中畑監督が退任宣言、2015年横浜DeNAベイスターズの最終戦の様子をレポート!
ココがキニナル!
10月2日の高橋尚成投手の引退セレモニーと翌3日の2015年横浜DeNAベイスターズの本拠地最終戦のセレモニーはどんな様子?(はまれぽ編集部)
はまれぽ調査結果!
先発登板の高橋は打者1人と対戦。試合後は、ファンへの感謝を伝えた。最終戦セレモニーでは、満員のスタンドから「キヨシ、辞めるな」の声が飛び交った
ライター:田中 大輔
3年振りの最下位。
それが、10月3日(日)に横浜スタジアムでの対読売ジャイアンツ戦をもって2015(平成27)年シーズンに幕を閉じた、横浜DeNAベイスターズの最終成績。
今季最終戦。ハマスタには多くのファンが集まった
そこだけ見ると悪いシーズンに思えるが、そこにいたるまでにはさまざまな出来事があった。
開幕からの絶好調、超が付くほどの混戦の中で立った首位、交流戦での大型連敗、後半戦の失速。そんな中での、180万人を超える過去最多の観客動員数。
そして、DeNA体制になって以来、チームの指揮を執ってきた中畑清監督の退任。
一言ではなかなか言い表せない2015年シーズン最後の1日。そして、キヨシ監督最後の1日。セレモニーの様子を中心に、みなさんにお届けしよう。
高橋尚成投手、ラストマウンドへ
でも、その前に。
最終戦の前日、10月2日(金)の同カードでは、今季限りで引退を決めた高橋尚成(たかはし・ひさのり)投手の最後の登板があった。
駒澤大学、東芝を経て、この日の対戦相手だった巨人のエースとなった左腕。4年間のメジャーリーグ生活を経て、DeNAベイスターズに凱旋入団を果たしたが、思うような結果を残すことはできなかった。
試合後、ファンへスピーチをする高橋
それでもこの日、先発投手として真っさらなマウンドに上がり、打者1人と対戦。最後のピッチングをDeNAベイスターズファンだけでなく、古巣のファンにも披露した。
2球を投じ、野手のエラーで出塁こそ許したものの、16年間のプロ生活で対戦した最後の打者をしっかりと抑え込んだ。
二人のお子さんからは花束が贈られた
最後はチームメイトからの胴上げ。16年のプロ生活にピリオドを打った
試合後にはマイクの前に立ち、「心が折れそうになったときにも、みなさんの声援があったから前を向いて立ち上がることができました」とファンに感謝を述べた高橋。
「これからも野球とともに生きていくつもりです」とスピーチを締めくくった。
「責任はすべて私に」
高橋尚成投手のラストピッチから一夜明け、チームはいよいよシーズン最終戦を迎えた。
番長・三浦大輔(みうら・だいすけ)投手の先発で始まったが、先制を許しリードを奪われる苦しい展開に。それでも、逆転勝ちの試合数リーグトップタイのDeNAベイスターズは、4回に梶谷隆幸(かじたに・たかゆき)選手の13号ツーランホームラン、6回と8回には筒香嘉智(つつごう・よしとも)選手の2打席連続ホームランなど、主力のアーチで追いすがった。
就任以来、中畑監督が言い続けた「最後まであきらめない野球」をこの日も見せてくれたが、投手陣が踏ん張れず5対7で悔しいフィニッシュとなってしまった。
試合終了後、グラウンドには選手たちが整列し、最後のセレモニーへ。
まずは、この日の試合前に退任が決定的となっていた中畑清監督がマイクを握った。
全選手、首脳陣が一列に並び、セレモニーが始まった
対戦相手、巨人のファンに感謝とCS(クライマックス・シリーズ)に向けてのエールを送った後、一塁側に向き直り「我がDeNAベイスターズファンのみなさん、1年間ありがとうございました」といつもの通りの大きな声で切り出した。
「(7月の)オールスターまでは首位でした。緊張感、よろこび、そして怖さを感じていました。幸せでした」と前半戦を振り返ると、「その後、どんなゲーム展開になってもこのチームの選手たちは、最後の最後まであきらめない野球をしてくれました」と選手たちを称えた。
ファンへの感謝と選手への賛辞を話す中畑監督
退任について直接触れる場面はなかったものの、「現状、惨敗です。その責任はすべて私にあります」とスタンドから飛び交う「辞めるな!」の声を縫うように話し、一線を退くことを示唆した。
何度も頭を下げながら、ファンへ「ありがとう」と伝えた
中畑監督は、何度も「ありがとう」と繰り返し、そのたび頭を下げた。
スピーチの最後には「またもう一度チャンスがあるのであれば、みなさんとお会いしたいです」とメッセージを残し、スタンドから沸きあがったキヨシコールを全身に浴びた。
試合後に行われた中畑監督の記者会見の様子は、明日の記事でお伝えする予定だ。