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川崎で活動する『ひょっこりひょうたん島』でお馴染み!? 半世紀以上の歴史ある「人形劇団ひとみ座」に密着取材!

ココがキニナル!

「ひょっこりひょうたん島」や「ネコジャラ市の11人」で人形操演を担当した、川崎の人形劇団「ひとみ座」の活動を紹介してください。(羽後人さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ひょっこりひょうたん島オンステージといった多くの舞台をこなすかたわら、学校や保育園での公演、川崎でイベントを開催するなど精力的に活動中!

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ライター:大野 ルミコ

みなさんは「人形劇」にどんなイメージを持っているだろうか。

学校での芸術鑑賞会でも一度も見たことがなく、1964(昭和39)年から(終了は1969〈昭和44〉年)テレビで「ひょっこりひょうたん島」が放送された時にはこの世に誕生しておらず、1991(平成3)年から2003(平成15)年にかけてリメイク版が放送された時には大人になっていたという筆者にとって「人形劇=子どものためのもの」。

ここまで、一度も「観に行ってみたい」と思ったこともなかった(・・・すみません)。

そんな筆者にやってきた「人形劇団ひとみ座」への取材依頼。
あの『ひょっこりひょうたん島』を生み出した人形劇団・・・きっと熱烈なファンの方々にとっては、まさに「聖地」ともいえるような場所に違いない。

「こんなに何も知らない自分が行っていいのだろうか・・・」
そんな一抹の不安と緊張感を抱えながら川崎にある「ひとみ座」へと向かった。



いざ「ひとみ座」に潜入!


最寄駅は東急東横線元住吉駅。ここから川崎市バスに乗車する
 

バスに乗ること約5分。「井田営業所」のバス停で下車
 

ひとみ座は大通りから1本入った川沿いにある


訪れた当日は、神奈川県内の小中学校が夏休みに入るまさに直前。ひとみ座でも全国各地で開催している「夏休み人形劇場」の公演に向けての準備が急ピッチで進められており、多くの劇団員が稽古に人形製作にと追われていた。ホントにお忙しいところありがとうございます。
 


劇団に一歩足を踏み込んだ途端、ひょっこりひょうたん島の人形がズラリ


今回、お話をお伺いすることができたのは、事務局長の友松正人(ともまつ・まさと)さん。

学生時代に人形劇サークルに参加し、専用劇場での公演を重ねる中で「人形劇は美術・音楽すべてを兼ね備えた総合芸術だ!」と、その世界に魅了された。現在も多くの公演での人形操作を担当するほか、脚本や演出も手掛けているという。
 


ひょっこりひょうたん島のハカセと一緒に現れた友松さん


人形劇団ひとみ座の創立は1948(昭和23)年。当時、鎌倉にあった市民グループにより設立された民衆大学「鎌倉アカデミア」に集まった学生たちによって始められた。
友松さんいわくそれはまさに「今でいうサークルのような集まりからのスタート」だったのだとか。今でも2015(平成27)年7月現在は44名の劇団員、10名の団友、2名の研究生が活動しているそう。

創立当初は人形劇だけでなく、役者による演劇公演も行っていたそうだが、創立から1年半後には人形劇を専門に行う劇団となっていたという。

その理由について友松さんは「始めは子どもたちのためにと始めた人形劇が、意外に大人の方にも好評で、喜んで見てくれる。ならば人形劇に特化しようとなったようです」と語る。
 


創立から67年。輝かしい実績を積み上げてきた「ひとみ座」


鎌倉を拠点にスタートした「ひとみ座」は、その後、1965(昭和40)年に現在の川崎市中原区井田に移転。発足時から劇団員が“一つ屋根の下”に集まり、活動を続けてきた伝統そのままに、今も劇団の隣には劇団員が生活するためのマンションも完備。友松さんも「ひとみ座は衣食住一体化の劇団なんです」と笑う。
 


写真右にある建物が劇団員が生活しているマンションだ


ひとみ座の公演で使われる魅力的な人形たちは、すべて物語に合わせて作りだされたオリジナルキャラクター。上演する題材によってそれぞれの人形に求められる「動き」が変わるため「どうすればよりリアルな動きを出せるか」「どういう人形が魅力的か」とスタッフ全員で話し合い、試行錯誤のうえに誕生したものだ。
 


ひとみ座の魅力的な人形を生み出す「アトリエ」


友松さんいわく「ひとみ座では人形製作を希望する人も人形操作に、人形操作を希望する人も人形製作に必ず関わり、それぞれを経験してもらうようにしている」という。
 


舞台背景や小道具もすべてここで作られる


「舞台の上では人形にさまざまなトラブルが起こることもあります。そのためにも人形を操作する者も人形の構造を知っていなければいけません。また、人形を製作する者が人形操作を知っておくと、どういう人形が使いやすく、魅力的なのかを知ることができるんです」
 


友松さんいわく「これは悪の手下かな・・・」
 

「ガオー!」・・・確かに舞台ではかなりのインパクトを与えそうだ


「人形を操作したい人、人形を製作したい人、うちには幼児劇場がありますから子どもと接するのが好きな人、そして音響や照明を学びたい人・・・人それぞれいろんな夢があると思いますが、ひとみ座ではそのすべてに打ち込むことができます。それくらい人形劇って奥が深いんですよ!」

そう語る友松さんの目が、キラキラと輝いていたのが印象的だった。