距離が足りず非公認となった横浜マラソン2015でできた心の隙間を埋めるべく、186メートル分の麺を一気食い!
ココがキニナル!
「横浜マラソン」が公認フルマラソンコースに足りなかった186メートルは、麺の長さにするとどのくらい? 186メートルの心の隙間を大盛り麺で埋める。(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
刀削麺1人前で33メートルだが、細いそばのほうが麺の合計が長い。吉田のお腹は満腹だが、フルマラソンのリベンジで満足すべし
ライター:山口 愛愛
麺でフルマラソン制覇へ 1本麺で縁起を担ぐ
いまだに「横浜マラソン2015」に翻弄されている編集長・吉田と筆者。騙されたかのように試走レポートの依頼を受けたのは昨年(2014<平成26>年)夏のこと。その後、筆者は抽選で外れ、参加を諦めたものの、大会1ヶ月前に急きょメディアランナーとしての出場できることになり、短期間の猛特訓。
付け焼刃でプレス工業株式会社のヘッドコーチにもアドバイスをもらった
2015(平成27)年3月15日の本番では、吉田とともに奇跡のフルマラソン完走を果たした。ユーザーさんなどからも「感動した」との言葉までいただけたが、大会から約2週間後、42.195kmの公認フルマラソンコースに186.2メートル足りていなかったことを大会事務局が発表。
「フルマラソンを完走した」と言い切れなくなってしまったのだ。
この感動もいずこへ
やっとフルマラソンから解放されたと思いきや、来年のリベンジまで引っ張る事態に。
「せめて、距離が間違っていたとしても長ければ・・・。あと186メートル足りていれば・・・」
気を落としていると「そうだ、186メートルがどれだけの距離だったかを検証しよう! これで元気を出そう」と吉田。
何を思ったのか、嫌な予感しかしないが、集合場所の横浜マラソンのゴール地点に向かう。
広い海と比べれば186メートルくらい・・・と思いつつ
吉田は186メートルがどのくらいの距離なのかを「実感」しようと提案。マラソンの練習に適しているといわれるカーボローディング(炭水化物を主とした食事)からヒントを得て企画したという。
「186メートル分、美味しい麺を食べ尽くしてフルマラソンを完走しよう! 麺の美味しい店を巡るぞ!」
「はぁ?」
そもそも筆者は、吉田のダイエット企画から横浜マラソンに巻き込まれたのである。
「しっかり計測してくれぇ!」と叫ぶ
大会直前に、プレス工業の上岡コーチにアドバイスをいただいたときも、吉田はすでに脂肪が蓄えられているので、カーボローディングどころか、脂肪を落としたほうが良さそうだと助言をもらったはずだ。
ただ麺を食べたいだけじゃん! と思いつつ、ふだん自分が食している麺が何メートルくらいあるのか、言われてみればキニナル。
「ここで186メートルを満たして、横浜マラソン2015を完結しよう!」と吉田。
大会当日、盛り上がったフィニッシュ地点
確かに中途半端な終わり方は避けたい。針を刺したら飛んでいきそうなほどパンパンな顔面に笑みをたたえ「麺といえば中華街から!」という吉田に着いていくことに。
やってきたのは、以前にはまれぽの取材でお世話になっている2004(平成16)年創業の京華樓本館。痺れるような辛味を得意とする本格四川料理が味わえる名店だ。
辛味のある料理に定評
こちらには、牛バラ肉刀削麺、海の幸刀削麺(各900円)など、10種類の刀削麺があり、100円を足すと、麺が1本につながっている「一本麺」に変更できるのが話題に。
中国の慣わしで、誕生日会などで長寿を祝い、細く、長くを表す一本麺を食す文化があるのだとか。これは縁起が良い、味わおうではないか。
ちゃっかり吉田が予約。歓迎いただいた
四川担々刀削麺(一本麺/1000円)を注文し、厨房に潜入。一本麺はどのようにしてできるのか。
こちらの店のコックは、社長自らが四川に足を運び、厳しい目で見抜いた人材を招へいしているという。京華樓9年目となる、宋(そう)さんのお手並みを拝見。
厨房に潜入。宋さんが腕を振るう
まずは刀削麺の生地を15メートルほどの麺状にし、さらに伸ばしやすくするために油に漬けておく。
ボールの中でとぐろを巻く刀削麺
宋さんが左手でわずかな力調整をしながら麺をつまみ、右手でするすると伸ばしていく。リズミカルでこれぞ目にも止まらぬ早技!
麺をのばしながら、別のボウルへ移す
やや補足し形を整えた麺をつかみ
ここからがさらに腕の見せ所
鍋へ投入!
目を凝らすと空中で麺が左右に大きく揺れながら、細く長くなっていく。するすると熱々の鍋に吸い込まれていく。
ボールから鍋へ。手品を見ているよう
これで終わり
一度も切れずに、麺がすべてつながっている
茹で上がった
見ているだけでも麺のもちっとした弾力が感じられる。一本麺を丁寧にどんぶりへ。
いくつものスパイスを調合したスープの中へ
ホウレンソウや麻婆風ひき肉をそえ、四川担々刀削麺の完成!
具の上に飛び出している麺の先端を持ち上げ、すべてがつながっている一本麺を引き出していく。
完走に向け、実食。いくぞ!
ラー油や豆板醤のほか、四川料理独特の花山椒の痺れるような、華やかな辛味に加え、濃厚なゴマの風味でコクがあり、ウマ辛い。
ずーっと1本麺。長い、切れない。香りもウマ辛
「もはやマラソン関係ないしね」と思いながら見守る
「思ったより量が多い!」辛味に汗がにじむ
刀削麺の端に辿りついた
1軒目フィニッシュ! まだ余裕の表情
さてキニナルのは麺の長さ。宋さんに伺うとなんと33メートル!
麺が短い状態で長さを計り、2倍強を目安として伸ばし、重量を計算して長さを算出したという。今では計らずとも、宋さんは感覚で33メートルになっていることが分かるそうだ。匠の技がここにあり。
この中に33メートルの刀削麺が入っているのです
ということで、33メートルを制覇。186メートルのゴールまであと153メートル!
通常の刀削麺は食べやすい長さに切れているものの、合計の長さはほぼ変わらないとのこと。ふだん意識していないが、口にしている麺の合計が33メートルもあるとは意外である。
しかし、このペースで186メートルを埋めるとなると6軒で食べ尽くさなくてはいけない。
「ここしか予約を取っていないので、あとは店を考えて突撃!」と吉田。
麺でフルマラソンを完走できるのか。