川崎で活動する『ひょっこりひょうたん島』でお馴染み!? 半世紀以上の歴史ある「人形劇団ひとみ座」に密着取材!
ココがキニナル!
「ひょっこりひょうたん島」や「ネコジャラ市の11人」で人形操演を担当した、川崎の人形劇団「ひとみ座」の活動を紹介してください。(羽後人さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
ひょっこりひょうたん島オンステージといった多くの舞台をこなすかたわら、学校や保育園での公演、川崎でイベントを開催するなど精力的に活動中!
ライター:大野 ルミコ
「人形劇」の常識を打ち破るひとみ座の作品とは
ところで、ひとみ座があの『ひょっこりひょうたん島』の人形操作に関わることになった、そのいきさつはどのようなものだったのだろうか。
泣くのは嫌だ笑っちゃおう~♪ の主題歌、耳に残るんですよね
「1950年代の後半から、NHKではずっと人形劇が放送されてはいたんですが、当時、NHKのディレクターだった武井博(たけい・ひろし)さんが、その世界に物足りなさを感じていたようで・・・脚本も人形ももっとインパクトのあるものにしたいと思ったのが始まりのようです」と語る友松さん。
「それまで放送されていた人形劇は手に人形をかぶせて操作する“ギニョール”と呼ばれるタイプの人形を使っていたのですが、私たちが得意としていた“棒使い”の人形は、ギニョールとは表情も動きも全然違うんです。それが、武井さんの目には斬新に映ったのではないでしょうか」
友松さんの操作でハカセの表情もクルクルと変わる
人形の下にあるレバーを操作し、表情を変える。・・・こ、これはムズイ
この“斬新さ”により、『ひょっこりひょうたん島』の人形操作と製作を担当することとなった「ひとみ座」。そして、この『ひょっこりひょうたん島』の人形を製作するにあたり、導入されたのが「回転体の技術」だと友松さんはいう。・・・ん? 回転体って何ですか?
「登場人物も放送回数も多い『ひょっこりひょうたん島』の場合、人形を短時間でたくさん作らなければいけません。そこで、人形デザインを手がけた片岡昌(かたおか・あきら)さんは、木をろくろで削って人形の基本的な形状をつくれる“回転体”という技法で人形を全部デザインしたんです。それによって図面さえあれば、人形制作の一部が外注できると考えたんですね」
ドン・ガバチョの丸い顔や体にも回転体の技が取り入られているのだ!
こうして始まった『ひょっこりひょうたん島』がどのような人気となったか・・・それは、みなさんが知る通りだ。こうして培われたひとみ座のチャレンジ精神は、今も脈々と引き継がれ、次々と画期的な作品が生み出されているのだ。
人形劇、されど侮るなかれ!
「人形劇」と聞くと、手に人形をかぶせて動かすもの、ひとみ座に来るまでの筆者は、そう思っていた。・・・ところが友松さんに「今は、どのような作品を手掛けているのですか?」と質問した答えを聞いてびっくり!
人形劇のイメージってこういうものだけだと思っていたのに・・・(『りすおとかめ吉』より)
棒使いのこんなリアルな作品があったり・・・(賢治のカバン『セロ弾きのゴーシュ』より)
人形と一緒に人間が登場しちゃったり・・・(賢治のカバン『注文の多い料理店』より)
影絵と組み合わせた幻想的なものまで!(賢治のカバン『やまなし』)
ほかにも等身大の人形を使った作品や人形浄瑠璃文楽(にんぎょうじょうるりぶんらく)から誕生した伝統的な人形芝居「乙女文楽」まで、子どもどころか大人が見ても充分楽しめる作品が目白押しなのだ!
思わず「人形劇、ちょっと見てみたいですね・・・」と語った筆者に「近々、川崎で人形劇まつりがありますよ。そちらをご覧になってはいかがですか?」との友松さんからの提案が。人形劇への興味がMAXになった勢いそのままに、そちらにもお邪魔することにした。
人形操作を実演してくださった友松さん。ありがとうございました!!