で山形牛を贅沢に使ったコンビーフが特に有名、一時期はネット通販で数ヶ月待ち状態だったとか。(コビン・ケスナーさん)
はまれぽ調査結果!
コンビーフのほか、揚げたてのコロッケがお勧め。ここのお肉が食べられる店は県内・都内にいくつかある。銀座に立つ大型商業施設への出店を検討中
ライター:濱屋 亘
京浜急行線「京急富岡駅」近くに、ネットで売り切れと話題のコンビーフを売っているお店があるという。どんなお店だろうと思ってHPを開くと、そこにはガツンとこんな一行が。
「肉が好きで何が悪い」
おお。
完璧な主張に一瞬びっくりしたが、いや、しかし。気を取り直して。さっそくお店に取材を申し込み、2月某日。京急富岡にある本店まで取材に行ってみた。
最寄り駅は京急富岡駅
西口から少し歩くと「山形牛」と書かれたのぼりが目に入ってきた
こぢんまりした地元の商店会の通り沿いに、その店はあった。
あったあった、ここだ
店は地元の買い物客でにぎわっていた
「加藤牛肉店」は、横浜市金沢区にある昭和5(1930)年創業のお肉屋さん。おじいちゃんの代からやっている店で、もともとは本牧にあったのが、現在はこの場所でかれこれもう50年余り営業している。
”お肉博士”こと、3代目店主・加藤敦さん
加藤さんはこの道一筋30年のベテラン。肉の仕入れから仕込みまで、全部自分で行っている。
「旨い牛」へのこだわり
加藤牛肉店で扱っている牛肉は、牛肉のランクの中でも最高級とされるA5ランクの山形牛。なかでも、肉質が良く脂味が味わい深いメス牛にこだわって仕入れており、肉は、指定の生産者から加藤さん本人が買い付けている。
「肉の旨味は餌の配合で決まる」(加藤さん談)。牛がどこで生まれ、どんな餌を食べ、そういったことが全部、肉の良し悪しにつながる。だからこそ生産者を選ぶのは大事、と加藤さんは話す。
生産者にまでこだわるのが加藤さんのポリシー
「肉の良し悪しはアバラの5~6枚で決まる。決め手はサシの密度」と加藤さん。今まで三田牛、佐賀の伊万里牛、三重の松阪牛といろいろ扱ってきた中で出会ったのが、この山形牛だったのだという。
旨い肉であること。その仕事っぷりに、妥協はない
「肉はね、まぐろの刺身みたいに柔らかくないと」と加藤さん。A5ランクの肉の中でもとくにメス牛にこだわるのは、メス牛の方が霜降りのキメが細かく、柔らかい口どけが感じられるから。肉は味わいだけでなく食べた時の食感も大事。これは、加藤さんがいろいろな肉を渡り歩いて結果たどりついた、こだわりでもある。
ちなみに、加藤牛肉店のお肉はいくつかのレストランで食べることができる。
キニナル投稿にあった「ラゾーナのどんぶり屋さん」こと「三代目 加藤牛」は、店舗契約の関係で残念ながら2013(平成25)年に閉店済みだが、横浜市内なら天王町にある「Gentillesse KOMACHI(ジャンティエスコマチ)」で味わうことができる。
天王町駅から徒歩3分ほどの場所にある「ジャンティエスコマチ」
加藤牛肉店から仕入れた肉を使ったメニューの数々
コマチでは4つのコースを用意しており、その中の1品として加藤牛肉店から仕入れた肉を使ったメニューを提供しているという。確実に食べたい方は、予約時に希望する旨を伝えるとベターだという。
代表の小町勉さん
「加藤さんは、生産者の顔が見える距離感で仕事をしているように思えます。私としてもお客さんからの要望にできるだけこたえられるよう、素早く動きたいと思うので、とても信頼していますよ」と小町さん。
そのほか、東京都内ではレストランの「加藤牛肉店GINZA」(2008〈平成20〉年オープン)、お弁当や総菜を販売する「加藤牛肉店銀座Keiyo Street店」(2011〈平成23〉年オープン)などがあるそう。
こちらはレストラン「加藤牛肉店GINZA」
また、現在は東京都中央区銀座の「松坂屋 銀座店」跡地に建つ、東京最大級となる13階建ての複合施設への出店を打診されていて、これについては業態も含めて検討中なのだという。