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「心温まるアナウンスをした」とネットで話題の横浜市営バス乗務員、鈴木健児さんの素顔に直撃!

ココがキニナル!

今、ネットで話題の市営バスの運転手、鈴木健児さんに話を伺ってください。(山下公園のカモメさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

ドライバー歴19年の鈴木健児さんは真面目でシャイな人。市営バスの乗客対応の方針「プラスワン」にのっとり普段と同じ心がけで乗客に声をかけた

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ライター:はまれぽ編集部

このコーナーでは12月31日まで、2015年に、はまれぽで掲載した記事のなかから人気が高かったものをピックアップしてお届けいたします!(この記事は2015〈平成27〉年9月11日に掲載した記事の再掲載です)!

「お母さん、大丈夫ですよ。赤ちゃんですから気になさらないでください。きっと眠いか、おなかすいているか、おむつが気持ち悪いか、暑いかといったところでしょうか」

横浜市営バス車内で泣きやまない赤ん坊をあやしながら困っていた母親に対し、市営バス車内で流されたアナウンス。運転手によるこの対応に「心が温まった」と乗客がツイッターに投稿し、SNSや各種報道などで話題となっている。
 


「これぞプロフェッショナル」など運転手に対して絶賛のコメントが多数


静まり返った車内に、響き渡る赤ん坊の泣き声。あやしながら困る母親。顔をしかめる乗客もいたかもしれない。こわばった空気の中、このアナウンスに空気がふっと和んだのだろうか。ネットの反響からは、そんな情景が想像できる。

一部ではネット用語で「神対応だ」とも言われているが、このバスを運転していた乗務員「鈴木健児(すずき・けんじ)さん」とは一体どんな人なのか。筆者(編集部・山岸)の予想だと「小さいお子さんがいて“イクメン”につき育児をする母親の気持ちが分かる優しい人」。

さっそく横浜市交通局に取材を申し込むと、ご本人に会えるとのこと。鈴木健児さんが勤務しているという、横浜市営バス港北営業所(港北区大豆戸町)へ向かった。
 

 

取材日は台風18号の影響で大雨。バスたちも雨に濡れていた




「乗った時から気にかかって・・・」



今回、ご本人のスケジュールを調整し、取材対応してくださったのは、横浜市交通局自動車本部港北営業所、副所長の徳増雄一(とくます・ゆういち)さん。徳増さんに案内された部屋で待っていると、ほどなく颯爽とした足取りでご本人が登場した。
 


こっ、こんにちは!!
 

鈴木健児さん。乗務員歴19年


「どうも、よろしくお願いします」と挨拶をした鈴木さんの第一印象は「明るい方」。はきはきしていて、低めのよく通る声の持ち主だ。

まずは、ツイッターに投稿されたことについて話を伺う。

「8月31日(月)午後3時ぐらいだったでしょうか。投稿されたお母さんは41系統のバス(新横浜駅~鶴見駅西口行き)の“大豆戸(まめど)”交差点か“菊名駅前”の停留所で乗ってこられた方です。お母さん同士、ご友人の2人でそれぞれ乳児を抱いていました。ベビーカーをたたんで乗車されたのを見たのは覚えています」
 


新横浜発、横浜市営バス41系統


「乗車したとき、すでにお子さんがちょっと機嫌を損ねているな、という感じでしたね。お母さん同士がバスの進行方向左側の優先席に座り、ぐずぐずと泣きそうになっているお子さんをお母さんとお友達が一緒にあやしていました。でも、うまくいかなかったようで、赤ちゃんはついに泣き出してしまいました」

「そして、しばらくしてお母さんのお友達が先にバスから降りてしまったんです。お母さんはいろいろな方法であやしていて、周囲に配慮している印象でした。とても困った様子でしたね」
 


鈴木さんのとても分かりやすい話し方に引き込まれる


「午後3時の車内はお客様同士の会話もなく、とても静かでした。乗客数は新横浜から乗車し、徐々に降りていき15人ほどだったと思います。そんな中、車内に泣き声が響いてしまい、お母さんは焦っていました」

そこで鈴木さんは「ふと」アナウンスを通じ、こう語りかけた。

「お母さん、大丈夫ですよ。赤ちゃんですから気になさらないでください。きっと眠いか、おなかすいているか、おむつが気持ち悪いか、暑いかといったところでしょうか」
 


「一字一句合っているかどうかは覚えていません。なんせ・・・」


「・・・以前にも同じようなことを言ったことがあるからです」

なるほど。鈴木さんは普段から乗務員として乗客の様子をよく見て、声をかけるようにしているという。

例えば、足の悪い方や杖をついている老人が乗ってきたら「足元をよく見てください」「ゆっくりでいいですよ」とさりげなく。停留所で「自分の乗るバスはこれで合っているのか」と迷っている様子の乗客がいれば「どこに行かれますか?」と一声。
 


誰しも一度はあると思う。「このバスに乗っていいのか・・・?」という迷い


「お客様の安全のためにも、というのはもちろんありますが、車内の“空気”には気を使っています。あえてよくしようと盛り上げるようなことはしませんけれど(笑)、雰囲気が悪くないかどうかは気にしていますね」

鈴木さんは「当たり前のことをしているだけで、特別今回わけがあって声をかけたわけではないんです。普通のことなんですよ」と恐縮しきりである。
 


まさかツイッターに投稿されるとは思ってもいませんでしたよ、と


では、乳児が泣き出してしまった時も車内の雰囲気が悪く、それを鈴木さんが和らげたんですね、そう言うと「いえ、決して誰かが怒ったり顔をしかめたりするような悪いムードにはなっていなかったんです。しいていえば、今回は、お母さんを気遣いました」